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Mumbai Meri Jaan(2008)#228-5

2011.03.20
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!

Mumbai Meri JaanMumbai Meri Jaan
(ムンバイー、我が命)
★★★★☆
ムンバイー・メーリー・ジャーン

製作:ロニー・スクリューワーラー/監督:ニシカント・カマト/原案・脚本・台詞・作詞:ヨーゲーシュ・ヴィナヤク・ジョーシー/脚本:ウペンドラ・シダーイー/撮影監督:サンジャイ・S・ジャダーヴ/音楽・背景音楽:サミール・パテルペーカル/プロダクション・デザイン:マヘーシュ・サルガオンカル、ダナンジャイ・モーンダル、パリマール・ダース・ポーッダル/衣装:サチン・ローヴァレーカル/VFX:Tata Elxsi/音響設計:サンジャイ・マゥーリヤー、アルウィン・レーゴー/アクション:ジャーヴェード-アエージャズ/編集:アミット・パワル

出演:パレーシュ・ラーワル、K・K・メノン、イルファーン、R・マダヴァン、ソーハー・アリー・カーン、ヴィジャイ・マゥールヤー、サクシャーム・ダイマー、スミター・ジャイカル、ディヴヤー・ジャグダレー、シュリーヴァラブ・ヴヤス

公開日:2008年8月22日(日本未公開)/135分
Filmfare Awards:脚本賞、編集賞、批評家選作品賞
Screen Awards:音響設計賞
リヨン新世代映画祭:作品賞

*不安を煽る文面はありませんが、氣分が優れない場合はページを閉じて様子を見てください。

STORY
2006年7月11日18時24分~35分、帰宅時間で混み合ったムンバイー郊外線。行き交う7つの列車で連続爆破テロが次々と発生。乗り合わせた、あるいは爆破現場に遭遇した登場人物たちは事件のショックから心が激しく揺さぶられ、壊れつつも、やがて街に暮らす人々との関わりから再生してゆく…。

Revie-U
先日起きたニュージーランド地震の被災報道では、日本から渡ったメディアによるマナーの悪い取材ぶりが伝わって来ていたが、さすがに本国における未曾有の大惨事においては真摯な姿勢を貫き、現地に飛んだ花形キャスター達もその衝撃を隠せずにいるようであった。
しかし、緊急事態からの復旧が進むにつれ、視聴率を意識したあざとい演出が増殖することが懸念される。
本作に登場するルパリは、報道する立場にありながら、そんなメディアによってセカンド・レープとも言える心の傷を負わされることとなる。

Mumbai Meri Jaan

(c)UTV Motion Pictuers, 2008.

演ずるソーハー・アリー・カーンは、サイーフ・アリー・カーンの妹。シャーヒド・カプール共演「Dil Maange More!!!(心がモアモア)」(2004)でボリウッド・デビュー。
Rang De Basanti(浅黄色に染めよ)」(2006)、Ahista Ahista(ゆるやかに)」(2006)やDhoondte Teh Jaoge(2009)などに出演。ヒロイン女優としてのメガヒット作はないが、小粒な作品でキャリアを保っている。
本作も決してソーハーでなければならない、という役柄ではないが、それだけに切実なものを感じさせる。

爆破現場をレポートした後、ミーティング中に入った知らせは、彼女のフィアンセが被害に遭ったという知らせだった。
さっそく救急センターに駆けつけるも、彼の所在は不明。やがて、遺体安置所での辛い再会となる。
そんな彼女へ上司から労(ねぎら)いの電話が入るが、続く言葉はキャメラの前でコメントをせよ、というオーダー。

やがて、悲痛な心境にあるルパリは、後から刷り上がって来た結婚式の招待カードも使われて、扇情的な演出の特番で大々的に悲劇のヒロインとして祭り上げられる。
これまで見て来た、PTSDに陥ったニキル、自分で抱えていた問題から自警化へ走ったスレーシュ、経済格差に喘ぐ鬱憤から愉快犯へと至ったトーマス達とは異なり、テロ被災へムンバイー全市民が捧げる黙祷においても、常に彼女を捉えようとするキャメラが氣になり、心が安まることがない。

Mumbai Meri Jaan

(c)UTV Motion Pictuers, 2008.

心に深い傷を負い、そう簡単に癒されず、これから先も不安を抱えて過ごす人々がいることをルパリというキャラクターが教えてくれる。

 

 

災害被害に遭われ亡くなられた方々に謹んでお悔やみを、現在も災害被害に困窮している方々へ心から声援を、また、いち早く平穏が戻りますようお祈り申し上げます。

1:イントロダクション
2:列車に乗るも間一髪助かったニキル(R・マダヴァン)
3:自警化する失業中のスレーシュ(K・K・メノン)
4:経済成長から取り残された下流層のトーマス(イルファン・カーン)
5:テロで婚約者を失ったTVリポーターのルパリ(ソーハー・アリー・カーン)
6:退職間近の平警官トゥカラーム(パレーシュ・ラーワル)
7:バックグラウンド

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