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No Entry(2005)#223

2011.03.09
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!

No Entry

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No Entry ★★★☆

製作:スリンデール・カプール/提供:ボニー・カプール/脚本・監督:アニース・バーズミー/撮影:アショーク・メーヘター/作詞:サミール/音楽:アヌー・マリック/振付:プラブ・デーヴァ、ラージュー・スンダラーム、ガネーシュ・アチャルヤー、ヴァイバヴィー・メルチャント、B・H・タルン・クマール/背景音楽:サリーム-スレイマン/美術監督:プリテーン・パテール/共同監督、プロダクション・デザイン:シャーム/アクション:P・クマール/VFX:プライム・フォーカス/編集:サンジャイ・サンクラー

出演:アニル・カプール、サルマーン・カーン、ファルディーン・カーン、ビパーシャー・バス、イーシャー・デーオール、ラーラー・ダッタ、セリーナー・ジャイトリー、ボーマン・イラーニー、ラザック・カーン、ディニーシュ・ヒングー、アンジャン・スリワスターワ、プラティマー・カーズミー
友情出演:サミーラー・レッディー、ゴーヴィンダ

公開日:2005年8月25日(年間トップ2ヒット/日本未公開)

No Entry

(c)BSK Network & Entertainment Ltd, 2005.

STORY
ゴシップ紙「サンライズ」の編集者キシェン(アニル)の美人妻カージャル(ラーラー)は、夫の浮氣が氣になってしかたない心配症。ところが、遊び人プレーム(サルマーン)の紹介したダンサー、ボビー(ビパーシャー)がキシェンにモーションをかけ始め…。

Revie-U
欧米映画のクオリティに向かって突き進むゼロ年代のボリウッドにあって、逆噴射とも思えるベタなギャグをぶちかまし、なんと2005年のトップ2ヒットにランクイン! やはりウエスタナイズされたライフ・スタイルへの反動か?!
もっとも、他愛もない痴話話をあえて南アフリカ/モーリシャス/タイ・ロケでゴージャスに展開してしまうのは、いかにもゼロ年代のバブリーなボリウッド。

No Entry

(c)BSK Network & Entertainment Ltd, 2005.

Mr.Indiaことアニル・カプールは道義的なヒーローも力強く演じられる一方、この手の軽過ぎるキャラクターもよく似合う。
この時期、アニルは低迷期にあったはずだが、しっかり口髭が残った旧来のイメージであるのは、劇中に「たとえ明日が来なくても」Kal Ho Naa Ho(2003)や「レッド・マウンテン」LOC Kargil(2003)、ウダイ・チョープラー主演「Supari(暗殺者)」(2003)の看板が見られることからも撮影がMusafir(旅人)」(2004)以前だったと思われる。

No Entry

(c)BSK Network & Entertainment Ltd, 2005.

サルマーン・カーンは、例によってプレイボーイ役で期待通り。特別出演といってもよい程度の出番なのが寂しい。

弟分役のファルディーン・カーンは、初期のJungle(2000)をピークに年々芝居が下手になって心配していたが、最新主演作「Dulha Mil Gaya(花婿をみつけた)」 (2010)ではプロデューサーがさじを投げ、特別出演のシャー・ルク・カーンにすがるも結局メガ・フロップ。目も当てられない結果に。

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(c)BSK Network & Entertainment Ltd, 2005.

本作のお楽しみは、ズラリと並んだセクシー女優だろう。
アニルの妻役ラーラー・ダッタは、ミス・ユニヴァース2000。かの「マトリックス・リローデッド」&「マトリックス・レボリューションズ」(2003=米)にオファーされたほどのゴージャス系。毎回、露出度も高く、Zinda(生存)」(2006)ではサンジャイ・ダットとの絡みも辞さなかった彼女が、若い家政婦がちょっとばかりセクシーだからと浮氣の被害妄想に走る、従順な人物造形が本人とギャップがあり過ぎて?笑わせてくれる。

その妹役がNa Tum Jaano Na Hum(君も僕も知らずして)」(2002)のイーシャー・デーオール。サルマーンの妻役と少々役柄が小さく、伸び悩みなのが氣になったが、「Hijack」(2008)の客室乗務員役以降、すっかり消え去ってしまったのが残念。

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(c)BSK Network & Entertainment Ltd, 2005.

女好きのアニルを誘惑するサード・ヒロインが、クラブダンサー役のビパーシャー・バス。例によってフェロモンを撒き散らし、これにはアニルならずとも鼻の下が伸びそう。ゲストハウスでの誘惑ナンバルdil chura keは、プレイバックのアリーシャー・チノイとのマッチングもよい。
新作「Lamhaa」(2010)の過激派役もブルカーからのぞける美顔が過激に華麗。

ファルディーンを自殺願望と勘違いして追っかけ回すのが、カーブル生まれのエキゾチック・ビューティー、セリーナー・ジャイトリー。母親がスコットランド人、父親がインド人のアイシュ顔で、ミス・インディア2001からミス・ユニヴァース2001に出場。ファルディーン共演「Janasheen(後継者)」(2003)でデビュー。「Golmaal Returns(ごまかしリターンズ)」(2008)でも似たような役まわりで出演、通行人を撥ねておいてしらばっくれるサスペンス「Accident on Hill Road」(2009)はまさにアクシデントな痛さ。
本作ではダビング(アテレコ)も手伝って芝居の出来は、かなり低い印象。ファルディーンと組むと余計に酷いが、そこはC級テイストのスケッチに乗せられて、ついつい笑ってしまう(苦笑というより失笑)。

原版は、タミル「Charile Chaplin」(2002)とのこと。ヒンディーの他、テルグ、マラヤーラムにもリメードされている。
製作はアニルの父、スリンデール・カプールだが、実際に手腕を発揮しているのは、兄のボニー・カプール(妻はシュリーデヴィー)だろう。
商魂たくましいボニーだけに、正式リメイクかどうか判然としないが、タミル版に出ているプラヴデーヴァを振付に起用しているのは、さすが(この後、サルマーン主演Wantedにつながる)。

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(c)BSK Network & Entertainment Ltd, 2005.

脚本・監督に白羽の矢を立てられたのは、Raju Babu(ラージャー坊ちゃん)」(1994)、「殺したい女」(1989=米)を勝手にリメイクしたB級コメディMujhe Meri Biwi Se Bachaao(私を妻から救って!)」(2001)の脚本家アニース・バーズミー。監督前作のパワフルなスリラー「Dewangee(狂氣)」(2002)から一転、勘違い+口から出任せのコメディ精神を見事発揮。本作が起爆剤となって、Welcome(2007)や「Singh is Kinng」(2008)へと発展。「ゼロ年代のデーヴィッド・ダワン」とも言うべきコメディ・ヒットメーカーとなる。

また、ゴーヴィンダがデート中の映画に、Taxi No.9211(ぶち逃げタクシー)」(2006)のサミーラー・レッディがエンディングのセクシー美女役でカメオで登場。
女好きの大臣ボーマン・イラーニーは良好、大臣の夫を本氣でどつく強妻プラティマー・カーズミーが強烈! 彼だけムンバイー・ロケのラザック・カーンのインチキ占い師ぶりも爆笑!

なんだかんだと言っても腹を抱えて笑えるマサーラーは、やっぱり面白い。
ストレス解消にぜひどうぞ。

No Entry

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