Biwi No.1(1999)#207
Biwi No.1(奥様No.1) 01.05.09 ★★★
ビーヴィー(ビーウィー)・ナンバル・ワン
製作:ヴァシュー・バグワーニー/監督:デヴィッド・ダワン/原案:カマル・ハッサン/脚本・台詞:ルミー・ジャフリー/撮影:K・S・プラカーシュ・ラーオ/作詞:サミール、デーヴ・コーへリー/音楽:アヌー・マリック/振付:B・H・タルン・クマール、ガネーシュ・アチャルヤー/アクション:マヘンドラ・ヴェルマー/美術:R・ヴェルマン/編集:A・ムトゥ
出演:アニル・カプール、サルマーン・カーン、カリシュマー・カプール、タッブー、スシュミター・セーン、ヒマーニー・シヴプリー
特別出演:アミターブ・バッチャン
ゲスト出演:サイーフ・アリー・カーン
公開日:1999年5月27日 (1999年度No.2ヒット)
Filmfare Awards/Screen Awards/Zee Cine Awards:助演女優賞(スシュミター・セーン)
STORY
プレーム(サルマーン)は、プージャー(カリシュマー)という美人妻がありながら、ゴージャスなファッションモデルのルパリー(スシュミター)を口説いてスイス旅行へ。ところが同じ飛行機に親友のラカン(アニル)とラヴリー(タッブー)の夫妻が同乗! もちろん、この不倫旅行はプージャーの知れるところとなり、プレームは家を飛び出し、ルパリーの妾邸へ移り住む。プージャーの反撃作戦が始まるが、果たして夫婦の絆は戻るのか??
Revie-U
まずもって驚かされるのは、プレーム&プージャー夫妻が住む大豪邸。庶民には夢のまた夢、そのまた夢を描くボリウッド・ムーヴィーに出て来る屋敷は数多くあれど、ほとんどゴルフ場かと思う大庭園。しかもルパリーに与えられる妾邸もこれまたため息出るほど!
このルパリーに扮するスシュミター・セーンはインド初のミス・ユニヴァース1994を受冠しただけあって、ルックス、スタイル、満点。何しろ身長179センチ、92・61・92のスリーサイズのゴージャス・ボディ。首振りダンスも難なくこなし、見事、映画の華となっている。
一方、サルマーン・カーンは例の志村けん調で通すものの、時より垣間見える真摯な芝居はさすがボリウッド10年選手。スクリーンで見せる子煩悩ぶりから、近ごろ、オフの日はシャー・ルク・カーンの息子アールヤンと遊んでるというサルマーン(アイシュワリヤー・ラーイと別れたから?!)が目に浮かぶほど。
健氣な妻から一転反撃の妻を演ずるカリシュマー・カプールも、スシューに迫るセクシー・ファッションモデルぶりを披露。ここで、家庭に抑圧されてる女性層が歓喜する訳か。
一番の見どころは、子供たちの学芸会。と言っても、単なるお遊戯会にあらず。前振りの司会者は、天下のビッグBことアミターブ・バッチャン。ステージにはシルディのサイババがドーンと祀られ、子供たちが涙ながらに歌い両親の不仲をシルディのサイババに訴えるのだ(ステージ脇にはマザー・テレサの写真も)。感動したプージーャーが客席から立ち上がって歌い出し、過ちに氣付いたプレームも歌いながらステージへ(「mujthe maaf karna om sai ram(僕を許して、神様)」を歌っているアディティヤは、プレイバックシンガー、ウディット・ナラヤンの実子)。
結局、オープニング・タイトルバックでルパリーを撮りまくって一度はフラれたカメラマンのディーパック(サイーフ・アリー・カーン)とルパリーが再会。一件落着と思い氣や、ラカン(アニル・カプール)とルパリーのハグを見てしまったラヴリー(タッブー)がブレーキ修理中の車で暴走。ラカンと息子が必死で追って、なんとか収まるというオチ付き。
原案は、タミル映画界のトップスターで、ヒンディー映画「Hey Ram!(神よ!)」(2000)も監督・主演しているカマル・ハッサン。
*追記 2011,02,21
カマル・ハッサン主演「Sathi Leelavathi」(1995=タミル)の正式リメイク。と言っても、大本は「ジー・デビル」(1989=米)とのこと。
モデルに入れ込んで…という点ではシャー・ルク・カーン主演「Yes Boss」イエス・ボス(1997)もこれの変形か。
さらにサルマーン・カーンとアニル・カプールを入れ替えたのが、ゼロ年代後半のコメディ路線に火を付けた「No Entry」(2005)になる。
>スシュミター・セーン
助演女優賞を総なめにした割には、つたない演技ではあるが、そのゴージャス・ボディにノックアウトされること請け合い。
>アミターブ・バッチャン
90年代とあって、ゼロ年代でのトレードマークである例の白い髭はまだ蓄えていない。この時期、低迷期にあったものの、本作やサルマーン主演「Hello Brother」(1999)など頼りになる特別出演は、やっぱりBig B!
アヌー・マリックによるフィルミー・ソングは、これまた粒揃い。
振付のガネーシュは、映画賞ステージやSRKのワールド・ツアー「Temptation」などを手がけるガネーシュ・ヘーグデーと混同されないよう後にフルネームを明かすガネーシュ・アチャルヤー。「ishq sona hai(恋は黄金)」中、向き合っているサルマーンとスシューがぱっと顔を背け合うところなど、彼がよく用いる。
また、海外の借景ロケにて街頭で人止めもせず、傍観者の前で平然と踊らせるのもこの時期ならでは。元々、大道芸場面などの下地があったせいか、まったく氣にならない様子。