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Koyla(1997)#194

2011.02.08
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
Koyla

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「コイラ〜愛と復讐の炎」Koyla 01.04.18 ★★★★

原案・製作・監督:ラーケーシュ・ローシャン/脚本:サチン・ボゥミック、ラヴィ・カプール/台詞:アンワル・カーン/撮影:サミール・アールヤー/作詞:インデーヴァル/音楽:ラージェーシュ・ローシャン/振付:サロージ・カーン、ラージュー・カーン/アクション:ビクー・ヴェルマー/美術:R・ヴェルマン/編集:サンジャイ・ヴェルマー

出演:シャー・ルク・カーン、マードゥリー・ディクシト、アムリーシュ・プリー、ランジート、ディープシカー、ジョニー・リーヴァル、アショーク・サラーフ、ジャック・ガゥード、ショーバー・コーテー、スレーシュ・チャトワル
助演:ラーム・モーハン、クニカー、ヒマーニー・シヴプリー、ヴィカース・アナン(=アーナンド)、プラディープ・スィン、デーオ・マルホートラ、マスタル・モーシン、マスタル・ウィッキー、ラザック・カーン
特別出演:モーニーシュ・ベーヘル

公開日:1997年4月18日 (年間15位/日本未公開)

STORY
失語症の野生児シャンカル(シャー・ルク)は、大領主ラージャー(アムリーシュ)に育てられた。しかし、ラージャーが村の美少女ガウリー(マードゥリー)を騙して娶ったことから、石炭(コイラ)鉱山でダイヤモンドを発見した父と母をラージャーが殺害していたことを知る・・・。

Revie-U
ヒットメーカー、ラーケーシュ・ローシャンシャー・ルク・カーンが組んだ3作目、それもヒロインにマードゥリー・ディクシトが加わった豪華版。オープニングタイトルバックからして、燃える炎と淡いピアノのメロディに秀作の予感。見どころはなんといっても野性味あふれる若きシャー・ルクの全開ぶり! ヒロインの名ガウリー(=ガォリー/ゴゥーリー)が彼の実妻と同じだからだろうか、燃えに燃えて、火だるまになって突っ走るファイアースタントも吹き替えなし。

囚われた花嫁マードゥリーとのジャングル逃避行では、追跡する傭兵部隊を「ランボー」(1982=米)さながらに撃退(BGMも一部「ランボー/怒りの脱出」風)。壮大な滝を飛び落ちるシーンも、マードゥリー共々ワイヤー・ワークに挑戦! 水面ギリギリ超低空ヘリスタントを交わすシーンも決死の撮影だ(ヴィック・モローが事故死した「トワイライト・ゾーン」のヘリ・シーンが思い過る)。

一方、マードゥリーもおさげ姿の少女から恋を知った乙女へと華麗な姿を披露。炎天下のシヴァ寺院で躍るトランスダンスには大いに心奪われてしまう。因みにギャラは、当時の金額で55ラーク(現在のレートで1650万円)だったとか。

アムリーシュ・プリーの白髪メイク、グラマラスな情婦役ディープシカーのひたすらセクシーショット連発サービス、Karan Arjun」カランとアルジュン」(1995)の面々も随所に登場とうれしい限り。ため息が出るほど晴天の山々が美しいロケーションは、ティベット、ブータンに隣接するアルナーチャル・プラデーシュ州での撮影。

*追記 2011,02,08
>ディープシカー
瑞々しい肌を見せるディープシカーは、その後、「Partner」(2007)でサルマーン・カーンの義妹を演じている。わりと、セリーナー・ジャイトリーと瓜二つ。

>シャー・ルク・カーン
グンガー(失語症)という設定ながら、台詞&ソング・シーンあり。というのも相棒ジョニー・リーヴァルが腹話術を得意とし、ダンス・ナンバル中もジョニーが<腹話術>をしているため(もちろん、プレイバックはシャー・ルクの声にぴったり合うウディット・ナラヤン)。

ガウリーを見初めたラージャーは、シャンカルの写真で見合いをアレンジ。まんまと結婚を成立させる。
ここで演出の冴えは、聖火を七回廻って結婚の儀が整ったクライマックスでなく、廻っている途中で来賓の中で給しするシャンカルを花嫁のガウリーが見つけるというもの。
ガウリーがそこで氣を失うが、ラージャーは彼女を抱えて儀式を完遂させてしまう。ヒンドゥーの結婚は神が認めた神前婚であるから、一度儀式が整ってしまうとこれを覆すことは容易ではない。観客にはラージャーのチーティングを示して感情移入させる余地を用意。
そして翌日の披露宴ではシャンカルがバーンスリー(横笛)を吹きながら踊り、果ては天井高く飛び上がり、クリシュナに重ね合わせていることが示される。クリシュナは神であるが故に婚外のラーダーという恋人を持っても許される訳で、これも脚本の妙。

ラージャーの策略による仕組まれた結婚であることを知ったガウリーは、シャンカルだけを心の夫として神に誓う。翌日、シヴァ神殿での儀式へ連れて行かれたガウリーは馬車から降り際、装身具をシャンカルの足下に落としては、それを拾う振りをしてそっとシャンカルにプラナーム(敬愛の礼)を施す。こうしてシャンカルと観客は、ガウリーの決意を知るのだ。

続く儀式の場面もインド文化を知っていると力が入る。
プージャーリー(祈祷師)から夫だけを心に想い描き「夫は神である」と言うように促されると、ガウリーは深い瞑想へと入り込む。ラージャーが試しに聖火の炎を肌に押しつけてもガウリーは動じることがない。それだけシャンカルへの想いが強いのだ。
だが、見ているシャンカルは氣が氣ではなく、大太鼓を叩いて氣を逸らそうと試みるや、トランス状態に入ったガウリーが炎天下の中、踊り出す。
無論、これは国民映画Sholay」炎(1975)でのバサンティ(ヘーマー・マーリニー)が愛するヴィール(ダルメンドラ)を縛り上げられたことから盗賊ガッバル・スィン(アムジャード・カーン)の前で踊る「haan jab tak hai jaan(命ある限り)」の変形と言えよう。

若かりしシャー・ルクのひとり「Karan Arjun」と言える本作。監督ラーケーシュ、脚本サチン・ボゥミック&ラヴィ・カプールによる高水準の出来、ラージェーシュ・ローシャンの音楽も心地よく、特に郭に売られたガウリーへ押しかけた客が戸を叩く音をリズム帯としたbadan juda hote hainなど胸に刻まれる。
シャー・ルクとマードゥリーが滝壺に落ちるダイヴ・シーンは、ワイヤー・ワークでなくデジタル合成。技術が進んでいるはずのRaavan」ラーヴァン(2010)より上出来だったりする。
シャー・ルクの野生児ぶりがリティク・ローシャン主演「Krrish」(2006)の原型的であるのも見逃せない。

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