Dil Kya Kare(1999)#163
Dil Kya Kare (心迷って) 01.05.12 ★★★☆
ディル・キャー・カレー
製作:ヴィール・デーヴガン/原案・監督・編集:プラカーシュ・ジャー/脚本:ヴィヴェーク・アプテー、マンゲーシュ・クルカルニー/台詞:ジャーヴェード・シッディーク/撮影:ラージェン・コータリー/音楽:ジャティン-ラリット/詞:アナン(=アーナンド)・バクシー/背景音楽:ナレーシュ・シャルマー/アクション:ジャイ・スィン/振付:ニメーシュ・バット/美術:シャルミスター・ローイ
出演:アジャイ・デーヴガン、カジョール、マヒマー・チョウドリー、チャンドラチュール・スィン、ファリーダー・ジャラール、アクシター・ガルード、ラクシュミーカーント・ベールデー
友情出演:モーハン・ジョーシー、アナント・マハーデーヴァン、アヴタール・ギル、ラージェンドラ・グプタ、ディニーシュ・ヒングー
特別出演:アチャラー・サッチデーヴ、アルン・バクシー、クマール・マンガト、ミシャー・ゴォータム
公開日:1999年9月24日(日本未公開)
Screen Awards:背景音楽賞
STORY
アナン(アジャイ)は妻カヴィター(マヒマー)と娘ネーハー(アクシター)と暮らし幸福の絶頂にあった。しかし、ある時から娘の前に謎の女性が現れる。実はネーハーは事故で亡くした子供の代わりに孤児院から授かった養子であり、その本当の母親とは、かつてアナンが夜行列車内で暴漢から身を守り一夜の恋を契ったナンディーター(カジョール)であった・・・。
Revie-U
1999年2月に結婚したカジョール&アジャイ・デーヴガンの自社製作第1弾の不倫メロドラマ。「Kuch Kuch Hota Hai」何かが起きてる(1998)に続き、大人になったカジョールの魅力がいっぱい。
デビュー作「Pardes(他国)」(1997)の田舎娘から一転して、マヒマー・チョウドリーがスタイル抜群のビューティー・マダムを熱演している。
学生時代の友人カヴィターに想いを寄せ、後半アジャイと法廷で敵対する親友ソーヌー役は「Josh(激情)」(2000)のチャンドラチュール・スィン。
自らのデーヴガン・エンターテイメントで制作したアジャイだが、ファイティング・シーンをほぼ排し正統派メロドラマに仕上げている。フラッシュバックを多用した構成も見事で、ネーハー(ほとんどニハーと聞こえる)を愛してやまない生活が「manday bhi ho」、学生時代に知りあったアナンとカヴィターが結婚&妊娠、そして事故&流産の顛末をコンパクトに「do dilon ki」のフィルミーソングへ乗せ、夜行列車のくだりも印象的に綴る。
例によって豪勢な暮らしぶり(!!)の主人公たちだが、コンチネンタル・スタイルのパーティーでタンゴを踊るアジャイ&カジョールのカッコよさ!!! 負けじとマヒマーもシルクのランジェリー姿でアジャイを「挑発」!!!!(セクシー過ぎる??)
それにしても主題歌「dil kya kare」(ウディット・ナラヤン×アルカー・ヤーグニク)は、東京ロマンチカあたりにありそうなムード演歌調。特にクマール・サーヌーが歌うサッド・ヴァージョンの方がよりリリカルで、心迷わされること請け合い。果たしてアジャイはヒンドゥーの掟から妻マヒマーを選ぶか、実生活の新妻カジョールを選ぶか? これが結婚後第1弾というから、ファンはラストまで大いにヤキモキすることだろう。
*追記 2011,01,05
>チャンドラチュール・スィン
ヒロインに恋慕するセカンド・ヒーローがお似合いなチャンドラチュール。本作では詩人の設定で、出版される詩集のタイトルが「Dil Kya Kare(心はどうするの?)」。大学時代から愛し続けているのがカヴィタ(詩)。
いかにも昼のソープ・オペラにありそうな展開だが、これを監督しているのが70年代から活躍するプラカーシュ・ジャー。「Gangaajal(ガンガーの聖水)」(2003)など、本作以降の5作中4作はアジャイ主演。ドキュメンタリー出身だけあって、本作以外は社会的なテーマを掘り下げ、2010年にはトップ2ヒットに食い込んだマルチスター政治巨編「Raajneeti(政祭)」を放ち巨匠入り。
サーヴァント役は定番ラクシュミーカーント・ベールデー。惜しくも2004年12月16日に腎不全で他界。
ナンディーターの母親役に90年代の定番ファリーダー・ジャラールが扮している。