Hello Brother(1999)#148
「Hello Brother」 01.04.24 UP/02.09.13 Re ★★★☆
製作:バンティー・ワーリア/製作・原案・脚本・台詞・監督:ソハイル・カーン/撮影:サントーシュ・トンディール/音楽:ヒメーシュ・リシャームミヤー、サジード-ワジード/詞:スダカル・シャルマー、ジャリーズ・シェルワーニ、ファイズ・アンワル/振付:ガネーシュ・アチャルヤー/美術:チョーカス・バラドワージ/アクション:マヘンドラ・ヴェルマー/編集:ユースフ・カーン
出演:サルマーン・カーン、ラーニー・ムカルジー、アルバーズ・カーン、シャクティ・カプール、ジョニー・リーヴァル、ニーラージ・ヴォーラ、ラザック・カーン
声の特別出演:アミターブ・バッチャン
公開日:1999年9月10日(年間14位/日本未公開)
STORY
ムンバイーのバンドラ警察署へ転属になった麻薬課の警部ヴィシャール(アルバーズ)。表向きはバイク便を経営するアンダーワールドの大物カンナー(シャクティ)を洗ううち、知らずにドラッグを運んでいたバイク便ライダーのヒーロー(サルマーン)が事件に巻き込まれ殺害されてしまう! 負傷したヴィシャールの前に現れたのは、なんとヒーローのゴースト!! しかも、彼の葬式で見かけた幼なじみラーニー(ラーニー)にヴィシャールが一目惚れして・・・。
Revie-U
サルマーン・カーン、アルバーズ、ソハイルの三兄弟が結集! しかしながら、蟹江敬三似のアルバーズがいくら二枚目を氣取ってもネェ(ダンスのノリもかなりハズレだし)。アルバーズに花を持たせようとするサルマーンだが、やはり輝きは天と地!! そのサルマーンがインタルミッション前にゴーストとなる!? そう、これは「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990=米)のイタダキなのだ。ラストも瓜二つ!
エンディングで天使となってふたりの結婚を見守るサルマーンを呼ぶ天の声が、ボリウッドの頂点に君臨するアミターブ・バッチャンというのがニクイ。
同じく「ゴースト」を彷彿とさせる「Kuch Kuch Hota Hai」何かが起きてる(1998)では霊界から娘と夫を見守る役だったラーニー・ムカルジーが、今回は幼なじみを失う。誘拐された彼女を救出するヴィシャールにヒーローが乗り移って戦うその動きから、死んだヒーローの存在を感じ取るシーンは胸を打つ。
ゴーストとなるヒーローがバイク便の紅いユニフォームを着ているのは、冒頭の祭りで赤い色水を掛け合うシーンもあることから聖なる存在ということなのだろう。このゴーストとなったヒーローの姿が見えるのはヴィシャールだけで、他人にはヴィシャールが狂ったかのように見えて笑えるのだが、おちゃらけたヒーローのゴーストと刑事が組むバディムービーにまで昇華されていれば、もっと面白くなったのではと思う。
サルマーンのおちゃらけぶりは今が旬で、今回はプレイバックシンガーとしてもデビュー! もちろん、ダンディな真のヒーローぶりも用意。バイク便のモペットを乗るサルマーンとカワサキZXRのレーサーレプリカにまたがるダンディなサルマーンがシネスコ画面に合成されて登場、ラーニーとのオランダ村チューリップ畑でのミュージカル・ロケもあり(往年のボリウッド作品や、テルグ語映画のメガスター、チランジーヴィー&ジュヒー・チャーウラーの「The Gentleman」とまったく同じロケ地!)。
脇を固めるのは御存知ジョニー・リーヴァル、Z級映画から「Humara Dil Aapke Paas Hai(私の心はあなたのもの)」(2000)でアイシュワリヤー・ラーイと共演までしてるラザック・カーンがカラテマスター(?)ニンジャおぢさん役、ニーラージ・ヴォーラも警察署長役でオナラ爆発だ!!!
*追記 2005,09,12
祭りナンバル「chandi ki daal par」(サルマーン自身がプレイバック!)でのラーニーが実に素晴らしい。後に下がりながらの芝居から一転、バックグラウンドダンサーの群舞にぴたりと合わせて踊り出す瞬間は、そのリズム感の良さに舌を巻くほど!
*追記 2010,12,25
「Dabangg(大胆不敵)」(2010)の原点とも言うべきサルマーン兄弟集結作。それにしてもアルバーズの酷さと言ったら…(苦笑)。
注目すべきは、音楽監督に今をときめくヒメーシュ・リシャームミヤーとサジード-ワジードが登庸されていること。どれも耳に残るファンキーなナンバルであり、音楽だけでも再評価されて欲しいところ。