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Qayamat Se Qayamat Tak(1988)#135

2010.12.12
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
Qayamat Se Qayamat Tak

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Qayamat Se Qayamat Tak(破滅から破滅へ) 02.08.22 ★★★
カヤマト・セー・カヤマト・タク

製作・ストーリー・脚本・台詞:ナーシル・フセイン/監督:マンスール・カーン/撮影:キラン・デーオハンス/詞:マジローフ・スルターンプリー/音楽:アナン(=アーナンド)-ミリンド(=ミリンド)/美術:シブ/アクション:アフムド・バーイ/振付:スレーシュ・バット/編集:ザファール・スルターン

出演:アーミル・カーン、ジュヒー・チャーウラー、ゴーガ・カプール、ダリープ・タヒル、アロークナート、ラージ・ズトシー、リーマー・ラグー、アルン・マトゥール、シーフナーズ、ブリージ・ゴーパル、ヴィジュー・コーテー、アルジュン、アーシャー・シャルマー、マスタル・イムラーン
ゲスト出演:アジート・ヴァチャニー

公開日:1988年4月29日(年間トップ5ヒット!/日本未公開)
Filmfare Awards 監督賞、作品賞、脚本賞、音楽監督賞、撮影賞、男性プレイバック・シンガー賞(ウディット・ナラヤン)受賞

STORY
結婚の約束を反故にされた妹が自殺したことからダンラージ・スィン(ダリープ)は、相手の結婚式へ乗り込んで恋人だった花婿を射殺! やがて刑期を終えて出所するが、息子のラージ(アーミル)が宿敵ランディール・スィン(ゴーガ)の娘と知りながらラーシュミー(ジュヒー)と恋に落ちてしまう・・・。

Revie-U
ラガーン」Lagaan(2001)でNational Film  Awardsを受賞したアーミル・カーンの(再)デビュー作!

製作・脚本のナーシル・フセインはアーミルの叔父、監督のマンスール・カーンは従兄弟にあたる。そのためか、アーミル自身もナーシルの脚本助手としてクレジットされている。アーミルは妻レーナーと駆け落ちしたというから、その実体験が加味されているのかもしれない。

デビュー当時24歳のアーミルは、さすがに青臭い(なんと短パン!!)。その心もとなさが女性層に受けた?!

乗馬シーンでさっそうと登場するヒロイン、ジュヒー・チャーウラーミス・インディア1984の後、ポツポツと映画出演していたが本作のヒットでようやくブレイク。「ラジュー出世する」Raju Ban Gaya Gentleman(1992)やDarr(恐怖)(1993)の頃どころか、ボリューム・アップした以外は現在と変わらぬ愛らしさなのがスゴイ。

アーミルとジュヒーはIshq(恋)(1997)において、公衆の面前でキス・シーンをこなしていたが、本作でも初々しいキス・シーンが見られ、これが年間5位の動員力となった???

ストーリーは、ボリウッド定番ラヴ・ストーリーの「ロミオとジュリエット」物。かの「ボビー」Bobby(1974)もそうであるが、本作はそれに相応しいエンディング。両タークル家が対立するきっかけとなった悲劇から幕開けし、まさにタイトル通り「Qayamat Se Qayamat Tak(破滅から破滅へ)となる。

マンソールはこの手の話が好きなのか、Josh(激情)(2000)でも「ウエストサイド物語」(1961=米)を下敷きに再度チャレンジしているが、ハッピーエンディングになっている。

翌年リリースされたスーラージ・R・バルジャーツヤーMaine Pyar Kiya(私は愛を知った)(1989)も同様のストーリーであるからして、本作のヒットが刺激になっているとみえる。

ちなみに、駆け落ちしたアーミルが小屋を建ててヒロインと暮らすエピソードは、インドラ・クマール「Dil(心)(1991)にも継承されている。

話の展開は、この頃のボリウッド映画らしくのんびりとした物だが、十数年ぶりに出所したダンラージがラージからの手紙を手にカレッジのパーティーを訪ねて彼を探すシーンで、観客も「まだ見ぬ」アーミルを一緒になって探すことになる演出がニクイ。

ラージの父親ダンラージは、ほとんど主役ともいえるキーパーソン。扮するダリープ・タヒルも演技に力が入る。

その父親ジャスワントに、お馴染みアローク・ナート

ラージの弟シャーム役は、「Lagaan」でイスマイェルを演じていたラージ・ズトシーGrahan(日蝕)(2000)やHum To Mohbbat Karega(恋しようよ)(2000)など頻繁に登場するまで10年越しのマイナー役者だ。

対する宿敵ランディール・シンに、ゴーガ・カプール。大柄低音強面の父親像は、後のアムリーシュ・プーリーの原型に思える。

ラーシュミーの母カルマーには、Vaastav(現実)(1999)のリーマー。まだまだ母親役としては印象薄い。ダリープとアローク、そしてリーマーの3人は、それぞれ若いのだが、本筋では全員老け役となっている。

オープニング・エピソードのみ登場し、両家の因縁を作るラータン・スィン役がカランとアルジュンKaran Arjun(1994)の悪役アルジュン。まだスリムなため恋愛物に出ても可笑しくない青年に見えるが、やはり重用されず、すぐダンラージに射殺されてしまう。

その他、第3幕でランディールに傭われるワニ目の殺し屋は、Yeh Raaste Hain Pyaar Ke(愛の道標)(2001)などでしばしば登場するブリージ・ゴーパル。マン・スィン役ヴィジュー・コーテーのドカベン顔も見た顔だ。

また弁護士役でAankhen(目)(2002)のアジート・ヴァチャニーがちらりとゲスト出演している。

音楽のアナン-ミリンは、Film Fare Award音楽監督賞を受賞。ウディット・ナラヤンが男性プレイバック・シンガー賞を受賞した「papa kehte hain」は、アーミル登場シーンのオールデイズ・バージョン、エンディングのサッド・バージョンともによい。ただし、ウディットのヴォーカルは本氣なのか冗談なのか時よりかなり調子っ外れに聞こえる。

アルカー・ヤーグニクも本作のヒットを契機にボンベイへ移り、本格的にプレイバック・シンガーの道を歩むなど、本作はアーミル、ジュヒー、ウディット、アルカーらがボリウッドのトップ・アーティストとなるきっかけとなった。

*追記 2010,12,12
俳優賞こそ逃したものの、Filmfare Awards6冠受賞とかなりのセンセーションを巻き起こしたことが解る。

オープニングの序章シーンにて、幼年時代のラージ役となっているのが、アーミルが製作を買って出たデビュー作「Jaane Tu..Ya Jaane Na(知ってるの? 知らないの?)」(2008)のイムラーン・カーン。台詞もなく、子役というより、ただその場に連れて来られた子供といった印象。

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