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Duplicate(1998)#120

2010.11.25
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
Duplicate

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Duplicate(瓜二つ) 01.10.22 ★★★

製作:ヤシュ・ジョハール/監督:マヘーシュ・バット/音楽:アヌー・マリック/詞:ジャーヴェード・アクタル

出演:シャー・ルク・カーン、ジュヒー・チャーウラー、ソーナーリー・ベンドレー、ファリーダー・ジャラール、モーニシュ・ベーフル、ティクー・タルサニア、グルシャン・グローヴァル、シャラート・サクセーナ
特別出演:カジョール、ヴィシュワジート・プラダーン

公開日:1998年5月8日(日本未公開)

STORY
腰抜けシェフのバブルー(シャー・ルク)はリゾートホテルに雇われ、マネージャーのソニア(ジュヒー)と恋に落ちる。しかし、彼と瓜二つのギャングスター、マヌー・ダーダー(シャー・ルク)に間違われ、警察に捕まってしまう! 母親(ファリーダー)の証明により釈放されるバブルーだが、I.D.カードを警察が発行したことから、マヌーがバブルーになりすまし・・・。

Revie-U
ボリウッド定番のひとつにWロール(二役)物があるが、1990年代後半になってデジタル技術が導入されるようになったせいか、ますますお盛んになったようで、アジャイ・デーヴガンが印パに引き裂かれた双子として戦うHindustan Ki Kasam(インドの誓い)(1999)などが作られている。

またタミル映画ながら「ジーンズ」Jeans(1998)の見るべき点はアイシュワリヤー・ラーイの美しさと世界7大名所をロケしてまわったミュージカル・ナンバル「kannondu(瞳だけ信じないで)だけであったが、双子役プラシャーントのデジタル合成は見事であった。

本作も同時期に企画されたのだろうが、ライティング、合成のジレ、芝居のタイミングなどまったく違和感なくシャー・ルク・カーンの「ドプリケート」が同じフレーム狭しと動き回り、もつれあったりする。「インドのIT技術なくして2000年問題はクリアできなかった」との言葉も頷けるクオリティだ(もちろん、これは目線やタイミングなどを合わせる俳優の演技力に負うところが大きい)。

まず主人公バブルーだが、母親ファリーダー・ジャラールと暮す料理人(ちなみに母親が過保護で、息子がマザコン氣味であるのはインド映画の標準仕様)。就職先のリゾートホテルで、日本人(中国人)の団体さん相手に日本料理(!)のコースを一人で作らねばならないのだが、なんとバブルーの隙を見て、ファリーダが「ジャパニもパンジャピも似たようなもの」と料理を作り替えてしまう! おちゃらけたスケッチかと思っていると、実はこれが伏線になっていた!!

後半、警察から釈放されたバブルーの家にマヌー・ダーダーが押し入り、彼のI.D.カードを使ってソニアとデートしてしまう。マヌーの手下に見張られ、ベッドで泣き寝入りするバブルーにファリーダの幻影がアドバイスするのだ。すなわち「ジャパニもパンジャピも似たようなもの。マヌーがバブルーに成り済ますなら、バブルーがマヌーになればいいじゃないの」というわけだ。

こうして、後半は腰抜けバブルーが恐々ギャングスターを演じ、かえって手下どもの人心を掴んだり、情婦のリリー(ソーナーリー・ベンドレーに惚れ直されてしまったりするのが可笑しい。

メインヒロインのジュヒー・チャーウラー、サブヒロインのソーナーリーを両手に花で踊る豪華なダンス・ナンバー「mere mehboob(私の愛しい人)」はオススメ。ソーナーリーのセクシーな衣装もよい。

一方の敵役、マヌー・ダーダーはと言うと、オーバーアクト気味。シャー・ルクの演技力からすれば、もう少し洗練された悪の魅力を引き出せたはずだが、それはアクシャイ・クマールKhiladi 420(偽闘士)(2000)に比べたらの話。こちらのコンセプトは、オーソドックスなスラップスティック・コメディのためこの線に落ち着いたのだろう。

しかしながら、次々と敵対するギャングを血祭りにあげてゆくシャー・ルクは、ちょっとした芝居の小細工もあり目を楽しませてくれる。特にシャラート・サクセーナを殺害するシーンでは女装姿で登場! これがなかなかイケル。

さて、マヌーがバブルーに、バブルーがマヌーに成り済まし、その違いが誰にも判らなくなるクライマックス。これを判定するのが、母親の勘というのがまたインド的である。

サポーティングは、敵対するギャングのボスにグルシャン・グローヴァルシャラート・サクセーナ、マヌー捜索で毎回ドジを踏む警部にティクー・タルサニア、ソニアに振られる上司役にモーニシュ・ベーフルなどなど。マヌーにはさんざん殴られ、惚れていたソニアから「お兄さん」扱いを受け泪を流す様は笑える。

また、ほんの一瞬、DDLJ(1995)のパロディー・シーンでカジョールが登場! お見逃しなく。

しかし、本作でのシャー・ルクはどこか精悍さに欠け、ジュヒーも時より表情がきつく思える。そのためか、シャー・ルク・とジュヒーの主演作では、コケたOne 2 Ka 4(1、2の4)(2001)以下の冴えない興業成績。どうもインドではシャー・ルクとジュヒーのコンビは大して人氣がないようだ(一番ヒットしたのがイエス・ボスというから驚き!)。

*追記 2010.11.25
>マヘーシュ・バット
アート系作品で名を馳せながらキワモノ的B級映画を製作するマヘーシュと、良識印のヤシュ・ジョハールが結びつくとは意外。
マヘーシュは「Kartoos」(1999)以降、監督業から離れ、製作業やTVホストへ移行。「C Kkompany」(2008)に彼自身のTVホスト役で出演。

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