Dulhan Hum Le Jayenge(2000)#117
Dulhan Hum Le Jayenge(花嫁は僕が連れてゆく) 01.04.01UP/02.02.28Re ★★★
ドゥルハン・ハム・レー・ジャーイェーンゲー
製作:ゴルダーン・タンワーニ/脚本・編集・監督:デーヴィッド・ダワン/脚本:ルミー・ジャフリー/撮影:ハルメート・スィン/音楽:ヒメーシュ・リシャームミヤー/詞:スダーカル・シャルマー/背景音楽:スリンデール・ソーディー/振付:ガネーシュ・アチャルヤー/美術:R・ヴェルマン/スリル:マヘンドラ・ヴェルマー
出演:サルマーン・カーン、カリシュマー・カプール、オーム・プーリー、パレーシュ・ラーワル、アヌパム・ケール、ジョニー・リーヴァル、カシュミラー・シャー、ファリーダー・ジャラール、ヒマーニ・シヴプーリー、ウーシャ・バッチャニー、ラーケーシュ・ベディ、ディーパック・ティージョリー
ゲスト出演:ダーラー・スィン、マーユル
特別出演:カーダル・カーン、サティーシュ・コゥーシク
公開日:2000年5月24日(年間トップ7ヒット!/日本未公開)
STORY
サプナ(カリシュマー)は、プロレスラーのポラナート(オーム)、抹香臭いパラブナート(パレーシュ)、ファッションデザイナーでオカマのヴィッキーナート(アヌパム)ら3人の伯父と暮らし、このままじゃ結婚も出来ない、とヨーロッパ・ツアーの「家出」を決行。ツアーの参加者ラージャー(サルマーン)と恋に落ちるが、伯父たちが彼との結婚に反対して・・・。
Revie-U
前半がヨーロッパ旅行で恋に落ち、後半は彼氏が結婚のために頑固オヤヂたちを懐柔させる? そう、これは「シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット作戦」DDLJ(1995)の焼き直し。
趣向が変えられているのは、家政婦を通じてサプナーの写真がラージャーの一家に見せられていること、ヨーロッパ旅行が電車の旅からバスの団体旅行となってること、アムリーシュ・プリーの頑固親父の代わりに3人の風変わりな伯父をひとりづつラージャーが懐柔してゆき、ラストは逆に伯父たちがふたりに詫びを入れるというぐらい。途中、サプナーとラージャーがバスに乗り遅れて仲間とはぐれたり、ゴーヴィンダ&ラーニー・ムカルジーの「Hadh Kar Di Aapne(恋のぶっちぎり)」(2000)同様、密輸人が絡んできたり、サプナーがバーで飲酒するのをたしなめたり、とすっかり下敷き通り。もはや、これはバージョン違いとして愉しむべきであろう。
「DDLJ」ではC調なシャー・ルク・カーンの口八丁手八丁が見物だったが、本作「DHLJ」は良くも悪くもデーヴィッド・ダワンの明快なコメディ。団体旅行中にラージャーが居合わせたのも計画的なら、サプナーに絡む密輸人カップル2人組も仕組んだもの(後半ネタバラシされる)。3人の伯父たちの攻略法もオカマのヴィッキー・ママジーはダンスで、パンディット(僧侶)のパラブナートには寺院で美しいバジャン(賛歌)を聴かせて魅了し、プロレスラーのポラナートはリングで勝負、と、どれも予想出来る展開だ。
見どころはカリシュマー・カプールのオチャメぶり、ツアコンのジョニー・リーヴァル、そして見事なオカマぶりのアヌパム・ケール。例によって、サルマーン・カーンは用もないのに自慢の筋肉を見せまくっているが、これは演出の安直さ故だろう。
その他、サポーティングにラージューの母親役に定番ファリーダー・ジャラール、家政婦役に例によってのヒマーニ・シヴプーリー。写真を撮りまくるツアー客のカップルに、カシュミラー・シャーとラーケーシュ・ベディ、ツアー中の密輸人カップルにディーパック・ティージョリーとウーシャー・バッチャニー、ツアー中にサプナを連れ去ろうとしてラージャーと偽ストリート・ファイトを興じるドライバー役は、「Hallo Brother(ハロー・ブラザー)」(1999)のファイトマスター、マヘンドラ・ヴェルマー。
また、カーダル・カーンが珍しく素顔でラージャーの父親役に、サティーシュ・コゥーシクがバカ笑いのインスペクター役で特別出演。ゲスト出演で、「Dillagi(冗談)」(2000)のダーラー・スィンが祖父役でチラリと登場。
ロケ地はスイス、ミュージカル・シーンがモーリシャスで撮影されている。
*追記 2010.11.22
>ヒメーシュ・リシャームミヤー
今でこそシンガー/アクターとして全面に出ているヒメーシュだが、この時期はオーソドックスなフィルミー・ソングをこなす音楽監督としての技量を存分に発揮していた。ハードな爆音系リミックス・サウンドからは想像もできない、オチャメなデュエットを手がけているのが微笑ましい。
>プロレスラーの
オーム・プーリー扮するポラナート、いつも手にしているのがクシュティ(インド伝統のレスリング。インド相撲とも紹介されることが多い)選手が肉体を鍛えるのに使用している棍棒。祖父役ダーラー・スィンは来日して力道山とも闘ったプロレスラー王者。ラージェーシュ・カンナー主演「Anand」(1971)では下町のクシュティー道場主としてゲスト出演している。本作で道場が出て来ないのは、デーヴィッド・ダワンの映画だから(笑)。
最近、クシュティー道場がボリウッド映画の中でしばしば観られるようになったのは、インドの伝統的な生活への回帰をテーマにしたシャー・ルク・カーン主演「Swades(祖国)」(2004)で再注目されてからだろう。そのものずばりのタイトル「Kushti」(2010)がラージパル・ヤーダウ主演で作られ、オーム・プーリーがさびれた道場主として出演している。