Bhool Bhulaiyaa(2007)#112
Bhool Bhulaiyaa (迷宮) 2008.02.10 ★★★★★
ブール・ブライヤー
製作:ブシャン・クマール、クリシャン・クマール/監督:プリヤダルシャン/原作:マドゥー・ムッタム/脚本:ニーラージ・ヴォーラ/台詞:マニーシャー・コールデー/撮影:S・ティブー/作詞:サミール/音楽:プリータム/振付:ポニー・ヴァルマー/背景音楽:ランジート・バロート/美術:サブー・シリル/編集:V・ゴーパルクリシュナン、アルン・クマール/VFX:プライム・フォーカス
出演:アクシャイ・クマール、ヴィッディヤー・バーラン、アミーシャー・パテール、シャイニー・アフジャー、パレーシュ・ラーワル、ラージパル・ヤーダウ、マノージ・ジョーシー、ヴィニート、アスラーニー、タリーナー、ラシカー・ジョーシー、ヴィクラム・ゴーカレー
公開日:2007年10月12日(年間トップ4ヒット!/日本未公開)
STORY
結婚を機に米国から帰国しヴァーラーナスィー郊外にある古い宮殿へ住まうこととなったマハーラージャーの末裔スィッダールタ(シャイニー)と新妻アヴニー(ヴィディヤー)。だが、その宮殿は幽霊話の曰く付き。まわりの忠告を聞かずに、アヴニーが開かずの間を開けてしまい・・・。
Revie-U *結末には触れていません。ご安心を。
「すべての家には物語がある」とは、東京国際映画祭で上映された「ハリオム」Hari Om(2004)におけるハーヴェリー老番人の台詞。 本作の舞台となるマハルに伝えられるは、今も一族が畏れる幽霊奇譚である。

Bhool Bhulaiyaa (c)T-Series, 2007.
主演は、今を時めくアクシャイ・クマール。2007年は3月公開のロングラン「Namastey London」(年間8位)、8月公開「Heyy Babyy」(年間5位)、本作(年間4位)と連続ヒット! UKでの人氣も高く、「Heyy Babyy」などリリース(封切)週がシャー・ルク・カーン主演「Chak De! India」行け行けインド(2007)の2倍動員するなどアッキーの底力を見せつけた。 そして3作は、どれも国内オープニング第1位を獲得。
12月公開の新作「Welcome」では、アーミル・カーン初監督作「Taare Zameen Par(地上の星たち)」(2007)と公開が重なって封切第2位に甘んじたが、怪優ナーナー・パーティカルとの初共演とあって、こちらも興味津々(7週目には逆転して、4位「Welcome」、5位「Taare Zameen Par」となっている)。
さて、早々にタネを開かすと、本作は日本でも2006年に劇場公開されたタミル映画「チャンドラムキ」Chandramukhi(2005)のリメイク。
もっとも、大本のオリジナルはファーズィル監督作「Manichitrathazhu(宝の小箱)」(1994=マラヤーラム)で、ケーララ州で600日以上のロングランを果たし、マラヤーラム映画史上No.1のメガヒットという作品だ。
National Film Awardsポピュラー映画賞と主演女優賞の二冠に輝いている。サイコロジスト役は、「RGV Ki Aag(火)」(2007)で案外軽やかな身のこなしを見せていた、かのモーハンラール。
その後、カンナダ映画「Aaptamitra」(2004)、それを受けて翌年にタミル版「チャンドラムキ」と、同じ監督ヴァスーが2作共にリメイクしたわけだ。この動きに便乗してバンゴーリー(ベンガル語)映画でもリメイクされているという。
本作を手懸けるプリヤダルシャンは、キャリアをスタートさせたマラヤーラム映画の自作やヒンディー旧作を年間2〜3本というハイペースで、よりクオリティ高く仕立て直しをしてはヒットを飛ばし続け、今や<ヒンディー映画界>を代表する名匠とも言えよう(ジャンルは異なるが、香港からハリウッドに乗り込んで重鎮となったジョン・ウーのようなものか)。
今回はタミル版に便乗してと言うよりは、「そんなもんじゃないだろう!」と衣装返しを狙ったと思われる。 というのも、オリジナルの「Manichitrathazhu」は監督こそファーズィルという人だが、プリヤダルシャン自身がセカンド・ユニット・ディレクターのひとりとして参加しているようで異を唱えるに不足はないし、そもそも「ムトゥ」(1995=タミル)はプリヤダルシャンの「Thenmavin Kombath」(1993=マラヤーラム)をリメイク(パクリ?)したものだからだ。
しかしながら、そのプリヤダルシャンも、本作では原作者としてマラヤーラム版のオリジナル脚本を書いたマドゥー・ムッタムの了承を取る前に製作に着手してしまったようで、裁判沙汰の末、マドゥーの名もしっかりクレジットされることとなった。
プリヤダルシャンがマラヤーラムからヒンディー化にあたって、冒頭に選んだのはヒンドゥーの聖地ヴァーラーナースィー。聖者で賑わうだけあって、幽霊退治には持ってこいだ(ガンガーに面してプージャーする傍ら、モバイルで通話するサドゥーも<演出>で用意されている)。
公開日が重なったラーニー・ムカルジー主演「Laaga Chunari Mein Daag(ヴェールの汚点)」(2007)もヴァーラーナースィーから始まり、ハーヴェリーの維持に困窮した末、長女のラーニーがムンバイーで高級コールガールへ身を落とす展開が、同じ街並みの中で起こっているかと思うと興味深い。
ちなみに「LCMD」がヴァーラーナースィーを物語の基点としているのは、<清浄>と<穢れ>の対比からであろう。
しかしながら、本作の舞台装置となるハーヴェリーは、映画特有のロケ地差し替えもあって、どうもどこに位置するのか曖昧に描かれてはっきりしない。
一族が使う旧式のアメリカ車は、RJナンバルであり、後半登場する祈祷師の愛車メルセデスはUPナンバル。どちらも美術スタッフが取り付けた小道具のナンバルプレートであるから、なにかしらの意図があるのだろう。

(c)T-Series, 2007.
ハーヴェリーがジャイプールにあったりしたとしても、(最近始まった宅配サービスでなく)一家がひょいとRJナンバルの車でガンガーにお水取りに行ったりしても、さすがはラージャーの家系、ということになるが。
アッキーは、アラーハーバードからのオートリキシャー代に13000ルピーかけているから、やっぱりウッタル・プラデーシュ州内という設定だろうか(アヴニーの故郷マルカプールはジャイプールにあり、ハーヴェリーからは「とても遠い」)。
ちなみに、ハーヴェリーであるが、英語字幕ではマナーハウスの「マナー」、ヒンディー台詞では「マハル(宮殿)」も使われている。ついでに言えば、安っぽい山小屋でなく邸宅のことを「バンガロー」と言う。
このハーヴェリー、実に荘厳。ひっそりとした邸内は、幽霊奇譚に相応しい。「LCMD」の劇中にあったように、ロケーションのレンタル・フィーは相当なものだろう。
これら贅を凝らした実在のマハルと違和感のないセットを組み上げたのが、これまたプリヤダルシャンに親任の厚く、「Yuva(若さ)」(2004)でFilmfare Awards美術賞を受賞したサブー・シリル。なにしろマラヤーラム映画「Advaitham」(1991)の頃からの付きあいで、ヒンディー映画界へ引き入れたのもプリヤダルシャンの「Gardish」(1993)。「Jaan-E-Mann(我が命〜愛しき人)」(2006)で見せた緻密な美術も、教育州ケーララが誇るマラヤーラム映画界出身と判れば納得。
ナンバル「labon ko」のエンディング・ショットでアップとなるキャンディーレッドのキャンドルさえ、セット・カラーに合わせて調色したオリジナル・プロップ(小道具)のように思える。
クレジットこそ美術監督であるが、原題に因んだ<装飾された鍵*>ひとつ見ても映画全体を統括するプロダクション・デザイナーに等しい仕事ぶりが伺われる。アミーシャー・パテールが使うアイロンも年代物で、本当の金持ちはその時一番の高級品を買って末長く使い続ける傾向にあることを裏付け、画面の隅々まで目を悦しませてくれる(本当の金持ちは自分でアイロンがけなどしないが)。
*タミル版でもオープニング・タイトルバックの背景に3DCGで描かれているのが閉ざされた扉と飾り鍵。オリジナルのマラヤーラム版は、意外にも案外大したことのない屋根裏部屋だったりする。
キャスティングにも妙技が感じられ、思わず舌鼓を打ちたくなる。
アメリカから帰国する王家の後継ぎスィッダールタに、「Life in a…Metro(大都会)」(2007)のシャイニー・アフジャーを配置。雰囲氣がありそうに見えて、怒鳴っているか呟き以外はもうひと味が欲しい役者であるが(ニヤつきはサンジャイ・カプールばり?)、ジャンル俳優として本作をスリラーの範疇に留めるには効果的な配役となっている。
このへんは音楽監督のプリータムも心得ているのか、ヴィッディヤーとの愛情ナンバル「labhon ko」では、プレイバックにK・Kをフィーチャーし、どこか「Gangster」(2005)、「Woh…Lamhe(ああ、ひと時)」(2006)を連想させるリリカルな曲作りを施している。

(c)T-Series, 2007.
ヒロイン、アヴニー役のヴィッディヤー・バーランは、これまでこれといったダンス・ナンバルを持たなかったが、本作で初めて挑戦するのが南インドの古典舞踊バラタナティアムというから驚きだ。
卓越した舞いを見せる相手役ヴィニートは、ケーララ出身の舞踊家兼俳優。大学教授にして詩人シャラード役ではボリウッド圏外ということもあってあまりパッとしないが、舞踊シーンともなるとメイク栄えも手伝って見違えるように力強い印象を与える。
ボリウッドではリティク・ローシャンやシャーヒド・カプールなど一級品のダンスを見せるスターはいるが、古典を踊ることが出来るスターはおらず、男が見せる古典舞踊は実に新鮮だ。
そのヴィニート相手に遜色のない(ように見える)バラタを踊るヴィッディヤーも、実は幼い頃から舞踊の素養があった?と思わせるほど。もっとも、よくよく見ると引き画はダブル(吹き替え)のようで、全体の動きが把握しづらいアップ・ショットが多い。
タミル版の女優ジョーティカーが雑な動きをしている分、ヴィッディヤー(を振り付けしたポニー・ヴァルマー)に軍配を上げたい。オリジナル版は、バラタナティアムを得意とするマラヤーラム映画のトップ女優ショーバナで、ダイナミックな動きを見せている。
by the way、同じくシャイニー共演「Khoya Khoya Chand(消えゆく月)」(2007)ではソーハー・アリー・カーンがカタックに挑戦していたが、これも手先がぴんと伸びて美しく舞っているシーンとそうでないシーンとに分かれることからダブルであろうか。「BB」も「KKC」もヴィッディヤーやソーハーと全く体形が同じなので、ちょっとやそっとでは見破れないのが妙。

(C)T-Series, 2007.
当初、ヒロインは例によってアイシュワリヤー・ラーイにオファーされていたというが、アヴニーの役からして彼女が引き受けたとは思い難い。セカンド・ヒロインのアミーシャー・パテール(こちらはカトリーナー・ケイフだったとか)と入れ替わったとしても映画としては成立しなかったであろうから、ヴィッディヤーのキャスティングは正解であり、難役に臨んだヴィッディヤーの成長にはエールを贈りたい。
一方、セカンド・ヒロインとなるアミーシャーは、キャリアの浅いヴィッディヤーの引き立て役と低迷感がなきにしもあらずだが、「Heyy Babyy」オープニングでは並みいるゲスト女優とは一線を画するオーラを放っていたのはさすが。
メインリードのアッキー(アクシャイ・クマール)はと言うと、スター映画としてリメイクされたタミル版とは異なり、彼が登場するのは幽霊奇譚が進行する中盤から。アメリカ帰りのスィッダールタがアメリカから呼び寄せる心理学者(サイキアトリスト)がその役どころ。
とは言っても、ヒッピー紛いのサドゥー・スタイルで登場。黄色いラームナーミー姿なのは、オリジナルでモーハンラールの布地が赤だったことへの区別化か。それも市販のラームナーミーではデーヴァナーガリーが詰まって見えるため、ご丁寧に染め起こしたと思われる。
その後は、シックなフレームの眼鏡を着用し、インテリらしい落ち着いた衣装となる。 持ち味であるアブナイおふざけキャラを軽く演じつつ、後半は情感豊かな芝居が涙を誘い、ますますアッキーに魅了されることだろう。

(C)T-Series, 2007.
パレーシュ・ラーワル、アスラーニー、ラージパル・ヤーダウなどプリヤダルシャン組とも言えるサポーティングが嬉しい。
中でも家長としてマハルの管理を任されていた叔父バドリナラヤン役のマノージ・ジョーシーも嬉しい配役。
「Sarfarosh(命知らず)」(1999)や「Dhoom(騒乱)」(2004)ではアーミルやアビシェーク・バッチャンの部下という小さな役であったが、あれよあれよという間に重要度を増し、プリヤダルシャン映画にも欠かせない存在となった。「Kyon Ki…(なぜならば)」(2005)でパーガルのサルマーン・カーンと入れ替わってしまう病院付き警備員役が忘れ難い。
悪霊祓いを行う祈祷師役に「ミモラ」Hum Dil De Chuke Sanam(1999)でアイシュの父親役だったヴィクラム・ゴーカレー。威圧的な様が実に相応しく、アッキーと顔を合わせる場面での抑制の効いた掛け合いは、まるで外連味あるタミル版への当て擦りのようにさえ思える。(儀式自体は脚色されたもので、悪霊祓いに不可欠なレモンが登場しないのが至極残念)。
幽霊奇譚の重要な人物となるシャラード教授役であるが、演ずるはケーララ州出身のヴィニート。3歳から舞踊を始めたとあって、惚れ惚れする動きを見せる。マラヤーラム映画やタミル映画以外では、プリヤダルシャンの「Kala Pani(黒い水)」(1996)に出演。
意外なことにタミル版でも同じ役柄でキャスティングされており、本作の方がやや細身でよろしい(どちらかか、両方ともアテレコ)。
リッチで美しい旋律を紡ぎ上げているのは、「Dhoom(騒乱)」(2004)でブレイクし、「Garam Masala」(2005)、「Naqaab(仮面)」(2007)を手懸けたプリータム。今やアヌー・マリックを抑え、ヒメーシュ・リシャームミヤーと双璧をなすヒットメーカー。2007年はなんと16本と、映画出演が忙しかったヒメーシュを越える仕事ぶり。
本作は珠玉の傑作揃いで、「labon ko」(KK)は詩情において、プリータムの楽曲でも群を抜く出来であろう。
アッキーがアヴニーの素性を調べにゆく道程を軽快に描いた「allah haiz」(KK)は、作詞のサミールが苦労したというナンバル。ストーリーがヒンドゥー展開ということから、ムサルマーン(ムスリム)観客への配慮であろう。野外で群衆が祈りを捧げているすぐ横をアッキーが屋根に乗ったバスが通り過ぎるシーンが仕込まれていることからもわかる。
最近は在外パキスターン人やミドル・イーストもボリウッドに欠かせないマーケットとなっているので、ヒンドゥー・マントラを重用したヒメーシュ主演「Aap Ka Sarroor」(2007)でもファースト・ナンバルが「assalaam vaalekum」となっていた。
クライマックス・ナンバル「mere dholna」(シュリヤー・ゴーサル/M.G.シュリークマール)はバラタナティアムのバックとなるだけあって古典の趣があり、一旦、休止してからM.G.シュリークマールのプレイバックが始まるくだりが心を揺さぶる。
「saida」(KK)は本編では使われずプロモ用となったナンバル。「Fanaa(入滅)」(2006)ばりにライトアップされたハーヴェリーをバックに、シャイニーとヴィッディヤーが珍しくファンキーに踊る姿が見られる。踊れない俳優を踊れるように見せる上半身中心の振付なのが微笑ましい。
なお、エンディングにも使われているタイトルソング「bhool bhulaiyaa」(本編のエンディング・クレジットでは「teri aankhon bhool bhulaiyaa」)のプロモ演出を、「Chingaari(閃光)」(2006)の<大物>コレオグラファー、ガネーシュ・アチャルヤーがあたっている。
「ハレー・ラーム・ハレー・クリシュナ」の歌詞で思い出されるのは、ズィーナト・アマンがヒッピーの家出娘となるデーヴ・アナン(=アーナンド)主演・監督「Hare Raama Hare Krishna」(1971)のメモラブル・ナンバルであり、インド人観客には馴染み深い。ここでも、往年のヒンディー名作を引用させたプリヤダルシャンの敏腕を感じずにはいられない。

(c)T-Series, 2007.
撮影にあたって出演者にはオリジナル版を見ないようにさせていたというプリヤダルシャンだが、アヴニーに相当するガンガーが過去を回想する哀調ナンバルが割愛されているなど、タミル版を参考したと思える部分も幾つか見受けられる。しかしながら、オーバー・テンションからギャグにしか見えないホラー・センスが狙いのタミル版とは一線を画して、怨霊となった女の哀愁を描くまでに昇華しているのには唸らさせられる。
悪霊祓いの儀式における「装置」はオリジナル版を踏襲、「見せ場」となる寝室シーンは無論、叩き台がある分、本作の方がインパクトが大きい。
舞台を北インドに移したにも関わらず、クライマックスとなる舞踊場面をカタックでなくバラタナティアムのまま通してしまったのは、やはり南の血だろうか。
プロモ/トレーラー(予告編)では黒かばんを手にハーヴェリーに向かうアッキーにまとわりつくカートゥーンそのままのチビ幽霊がCGで描かれ、例によってお得意のスラップスティック・コメディーかと思わせておいて、本編はじわじわと心理スリラーに導く手腕には感嘆。
第1幕でブート(幽霊)の声からして正体が解ってしまう、ということもあるが、それで謎解きの醍醐味が失われるということはなく、キャスティング、美術含めて確信犯という他ない。
10年以上前に製作されたオリジナルのマラヤーラム版や、観客嗜好がまったく異なるタミル版と比べるのはあまり意味があることではないが、ビッグバジェットを注ぎ込んで完成度を高める現代のヒンディー映画らしい妙技を改めて認識させる逸品であろう。
計算し尽くされた音響、音楽を満喫するためにも、出来うればサラウンド環境で堪能して欲しい。
*追記 2008.04.28
エンディングのタイトルソング「bhool bhulaiyaa」、非常に似通っているのがエレファント・マンの「spy」(「ダンスホール・レゲエ・デラックスvol.2」収録)。ただ、より耳に馴染みやすいのはプリータムの腕前か。
*追記 2010.11.17
本作の原版「Manichitrathazhu」(1993=マラヤーラム)だが、そのインスパイア元は、ギネスブックにも載ったレコーディング最多のプレイバック歌手ラター・マンゲーシュカルが製作し、グルザールが監督した「Lekin…(けれど…)」(1991)ではないかと思われる。原作は、かのラビンドラナート・タゴール。ラージャースターンのハーヴェリーで起こる幻想奇譚で、本作の雰囲氣が通ずるところは先祖帰りか。
また、舞台がヴァーラーナースィーなのかジャイプールなのかよく解らないところや、ヴィッディヤーの舞踊がバラタとオリッシーがミックスされているところなどもまさに「フィルミー」。
アッキー&プリヤダルシャンのコンビ最新作は7月に公開された「Khatta Meetha(酸いも甘いも)」(2010)。例によってプリヤダルシャンのマラヤーラム作品のリメイク。
*追記 2012,07,05
プロモ・ナンバル「sajda」(K.K)は本編カットされたナンバル。シャイニー・アフジャーもヴィッディヤー・バーランも踊れないため、コリオグラファー(振付師)の手腕に注目!
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