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Kuch Kuch Hota Hai(1998)#105

2010.11.10
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
KKHH

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「Kuch Kuch Hota Hai」何かが起きてる ★★★★★
クチュ・クチュ・ホーター・ヘェ
01.01.01UP/02.01.04 Re

製作:ヤシュ・ジョハール、ヒールー・ジョハール/原案・脚本・台詞・監督:カラン・ジョハール/撮影:サントーシュ・C・トゥンディール/音楽:ジャティン-ラリット/詞:サミール/振付:ファラー・カーン/編集:サンジャイ・サンクラー/美術:シャルミスター・ローイ/衣装:シャビナー・カーン、マニーシュ・マルホートラ/撮影応援:サントーシュ・シヴァン

出演:シャー・ルク・カーン、カジョール、ラーニー・ムカルジー、アヌパム・ケール、ファリーダー・ジャラール、リーマー・ラグー、ヒマーニー・シヴプーリー、アルチャナー・プーラン・スィン、ジョニー・リーヴァル、サナー・サイード、パルザーン・ダストゥール

特別出演:ニーラム、サルマーン・カーン

公開日:1998年10月16日(年間トップ1、1990年代トップ4)
2004年:東京国際映画祭上映
FIilmfare Awards:作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞。
Screen Awards :作品賞、監督賞、ベストコメディアン(アルチャナー・プーラン・スィン)
National Film Awards:女性プレイバックシンガー(アルカー・ヤーグニク)

STORY
ラーホール(シャー・ルク)は学生結婚した妻ティナ(ラーニー)を失って8年。娘のアンジェリー(サナー)は毎年誕生日にもらえる亡き母からの手紙で「パパの別れたベストフレンドのアンジェリー(カジョール)を探して」と頼まれる! かくしてアンジェリは自分と同じ名前のアンジェリを探し、ふたりの鞘を戻そうと奮闘するのだが・・・すでにアンジェリにはフィアンセがいた・・・!

Revie-U
大ヒット作DDLJ ラブゲット作戦DDLJ(1995)に続くシャー・ルク・カーンカジョールの初恋再婚物語。しかも、シャー・ルクが恋に落ちるダブル・ヒロインが、カジョールの実の従姉妹ラーニー・ムカルジー! ハスキー・ヴォイスのラーニーは、デビュー2年目ながら天性のスターぶりを発揮し、フェロモンたっぷり。

彼女が扮するのは、ロンドン帰りのティナ。「インドの歌を唄ってみろ」とラーホール(=ラーフル)に冷やかされ、思いがけずバジャン(ヒンドゥー讃歌)で応酬するシーン。学園祭のライブ・ステージで、エレキギターを弾きながらスポットライトを浴びてステージへ登場するシーンなど、カジョールを喰う印象だ。

この聖ゼービアス大学のシーン、キャンパスにはミニスカ娘があふれ、DJはいるわ、着ぐるみはいるわ、全員カラフルな衣装と、米国のカレッジなど比べ物にならないポップさ。学生時代は陸上選手だったというシャー・ルクの運動神経も堪能できる。

一方、アンジェリーに扮するカジョールは、前半のキャンパス・シーンで、女だてらにバスケットボールに興じるラーホールのマブダチ。ところが、英文学の授業で「愛とは何か?」との問いにラーホールが「愛とは友情」と答えたことから、男勝りのアンジェリーは乙女心が全開となってしまう。

後半は、サーリーをまとい、美しい大人の女に変身してみせるのも素晴らしい!

アンジェリーのフィアンセ役に大物スターが特別出演しているのも意外な楽しみだ。彼は自分の主演作よりも女ッさらしに振る舞い、最後には花を持たすのだが、これはサプライズ出演における約束事でもある。

サポーティングは、「DDLJ」でシャー・ルクの父親役だったアヌパム・ケールが学長マルホートラに扮し、前半のコメディリリーフを担う。大学の美麗教授ミス・ブリゲンザー役でRaja Hindustani(ラージャー・ヒンドゥースターニー)(1996)のママ母、アルチャナー・プーラン・スィンが得意の鼻に抜けた流暢な英語を披露。登場する度に「ミス・ブリゲンザー、アハ〜」と言うジングルが流れるのも可笑しい。アンジェリーの寮母役には、「DDLJ」でも妙な色香を放っていたヒマーニー・シヴプーリー

後半のコメディリリーフを受け持つのが、言わずと知れたジョニー・リーヴァル。英国好きなサマーキャンプのマネージャー、アルメーダ役で、アンジェリーの祖母役ファリーダー・ジャラールにやり込められるのが笑いを誘う。

MTVのVJ役にKasam(誓い)(2001)のニーラムが彼女自身として特別出演している。

また隠れた「KKHH」メンバーでは、キャンパス・シーンでバックグラウンドを飾る「ロン毛」のダンサー(フェーローズ)と、サマー・キャンプで一際愛らしい印象を与えるスィク坊やパルザーン・ダストゥールにも注目。この2人は、本作の監督カラン・ジョハールのお氣に入りらしく、家族の四季」Kabhi Kushi Kabhie Gham…(2001)にも引き続き登場している。

そうそう、幼いアンジェリー役のサナー・サイードは、なかなかおしゃまな子役で、その後、ボビー・デーオール&ラーニー主演Badal(雲)(2000)にも出演している。2010年くらいには、ヒロイン役に成長しているかも。

あと、キャンパス・シーンに登場するアディであるが、「DDLJ 」にシャー・ルクの友人役として出演しているカランによく似ているが本人かどうかは不明。

洗練された演出と心酔わすストーリー、ポップでメローなフィルミーソングの三拍子で、年間トップ1はもちろん、1990年代ではトップ4のヒット。2001年春にはインドネシアでも公開され、国中が大フィーバーとなった。英国公開では歴代3位、米国では2位の記録を持ち、1998年度の映画賞を総嘗めにしたほど。

驚くのは、本作がカラン・ジョハールのデビュー作だと言うことだ。「DDLJ 」Dil To Pagal Hai(心狂おしく)(1997)とヤシュ・チョープラーの現場に関わり、オリジナル脚本で監督デビューに臨んでいるが、少年時代を寄宿学校で過ごし、大学では演劇を学んだという彼のバックボーンが本作と「K3G」に見て取れる。

オープニングの短いフラッシュ・バックのエピソードひとつ取っても、撮影(サントーシュ・C・トゥンディール)、美術(シャルミスター・ローイ)などスタッフィングの高さが伺われる。サンジャイ・サンクラーの編集も絶妙である。

作詞サミール、音楽ジャティン-ラリットによるナンバルは、どれをとっても秀逸で忘れ難いメロディーばかり。カセットの売り上げ記録も作った。

ラーホールとアンジェリーの親友ぶりを物語るキャンパス・ナンバル「haye re haye」「ブルース・ブラザース」(1980=米)のステージを彷彿とさせる学祭ナンバー「koi mil gaya」、英国田園風景に3人の想いが交差するタイトルソング「kuch kuch hota hai」、アンジェリーの失恋を歌うフィルミーガザル「tuike yaad na meri」、「愛しい人よ、ずっとあなたを待っていた」と歌うアンジェリの婚約パーティー・ナンバー「sajan ji ghar aaye」、そしてサマー・キャンプでふたりの想いが再熱する「ladki badi anjani」など、プレイバック・シンガーたちの甘い歌声も手伝って心に刻み込まれる想いとなる。

また、学園祭のハプニング・シーンでミス・ブリゲンザーが口ずさむ「Howrah Bridge(ハウラー・ブリッジ)(1958)の「mera naam chin chin choo」や、サマー・キャンプの映画タイトル当てゲームでRangeela(ギンギラ)(1995)、「Hum Aapke Hain Kaun..!(私はあなたの何?)(1994)の「pehla pehla pyaar hai」などのフィルミーソングも楽しめる。

追記 2006.03.20
回想シーンで、娘ティナの恋心を察した学園長がピアノ弾き語りで歌っているのは、「Kati Patang」(1970)のナンバー「pyaar deewana」(作曲はR・D・バルマン。プレイバックは、キショール・クマール!)。やはり、主演のラージェーシュ・カンナーがヒロインのアーシャー・パレーク相手にピアノ弾き語りしている。アーシャーは、この作品でFilmfare Awards主演女優賞を受賞。

*追記 2006.11.03
タイトルソング「kuch kuch hota hai」などスコットランド・ロケには、映像の詩人サントーシュ・シヴァンがスポット参加し、10日間のスケジュールで撮り上げたとのこと。

*追記 2010.11.10
>サナー・サイード
結局、子役出演のみで本格デビューはなし、の模様。
その後の出演は、本作でゲストに招かれたサルマーン主演作「Har Dil Jo Pyar Karega…」(2000)にシャー・ルクと共に返礼パロディ出演がある。

>パルザーン・ダストゥール
本作では印象操作のため、ほとんど台詞がなかったパルザーンだが、「Hum Tum(僕と君)」(2004)のアニメ・パートでハム役の声優を務める。この後、「Fanaa(入滅)」(2006)、「Ta Ra Rum Pum」(2007)、「Partner」(2007)に立て続けて子役出演した美顔少年アリー・ハジーと混同されるが、テロと少年を描いた「Sikandar(シカンダル)」(2009)で10代に成長した姿を披露。やや面長になって本作の印象とやや変化してるのが残念?

>ニーラム・ショー
劇中のサマーキャンプ・シーンでアンジェリー(カジョール)が見ている番組に登場する野球帽の男こそ、本作の監督補にして「たとえ明日は来なくても」Kal Ho Naa Ho(2003)&チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」CC2C(2009)の監督ニキル・アドヴァニー
その新しい彼女役でちらりと顔を見せているのが、なんとファラー・カーン!(当時、ふたりが付き合っていたかは不明。苦笑)
ちなみに学園シーンに登場している長髪の男は、ファラーのアシスタントであるフェーローズ。ファラーが産休?をとっている時期に振付師としても1本立ちしたが、ファラーが振付を手がける時は同じくアシスタントのギーター・カプールと応援に戻っている。

設定では北インドのシムラーとなってるサマー・キャンプのロケは、南インドのウーティーで行われ、当時、ローカル映画界に流れていながらも「ウーティーのホテル王」に君臨していたミトゥン・チャクラワルティーがこれをサポートし、冒頭で感謝が捧げられている。
また、学園シーンでゴアとされているのは、モーリシャスでロケ。
サントーシュ・シヴァンが応援撮影に入ったタイトル・ナンバル「kuch kuch hota hai」は、日本のCFでも登場したスコットランドのエラン・ドナン城付近でロケ。

学泉シーンが米国以上にポップなのは、カランが米アーチー・コミックスのファンだから。同じモチーフの「25年目のキス」より1年早いのは、さすが。

なお、現在、カラン製作で本作の動物アニメ版「Koochie Koochie Hota Hai」が2011年公開予定で進行中。もちろん、シャー・ルク、カジョール、ラーニー、アヌパム・ケールのオリジナル・キャストの他、サンジャイ・ダットリティーシュ・デーシュモークなどがヴォイス・キャストを務める予定。音楽はシャンカル-エヘサーン-ローイが引き継ぐが、アニメだけに振付監督が起用されるかはまだ不明。ちなみにショート・タイトルは本作と同じ「KKHH」となる。

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