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Khamoshi(1996)#076

2010.10.05
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!

Khamoshi (1996)

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Khamoshi〜The Musical(沈黙のミュージカル)★★★★★
カモーシ/ 01.04.29up

製作:シブテー・ハッサン・ラヴィ/脚本・監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー/撮影:アニル・メーヘラー/音楽:ジャティン-ラリット、レモ・フェルナンデス/背景音楽:バブルーダ/詞:マージローウ・サルタンプリー/振付ガネーシュ・ヘーグデー、サロージ・カーン、ブーシャン・ラカンドリー、オスカー/美術:ニティン・チャンドラカーント・デーサーイー/編集:ベラ・セーガル/

出演:ナーナー・パーテーカル、マニーシャー・コイララ、サルマーン・カーン、シーマー・ビシュワース、ヒマーニー・シヴプーリー、プリィヤー・パルレーカル、ヘレン、ラグヴィール・ヤーダウ

公開日:1996年8月9日(日本未公開)

STORY
聾唖の両親、ジョセフ(ナーナー)プラヴィ(シーマー)から生れた少女アニー(マニーシャー)は、若き作曲家ラージ(サルマーン)と恋に落ちる。歌手としてデビューするものの、両親の反対を押し切って境遇が違い過ぎるラージと結婚。だが、アニーは交通事故に遭い・・・。

Revie-U
オープニング・タイトルバック中に聾唖ということが示されたジョセフが家に帰って妻に見せるのは、アニーとラージが映ったレコードのジャケット。果たして、聾唖の夫婦はプレイヤーにレコードを掛ける! 大音量のバイブレーションにスピーカーの上に乗せた花瓶が倒れ、ジョセフとプラヴィは手を取り合って踊りだす!! そう、難聴の聾唖者にもハートから伝わる沈黙のミュージカルがあるのだ!!!
そのフィルミーソングに乗って、幸せそうにドライブするラージとアニー。一転、曲の終わりにはアニーの危篤が知らされる。この後、ラストまで意識が回復しないアニーのナレーションで、彼女の半生が語られる。なんという構成!

監督は「ミモラ 心のままに」Hum Dil De Chuke Sanam(1999)のサンジャイ・リーラ・バンサーリー。魂から聾唖を演じるナーナー・パーテーカルは氣迫そのもの。その妻を演ずる、「女盗賊プーラン」Bandeit Queen (1994)でタイトルロールに挑んだシーマー・ビシュワースも素晴らしい。
サルマーン・カーンも1シーンしか脱がず、ロマンティックスターとしての本領を発揮。旬のマニーシャー・コイララは息を呑むほど美しく、またなにより愛らしいのはアニーの少女時代を演じるプリィヤー・パルレーカル。マニーシャーに瓜二つの顔立ちで、可憐で清楚な少女の健気さを見せる。

教会で両親が祈る最中、アニーの弟が鐘塔から落下。仕立ての内職をするプラヴィの横でトランプを切るジョセフには、妻が発作で倒れる音が伝わらない。そして、ガラス吹きの仕事中、炉の炎で炙られ彼は右手を大火傷する・・・。
すべてが人生の一コマなのだ。淡々とエピソードを重ねてゆくバンサーリーの演出、それにしてもこれがデビュー作とは恐るべし!

アニーの意識を取り戻そうとジョセフとプラヴィが彼女の耳をつねり、鳥のように舞ってはしゃいでみせるラストは、彼女が生れた時に聴覚を確かめようとして騒いだシーンにつながる。
アニーが意識を取り戻すと、ジョセフは彼女の生れる時に祈っていた家の前の十字架へ抱きつき、エンディング・クレディットとなる。まさに生れた時からミュージックがあり、人生は歌である。

*追記 2010.10.05

劇中、「ドナ・ドナ」ばりにピアノが売却されていく場面で軽やかなステップを見せる老婦人が、かの伝説のキャバレー・クイーン、ヘレン

サルマーンの父である名脚本家サリームの第2夫人(イスラーム教徒なので、第1夫人と離婚することなく結婚)であり、サルマーンにとってはステップ・マザーならぬパラレル・マザー?

そのヘレンと仲むつまじく共演することも多く、「ミモラ 心のままに」Hum Dil De Chuke Sanam(1999)では母子役で共演。

さらに米国映画「Marigold」(2007)では監督が熱望してサルマーンを主演に起用、役名も彼がよく演ずるプレームとしているいきさつから、冒頭だけ登場する祖母役にも担ぎ出して特別出演してもらったと思われる。

熟女優として今なお色香を湛えるマニーシャーだが、この頃の美しさは絶品! マニーシャー・ファンは必見であろう。

Khamoshi (1996)-CD

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