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Delhi Belly(2011)#313

2012.07.03
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
Delhi Belly

UTV正規盤DVDは、クリアーケース入り。

「Delhi Belly(デリー下痢)」★★★☆
デリー・べーリー

製作:アーミル・カーン、ジム・フルゲレー、キラン・ラーオ、ローニー・スクリューワーラー/監督:アビネイ・デーオ/脚本・共同監督:アクシャト・ヴェルマー/撮影:ジェイソン・ウェスト/音楽:ラーム・サムパト/衣装:ニハリカー・バシン・カーン/メイク:ヴィッキー・サルヴィー/配役:アードーレー・ムカルジー/プロダクション・デザイン:シャシャンク・テーレー/スタント監督:アラン・アミン/編集:フゼーファー・ローカンドワーラー

出演:イムラーン・カーン、クナール・ローイ・カプール、ヴィル・ダース、プールナー・ジャガンナタン、シーナーズ・トレアスリー(テレアスルワーラー)、ヴィジャイ・ラーズ、パレーシュ・ガナトラ

公開日:2011年7月1日(日本未公開)/103分
Filmfare Awards:脚本賞・編集賞・プロダクションデザイン賞

STORY
ボンクラ・ライターのターシー(イムラーン)はカメラマンのニティン(クナール)、カートゥーン・アーティストのアループ(ヴィル)とデリーの安下宿で掃き溜め暮らし。しかし、婚約者のソニア(シーナーズ)から預かった荷物のせいで密輸ダイヤ事件に巻き込まれ…。

Delhi Belly

(c)a Amir Khan Production, UTV, 2011.

Revie-U
<アダルト・オンリー>のセンサーシップ作品として、2011年夏(インドで言う夏は5月)あたりから話題となっていた本作。
制作は、イムラーン・カーンの伯父アーミル・カーンのプロダクション。プロデューサーとして、アーミルの他に妻キラン・ラーオUTVのCEO、ローニー・スクリューワーラーの名が連なっているが、実質の製作者(ライン・プロデューサー)はジム・フルゲレーだろう。

家賃滞納対策で下宿の大家が女遊びしているところを盗撮し強請ろうとするも屋台で買ったインキン・フライドチキンで猛烈に腹を壊すデブ・キャラのクナール・ローイ・カプールは、似ても似つかぬがGuzaarish(要望)」(2010)のアディティヤ・ローイ・カプールの兄。端役で活動する一方、コンコナー・セーン・シャルマー主演のブッシュ・ネタ映画「The President is Coming」(2009)の監督も務めている。

黒縁眼鏡にアフロヘアで役作りをしたアループ役のヴィル・ダースLove Aaj Kal(ラヴ今昔)」(2009)等にも出演するTVコメディアン。クナールと比べると、失恋してスキンヘッドにしたり、唯一の劇中ダンス・ナンバルjaa chudailにて「オースティン・パワーズ」ばりの妄想ヒーロー「Disco Fighter」を奢られるも、あまりパッとしない印象。

空港で密輸人から荷物を託され、不運を撒き散らした元凶とも言えるターシーの婚約者ソニア役のシーナーズ・テレアスルワーラー(本作ではトレアスリーとクレジット)は、シャーヒド・カプール主演「Ishq Vishk(愛に恋)」(2003)でボリウッド・デビュー。
その後は鳴かず飛ばずで、ヒメーシュ・リシャーミヤー主演Radio(2009)で愛くるしいところを見せるも、すっかりセカンド・ヒロインに甘んじる立ち位置となり、近年はLuv Ka The End(ラブのジ・エンド)」(2011)の脚本やトラベル・ライター等にも手を広げている。
本作ではイムラーンとの大胆な?婚前ベッド・シーンを演じているが、やはりリード・ヒロインとは言えない役柄なのが惜しい。

Delhi Belly

(c)a Amir Khan Production, UTV, 2011.

という訳で実質のヒロインとなるのが、編集者メナカー役プールナー・ジャガンナタン。米シリアル「ロー&オーダー」等に出演するなど野性的なルックスを持つNRI(在外)女優で、これがボリウッド・デビュー作となる。
痩せぎすな佇まいからヤクザな前夫(Tere Bin Ladenラフール・スィン)に付きまとわれトラブルを招く女としては適役だが、いわゆる<ボリウッドらしさ>とは異質であり、イムラーンとのケミストリーも今ひとつ。しかし、新しさを求めるインドの観客には、裏に思えるプールナーに落ち着くところが<新鮮>なのであろう。

そして、中盤からストーリーを掻き乱すのが、密輸ダイヤの元締めとなるグンダー(ゴロツキ)の兄貴ソムヤージュジュー。演ずるは、ダウナー系俳優ヴィジャイ・ラーズ。例によって、松田優作を彷彿とする氣怠い芝居が佳い。
この他、密輸人役に「プッシャー」、「未来を生きる君たちへ」等のデンマーク俳優キム・ボドゥニアを招聘。

Delhi Belly

(c)a Amir Khan Production, UTV, 2011.

今どきのボリウッド作品らしく旧来からの知れた配役を廃し、センサーもあえてアダルト・オンリーを所得しただけあって(そのため下品な四つ文字言葉を「FISH」と言い換えずに連発)下ネタどころか、かつて描かれた事のない程に便所臭いスケッチ全開なのはタイトル通り(くれぐれも食事中には観ないように!)。

監督は、アビシェーク・バッチャン主演凡作サスペンス「Game」(2011)で監督に昇格したアビネイ・デーオ。1時間34分ながら案外長く感じるのは、リード・キャラクターに味がなく、演出にキレがないため。
Filmfare Awards脚本賞を受賞したアクシャト・ヴェルマーの仕事ぶりからして「トレインスポッティング」ないし「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」ばりにエッジの効いた作品になっただろうだけに残念。
同じくFilmfare Awards受賞のシャシャンク・テーレーによる悪趣味ギリギリのプロダクション・デザイン(舞台となるホテルと宝石店はインドア・セット)と、ぶちのめされたメイクのナチュラルさは秀逸。

ボリウッド・ネタとしては、オープニングの空港シーンで流れるフィルミーはシャー・ルク・カーン主演・製作Main Hoon Na(私がいるから)」(2004)でもスシュミター・セーンの悩殺授業妄想シーンで流れていたリシ・カプール主演「Hum Kisi Se Kum Nahin(俺たちは誰にも負けない)」(1977)よりステージ・ナンバルchand mera dil chandni ho tumのイントロ。

続くタイトルバックに流れるのが、インド映画トーキー初期に観客を魅了したK・L・サイガルのフィルミー・ガザル(哀歌。曲名調査中)をフィーチャルし、ブルージーにアレンジしたsaigal bluesとしてサントラCDにも収録されている。

密輸人が宿泊するホテル室内でモニターに映っているダンス・シーンは、アーミルと親交の深いDon 2(2011)のファルハーン・アクタル製作「Honeymoon Travels Pvt.Ltd.」(2007)の船上ぶっ飛びナンバルsajanaji vaari vaari

Delhi Belly

(c)a Amir Khan Production, UTV, 2011.

漫画描きアループが心酔する劇中映画「Disco Fighter」は、もちろんミトゥン・チャクラワルティー主演のカルト映画「Disco Dancer」(1982)がモデル。ボリウッドは2010年に入ってヴィジュアル面で70~80年代へのリスペクト・ブームが起きており、それの影響。
そして、エンディング・クレジットでも「Disco Fighter」が暴れ回る訳だが、これがなんと本作に関わりの深い某スターがカメオで扮しているのに驚き!(万が一、本作が日本へ入って来るとこの1本だけで判断されてしまうのが心配。苦笑)

さて、メインリードのイムラーンはと言うと、インド人観客が望む等身大ヒーロー(主役)として悪くない。しかしながら、そろそろランビール・カプールのように幅をもたせた活動を見せて欲しいところ。

同じUTVモーション・ピクチャー配給で、タミル映画「Settai」(2012)としてリメイドされたが、Munna Bhai MBBS(医学博士ムンナー兄貴)」(2003)と同じく、せっかくのクール感が失われ、垢抜けないテイストに留まっている。まあ、それが南インドの好みなのだろうが。

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お知らせ:2012年7月7日(土)、インド・トーク18時間「ナマステ・インド@渋谷」にナマステ・ボリウッドも参加します! くわしくは、情報ページをご覧下さい。

www.facebook.com/namastebollywoodjapan

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