Jab We Met(2007)#298
2011.07.31 ★★★★
ジャブ・ウィー・メット
製作:シュリー・アシュタヴィナヤク・シネ・ヴィジョンLtd/脚本・監督:イムティアズ・アリー/撮影:N・ナタラージャー・スブラマニアン/作詞:イルシャード・カミル、ファーイズ・アンワール(aage jab…)/音楽:プリータム・チャクラワルティー/サンデーシュ・シャンディルヤー(aage jab…)/背景音楽:サンジョイ・チョウドリー/振付:サロージ・カーン、アーメド・カーン、ボスコー-カエサル、アシュレー・ロボ/衣装:マニーシュ・マルホートラ for カリーナー、シャビナー・カーン for シャーヒド、ナンディーター・ヘーグデー、ルーパー・スード(パンジャーブ)/プロダクション・デザイン:ラフィ・カズィ/美術:テディ・マゥルヤー/VFX:プライム・フォーカス/編集:アールティー・バジャージ
出演:シャーヒド・カプール、カリーナー・カプール、タルン・アローラー、ダーラー・スィン、パワン・マルホートラ、カマル・ティワリ、キラン・ジュネジャ、ディヴヤー・シャー、ソォームヤー・タンダン
公開日:2007年10月26日(年間15位/日本未公開)
Filmfare Awards:主演女優賞
Screen Awards:主演女優賞
STORY
富豪の息子アディティヤ(シャーヒド)は失恋したショックからすべてを投げ捨て、パンジャーブ行きの列車に飛び乗る。そこで、ひたすらお節介なパンジャーブ娘ギート(カリーナー)と出会ったことから、さらに人生が混乱し…。
Revie-U
「Love Aaj Kal(ラヴ今昔)」(2009)のイムティアズ・アリー監督が名を挙げ、カリーナー・カプールが再評価された記念すべき作品。

(c)Shree Ashtavinayak Cine Vision Ltd, 2007.
カリーナーは「家族の四季」Kabhi Khushi Kabhie Gham…(2001)の後、「たとえ明日が来なくても」Kal Ho Naa Ho(2003)のヒロインにオファーされるも法外なギャラを要求したとしてカラン・ジョハールはじめボリウッド・メジャーから干されてしまったが、そこは氣高い名門カプール家だけあって屈することなく我が道を進み、本作で主演女優賞を獲得。名実共にボリウッド・トップ女優の地位へ返り咲いた。
本作の魅力は、そのカリーナー扮するギートのキャラクターにある。
頼まれもしないのに厄介事に飛び込んでゆく氣の良さ、「迷惑だから消えてくれ!」の言葉も軽く受け流しそれまで以上におしゃべりに興じる鈍感さ等、まさしくパンジャービー!
さらに疫病神となるのが、シャー・ルク・カーン N カジョール「DDLJ」(1995)の逆転であるのがポイント。

(c)Shree Ashtavinayak Cine Vision Ltd, 2007.
もっとも、彼女の演技が光ったのも、シャーヒド・カプールの支えがあってこそ。惜しむらくはリリース(封切り)直前にふたりがブレイク・アップしていたこと。失恋に沈むシャーヒドの表情が余計に切なく思える。
サポーティングは、ギートの祖父に「たとえ明日〜」のダーラー・スィンを起用。「Anand」(1971)で見せたレスラー時代の威光を感じさせる氣骨あるパンジャービーらしさが素晴らしい。
伯父役に「DON」Don(2006)ナラング役のパワン・マルホートラもパワフル。

(c)Shree Ashtavinayak Cine Vision Ltd, 2007.
音楽は、フルネームでクレジットされているプリータム・チャクラワルティー(バンゴーリー=ベンガル語ではチャクラボールティー)。
例によって粒ぞろいの煌めくサウンドを提供。バングラー「nagada nagada」、軽快なクラブ・ナンバル「mauja hi mauja」、メローな「tum se hi」、またティベッタンの異国情緒あふれるサロージ・カーンの振付が愛らしいエキゾチック・ナンバル「ye ishq hai」(シュレーヤー・ゴーシャルがNational Film Awards 女性プレイバックシンガー賞を受賞)などどれも耳に残る。
ゲスト・コンポーザー、サンデーシュ・シャンディルヤーによるバラード・ナンバル「aaoge jab tum」も心に迫る。

(c)Shree Ashtavinayak Cine Vision Ltd, 2007.
惜しむらくは、列車の背景グリーン・バックや疾走情景カットのCGIが稚拙なこと。
そして、カリーナーと童顔シャーヒドの不釣り合いが改めて感じられてしまうが、イムティアズの仕掛けた忘れがたいリリカル・ツイストはそれを補って余りある。
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