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Ta Ra Rum Pum(2007)#297

2011.07.28
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
Ta Ra Rum Pum

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「Ta Ra Rum Pum」★★★☆
ター・ラー・ラン・パン

製作:アディティヤ・チョープラー/原案・監督:シッダールト・アナン(=アーナンド)/脚本・台詞:ハビブ・ファイサル/撮影:ビノード・プラダーン/作詞:ジャーヴェード・アクタル/音楽:ヴィシャール&シェーカル/振付:ヴァイバヴィー・メルチャント/背景音楽:サリーム-スレイマン/プロダクション・デザイン:シャルミスター・ローイ/アクション:スティーヴ・ケルソー/衣装デザイン:マムター・アナン(=アーナンド)for サイーフ、スリリー・ゴーエル for ラーニー/追加の衣装:メグナー・カプール/追加のアクション(NY、タクシー):ジョージ・アグイラール/編集:リティーシュ・ソーニー、ラーメーシュワル・S・バガット

出演:サイーフ・アリー・カーン、ラーニー・ムカルジー、ジャーヴェード・ジャフリー、アンジェリーナー・イドナリー、アリー・ハッジ

公開日:2007年4月27日(日本未公開)

STORY
NYのタクシードライバーであるラージヴィール(サイーフ)は、レーサー志望。お転婆娘のラディカー(ラーニー)と出会って結婚し、自身の夢も摑むがレース中にクラッシュしてしまい…。

Ta Ra Rum Pum

(c)Yash Raj Films, 2007.

Revie-U
公開当時、ゼロ年代を疾走するヤシュ・ラージ・フィルムズが放ったハリウッド征服プロジェクトと思えたほどの米国仕様ぶりに驚かされたもの。なにしろ、全編米国ロケでは飽きたらず、アメリカ人の好むNo.1モーター・スポーツであるストック・カー・レースを題材にしているのだ。
さらに家族映画としてディズニーまがいのCGIダンス・ナンバルも組み込むなど、アメリカナイズしたNRIの好みを徹底的に狙った企画で、全米公開では85スクリーンで封切りとなった。

日本もバブル前夜にバイク・ブームが起き、サーキットを借り切っての二輪レース映画が何本か作られたが、ゴージャズな作品となっていないのが残念。
それにしてもハードなレース物とウォームなファミリー映画をミックスしてしまうのが、いかにもボリウッド。

Ta Ra Rum Pum

(c)Yash Raj Films, 2007.

主演のサイーフ・アリー・カーンは、自社製作に走ったシャー・ルク・カーンに成り代わってヤシュ・ラージの看板スターとなったのがこの時期。翌年のTashan(カブキ者)」(2008)、Roadside Romeo(2008)、ラーニー共演「Thoda Pyaar Thoda Magic(ちょっと愛してちょっとマジック)」(2008)と目白押し。

Ta Ra Rum Pum

(c)Yash Raj Films, 2007.

ヒロインとなるラーニー・ムカルジーは、National Awards受賞作「Hum Tum(僕と君)」(2004)に続くサイーフとの共演となるが、今思えばアワード・キラーと呼ばれた’04〜’05にかけてのピークから下り始めたのが本作と言える。
しかしながら、NRIらしく栗色に染めたキャラクターが実に愛らしい。

監督は「Salaam Namaste」(2005)でサイーフをトップに押し上げたシッダールト・アナン(=アーナンド)。脚本を手がけた「Hum Tum」ジョーリーを迎えての大作となり、本作の後はランビール・カプールと組んでAnjaana Anjaani(見知らぬ者、知らずして)」(2010)などを発表。
現代インド人らしいサクセス志向に加え、豪華な生活から破産転落後、子供たちが貧乏暮らしに萎縮しないよう「これはリアリティー・ショーなんだ」と言いくるめるのは、アカデミー賞受賞の伊「ライフ・イズ・ビューティフル」からイタダキなのはご愛敬。

ストーリーは、トップレーサーとなった途端にラージヴィールの浪費癖が加速し、クラッシュした後は一家で貧乏暮らしに転落。
ラーニーとしては、同じヤシュ・ラージ作品「Laaga Chunari Mein Daag(ヴェールについた汚れ)」(2007)に通ずる受難物。

サポーティングは、ラージヴィールをレーサーとして売り込む友人ハリー役に「Roadside Romeo」のジャーヴェード・ジャフリーGang(2000)などマイナー作品から一転、「Salaam Namaste」以降、「Singh is Kinng」(2008)などサブリードとしてキャリアを伸ばしている。
息子役はKuch Kuch Hota Hai」何かが起きてる(1998)の星を見る少年パルザン・ダストゥールに間違われがちなアリー・ハッジを起用。
ちなみに、ダウンタウンの感じの悪い住人役は、本作の撮影監督ビノード・プラダーン。出たがりな映画監督は多いが、撮影監督で自ら出演してしまうのは珍しい。

Ta Ra Rum Pum

(c)Yash Raj Films, 2007.

音楽はOm Shanti Om」オーム・シャンティ・オーム(2007)で本領発揮したヴィシャール&シェーカル。タイトルソングta ra rum pumab to foreverなどポップな手腕はより飛躍。サリーム-スレイマンによるバックスコアも実に軽快。
ゼロ年代後半だけあって、ある種、ボリウッドらしいサウンドに満ちているのが魅力。

夏休みで家族揃ってボリウッドを楽しみたい向きにはぜひどうぞ。

Ta Ra Rum Pum

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That's Bollywood 2000's.

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