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Kidnap(2008)#293

2011.07.14
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!

Kidnap「Kidnap」★★★☆

製作:シュリー・アシュタヴィナヤク・シネ・ヴィジョンltd/台詞・監督:サンジャイ・ガドヴィー/原案・脚本:シバニー・バティジャー/追加台詞:アンシュル・ヴィジャイヴァルギヤー、ヴァタルト・アワスティー/撮影監督:ボビー・スィン/作詞:マユル・プリー/音楽:プリータム/振付:レモ/背景音楽:ラージュー・スィン/美術監督:グルジー・ブロス/アクション監督:アラン・アミン/編集:ラーメーシュワル・S・バガット

出演:サンジャイ・ダット、イムラーン・カーン、ミニーシャー・ランバー、ヴィドヤー・マラヴァデー、ラーフル・デーウ、リーマー・ラグー
特別出演:ソフィー・チョウドリー
友情出演:ラージ・ズトシー

公開日:2008年10月2日(日本未公開)

Kidnap

(c)Shree Ashravinayak Cine Vision Ltd, 2008.

STORY
少年院出身のカビール(イムラーン)は、18歳の誕生日を迎えたソニア(ミニーシャー)を誘拐、離婚した父親でIT長者のヴィクラント(サンジャイ)に身代金を要求。しかし、ヴィクラントはただちに拒否、逆に誘拐犯のカビールに挑戦し…。

Kidnap

(c)Shree Ashravinayak Cine Vision Ltd, 2008.

Revie-U
伯父アーミル・カーンのプロデュースによる「Jaane Tu…Ya Jaane Na(知ってるの? 知らないの?)」(2008)で本格デビューしたイムラーン・カーンの第2弾。
青春物の「JTYJN」が青臭い印象であったのに対し、本作ではサンジャイ・ダットの向こうを張って見事なピカレスク・ヒーローを演じている。

監督はアビシェーク・バッチャンジョン・エイブラハムを飛躍させた「Dhoom(騒乱)」(2004)&「Dhoom:2」(2006)のサンジャイ・ガドヴィー。スリリングな演出に加え、やはり「Dhoom」シリーズを手がけたアクション監督アラン・アミンらしい安全で手堅いアクションでぐいぐいと引き込む。

Kidnap

(c)Shree Ashravinayak Cine Vision Ltd, 2008.

オープニングは主人公の生い立ちを綴る鉛筆スケッチ・アニメ、米「キル・ビル」を彷彿とさせる病理な描写から一転、ヒロインとなるミニーシャー・ランバーのグループ・ダンスhey yaに突入。このギャップがまさにボリウッド。
ミニーシャーはアート系「Yahaan(此処で)」(2005)にてデビュー。「Anthony Kaun Hai(アントニーは誰だ)」(2006)でも聡明な麗しさを見せていたコンパクト・ビューティー。映画賞の司会ではスタンダップ・コメディアンとの軽快な掛け合いも披露し、2008年には本作を含め、4作品に出演(内、「Bachna Ae Haseeno」だけセカンド・ヒロイン)。
本作ではビキニの遊泳シーンなどセクシーな場面にも挑戦するが、5歳以上もサバを読んだ18歳のヒロイン役はさすがに頂けない。その美貌もトウが立ったせいか、急速にオファーが減ってしまったのが残念。

だが、驚きの配役は母親役のヴィドヤー・マラヴァデーだ。
なにしろシャー・ルク・カーン主演「Chak De! India」行け行け! インド(東京国際映画祭上映時の邦題/2007)では素人混合のチャクデー・ガールズ中、唯一の美貌女優であった彼女だが、本作では18歳で身籠もった微熟女という設定ながら実年齢でそう大差ないミニーシャーの母親(継母でなく実母)役とは! さすがにヒロイン路線は、もう厳しいだろう。やはり、2008年開催のナマステ・インディアで招かれながらも単なるマスコットとして連れ歩かれただけだったのが運の降下だったか。

Kidnap

(c)Shree Ashravinayak Cine Vision Ltd, 2008.

見どころは、カビールの要求に対して娘の命欲しさに無法を重ねるヴィクラントの野獣性にあり、燻し銀のサンジャイに決してイムラーンが若さ全開で対抗するところ。
ボリウッドらしいほんのりとしたエンディングが微笑ましい。

 

★インフォメーション★7月16日(土)、ボリウッド講座@早稲田大学を開講。ボリウッド・ネタを存分に満喫したい方、ぜひどうぞ。

That's Bollywood 2000's.

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