Gang(2000)#286
Gang 01.06.08改稿 ★★
ガォーング
製作・監督:マザール・カーン /原案・脚本:シャムシェール・カーン・バローチ/台詞:ムシュターク・メルチャント/撮影:ナディーム・カーン/音楽:アヌー・マリク/詞:ジャーヴェード・アクタル/振付:アーメド・カーン/背景音楽:サンディープ・チョウター/アクション:ラヴィ・ダワン/美術監督:ビジョン・ダース・グプター/編集:アファークィー・フサイン
出演:ジャッキー・シュロフ、ナーナー・パーテーカル、ジュヒー・チャーウラー、クマール・ゴゥーラーウ、ジャーヴェード・ジャフリー、イムターズ・カーン、シャグター・アリー、グルシャン・グローヴァル
公開日:2000年4月14日(日本未公開)
STORY
ガングー(ジャッキー)、アブドゥール(ナーナー)、ニハール(クマール)、ゲーリー(ジャーヴェード)ら下町のチンピラ4人衆はそれぞれの頭文字をとって「GANG」を結成。賄賂にがめつい巡査の差し金で、スラムのギャングと抗争。5年の服役を終え出所したガングーを迎えたアブドゥールたちは、対立組織と組んでドラッグで成り上がっていた…。
Revie-U
凝ったライティング、スケール感あふれるBGM、味のあるキャスティング、そそる冒頭の暗殺シーン……ながら、入り組んだ(?)ストーリー、抗争による自滅への美学(??)だけで、どこか散漫な印象。
トラウマを持ったジャッキー・シュロフがそのまま子供を演じてしまう、というのも非常に感情移入しづらい(苦笑)。彼自身、当時のインタビューで「去年は最低だった」と語っていたが納得。ジャッキーは、この後、サブリードにシフトする一方、「Tum Ho Na!」(2005)や「Bhoot Uncle(幽霊おじさん)」(2007)などBグレードのマイナー主演に甘んじなくてはならなくなる。
ジュヒー・チャーウラーが、もっぱらの添え物ヒロインに留まっているのも惜しい。ときたま姿を見せるだけで、出演場面は全体の5分の1ほど。「Baaghi(反逆者)」(2000)のマニーシャー・コイララといい勝負だ。
また、ナーナー・パーテーカルもBグレード「Tarkieb(方法)」(2000)とは大違い。他に方法はなかったか?
ジャーヴェード・ジャフリーも然り。「Naam(名前)」(1986)のクマール・ゴゥーラーウは、まあ、この程度か。
サポーティングは、ガングーの語り部役に「Shaktiman」のムケーシュ・カンナー。
ガングーらと敵対するのが、「Knock Out」(2010)のグルシャン・グローヴァル。例によって大仰メイク。
悪徳警官が「Khatta Meetha(酸いも甘いも)」(2010)のティヌー・アナン(=アーナンド)などが出演。
監督は映画俳優として、「Sholay」炎(1975)の製作陣によるアミターブ・バッチャン主演の娯楽大作「Shaan(栄光)」(1980)にて下半身の不自由な路上スケーター役でデビュー、米「ファイナル・オペレーション/コンピュータの侵略(未)」にも出演経験を持つ故マザール・カーン。
夫人は、「Don」(1978)はじめ、70〜80年代に人氣を誇ったトップ女優ズィーナト・アマン。本作を製作中、腎不全で惜しくも世を去った。