Chal Mere Bhai(2000)#285
Chal Mere Bhai(おい、兄弟) 01.05.21改稿 ★★★★
チャル・メーレー・バーイ
製作:ニティン・マンモーハン/監督:デヴィッド・ダワン/原案・脚本:イクラーム・アクタル/脚本:ユヌス・サジャワル/台詞:ルミ・ジャフリー/撮影:ハルミート・スィン/作詞:サミール/音楽:アナン(=アーナンド)-ミリンド/振付:ガネーシュ・アチャルヤー/美術監督:R・ヴェルマン/アクション:ビクー・ヴェルマー/編集:A・ムトゥ
出演:サンジャイ・ダット、サルマーン・カーン、カリシュマー・カプール、シャクティ・カプール、ダリープ・タヒル、ヒマーニー・シヴプリー、サティーシュ・コゥーシク
特別出演:ナグマー、ソーナーリー・ベンドレー、トゥインクル・カンナー、ラヴィ・ヴァスワニー
公開日:2000年5月5日(年間14位/日本未公開)
STORY
兄ヴィッキー(サンジャイ)はエクゼクティヴ、弟プレーム(サルマーン)はダンサー。ある日、ドジでお茶目なサプナー(カリシュマー)が秘書として入社。明るく健氣なサプナーを痛く氣に入った祖母(スシュマー・セート)と父親のバールラージ(ダリープ)はヴィッキーとサプナーの縁組を計画。しかし、プレームが彼女に恋していたのを知ったヴィッキーは…??
Revie-U
CGレイヤーエフェクトされたオープニング・タイトルバックがソー・クール! それにしてもサンジャイ・ダットとサルマーン・カーン。スクリーンに映る2人は本物の兄弟に思えて仕方ないほど睦まじい。
好きな娘と兄貴の縁談を知って悪酔いしたサルマーンと愛する弟を迎えに行ったサンジャイが地声で歌うタイトル・ソング「chal mere bhai」もなかなか味があってよろしい。
ストーリーは見た通り定番「麗しのサブリナ」物で、サニー N ボビーのデーオール兄弟共演「Dillagi(笑い話)」(1999)も同様。
ヒロインは、オチャメNo.1のカリシュマー・カプール。入社初日、渋滞にはまり遅刻しそうなったところ、オート(リキシャー)を乗り捨てるやサルマーンのクルマに乗り込み、「バンドラへ行かない? 私はバンドラへ行くの!」と勝手にリフト(送迎)強要。しかも、会社に着くや弟とは知らずに兄サンジャイに初対面のサルマーンを「友だち」と紹介。
サンジャイのキャビン(個室)に来れば、窓を開けて重要書類を風で散らせ、サンジャイが「書類をまとめろ」と命じれば、サンジャイのネクタイと共にホッチキス留めしてしまう(笑)。
ディリープ・クマール、アミターブ・バッチャンに続くトップ・スターを目指す
サルマーンが通うダンス・カンパニーのディレクターがシャクティ・カプールで、これまたカリシュマーの伯父役というのが、この時代のマサーラー映画らしい設定。
サンジャイとサルマーンの父役にダリープ・タヒル、祖母役に「家族の四季」K3G(2001)のスシュマー・アート、サプナーの伯母役に「Koyla」コイラ(1997)のヒマーニー・シヴプリー等が出演。
ゲスト出演も充実している。
妙なエロティシズムあふれるナグマーは、ほとんど台詞もなくバックグラウンドダンサー程度の扱いだが、ダンスもシャープ!
サンジャイの夢に現れる恋人役のソーナーリー・ベンドレーもキュート。
問題は終盤、面接にやって来る秘書役トゥインクル・カンナー。それとは知らずにぶつかったサンジャイに「どこ見て歩いてるの! これから大事な面接なんだから早く書類を拾って!」と、高飛車なところが彼女らしい。
デヴィッド・ダワンの演出はまずまず。ドジなカリシュマーが起こすひと騒動とギャグ・スケッチの連続技が心地よい。ムンバイーとスイス・ロケがダイレクトにつながっているのは、ボリウッドならでは。
アナン(=アーナンド)-ミリンドの音楽は粒ぞろいで、ソーヌー・ニガム、アビジートらの伸びやかな歌声が心酔わせる。
本作のタイトルは、アミターブ・バッチャン主演「Naseeb(運命)」(1981)の兄弟ナンバル「chal mere bhai」へのリスペクト。ナンバル中、酔ったアミターブに弟役リシ・カプール(ランビール・カプールの父)が付きまとう、など本作も踏襲。
ちなみにこの作品、パーティー・ナンバル「rang jamake jayenge」は、77年のメガヒット映画「Dharam Veer(ダラームとヴィール)」(1977)の完成披露パーティーという設定で、主演のダルメンドラ(デーオール兄弟の父)はじめ、シャンミー・カプール(カリシュマーの大伯父)、ランディール・カプール(カリシュマーの父)、ビンドゥ、ラージェーシュ・カンナー(トゥインクルの父)、ラージ・カプール(カリシュマーの祖父)など、「Om Shanti Om」オーム・シャンティ・オーム(2007)に先駆けて彼ら自身の役で登場。