Joru Ka Ghulam(2000)#279
Joru Ka Ghulam (情熱の奴隷) 01.04.03 改稿 ★★
ジョール・カー・グラーム
製作・監督:シェーカル・ノーラーニー/脚本:イクラーム・アクタル/台詞:タンヴィール・カーン/撮影:ディニーシュ・テールカル/音楽:アーデーシュ・シュリワスターワ/振付:ガネーシュ・アチャルヤー/美術:ヴァサント・カトカル/アクション:ラヴィ・ダワン/編集:スディール・ヴェルマー
出演:ゴーヴィンダ、トゥインクル・カンナー、ジョニー・リーヴァル、カーダル・カーン、アーシーシュ・ヴィダヤールティー、ラザック・カーン、アリー・アスガル、ラージシュリー・ソーランキー、ラーキー・スワント、アショーク・サラーフ
公開日:2000年6月16日(年間25位/日本未公開)
STORY
詐欺師のラージャー(ゴーヴィンダ)は、アメリカからお見合いに来たラージャー(アリー・アスガル)になりすまし、行かず後家4人姉妹を抱えた一家の客人になるが…。
Revie-U
冒頭、お見合いの席でヒンドゥー女神の名前をつけた娘たちが紹介されるが、ラクシュミー(ヴィシュヌ神の妻:幸運と金運の女神)、サラソヴァティー(ブラフマー神の妻:学問と芸術の女神)、パールヴァティー(シヴァ神の妻:美と愛の女神)に続いて呼ばれるドゥルガー(トゥインクル・カンナー)は、なんと2階からバイクに乗って登場! シヴァの妻であり、パールヴァティー、カーリーの化身で戦いと殺戮の女神ドゥルガーは虎またはライオンに乗っており、これがバイクに掛けられてワケ(もちろん、衣装は虎柄)。
この4人姉妹、こぞって男嫌いで結婚はしないと断言し、父親を悩ますこととなるのは「Yaadein(思い出の数々)」(2001)のジャッキー・シュロフ同様、ヒンドゥーに生まれた以上、父親は娘を嫁がさなければならない義務を負っているからだ。
これに絡むのが、珍しく全編出ずっぱりのジョニー・リーヴァルとゴーヴィンダ。麻薬取締官と偽った2人(荷物検査中、リーヴァルがコカインを隠し入れる)はマフィアに追われるのだが、訛りの強いこのアンナー(兄貴)が氣取ってるのはインドの国民映画「Sholay」炎(1975)の盗賊首領ガッバル・スィン。
インド人の映画好きを改めて認識させられるが、そもそもストーリー自体がラージェーシュ・カンナー(トゥインクルの父にしてアクシャイ・クマールの義父)主演「Bawarchi(料理人)」(1972)の変形。サンジャイ・ダット主演「Khoobsurat(見目美しき)」(1999)やサンジャイとゴーヴィンダ共演「Jodi No.1(相棒No.1)」(2001)など平然と下敷きにされ、一種の<ジャンル映画>となっている。
サポーティングは、ドゥルガーの父に「Raju Babu(ラージュー坊ちゃん)」(1994)のカーダル・カーン。
その使用人に我らがラザック・カーン。
アメリカから見合いにやって来、ゴーヴィンダたちにカモられた上、入れ替わられるラージャー役が「Khal Nayak(悪役)」(1993)のアリー・アスガル。彼のジングルとして使われる「I love india」はシャー・ルク・カーン主演「Pardes(他国)」(1997)におけるアムリーシュ・プリーの愛唱ナンバル。
ゴーヴィンダらを付け狙うグンダーの兄貴アンナー役がアーシーシュ・ヴィダヤールティー。
クラブ・ナンバル「khula hai mera pinjra」のアイテム・ガール(ゲスト出演の踊り子)として「Main Hoon Na(私がいるから)」(2004)のマイクロミニ、ラーキー・スワントが出演(アテレコ)。
撮影は、テルグ映画の中心地ハイダラーバードにある世界最大の撮影所ラモジ・フィルムシティを使用。
「Dulhan Hum Le Jayenge(花嫁は僕が連れてゆく)」(2000)のサルマーン・カーンよろしく、男嫌いと公言しつつ実は想いを抱く相手がいる姉妹を次々とゴーヴィンダが懐柔してゆくものの、お相手がジョニー・リーヴァルなどのサブリードでなく、その場に用意されたハンパな役者たちなため、スケッチ自体が生きないのが残念。