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Uljhan(2001)#009

2001.09.07
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!

UljhanUljhan/2001 01.09.07 ★★

製作:パーウラージ・ニハラーニ/監督:ラージェン・ジョーリー/脚本:サイード・スルターン/撮影:カーカー・タークル/音楽:アーデーシュ・シュリワスターワ/美術:R・ヴェルマン/アクション:バブー・カンナー

出演:プル・ラージクマール、ディープティー・バートナーガル、カンギャーン、ヴィヴェーク・ムシュラン、ラクシュミーカーント・ベールデー、シャシーカーラー、アローク・ナート、シャクティ・カプール

STORY
断崖から車が落下。瀕死の重傷を負ったアンジェリー(ディープティー)バブルー(プル)。彼は記憶を失い、顔面はガラス片で埋まり、整形手術を受ける。退院したふたりは結婚式を済ませるが、バブルーは彼女が別の男プラシャーン(ヴィヴェーク)と愛し合っている写真をみつける。ディープティーにプラシャーンの影がつきまとい、自暴自棄となったバブルーは彼女を責め、逆に何者からか命を狙われる。失われた記憶の先を巡って、埠頭の貨物船に入り込んだバブルーが見たものは・・・。

Revie-U
暗い峠道をヘッドライトがわずかに照らし蛇行してゆくオープニング・タイトルバックからして、B級サスペンスの王道を往く。
主演のプル・ラージクマールは冴えない二枚目風若手俳優。1996年に「Bal Brahmachari」カリシュマー・カプールと共演しているが、主演作はそれ以来というお寒いフィルモグラフィ。さすがにノンスター映画だけあって、主要劇場にはリリースされず、DVDで日の目を見た。
しかし、美術やアクション、ダイナミックなダンス・シーンなど規模はメジャー作品の中ランクぐらい。セットも衣装も豪華でよく出来ている。

ヒロインは、Mann(想い)(1999)でアーミル・カーンの婚約者役でいくつかのシーンに登場していたディープティー・バートナーガル。スタイル容姿抜群で、ソーナーリー・ベンドレーにラテンの血を加えたような美人。どちらかというと、悪女が似合うタイプ。

見物は、事件の真相を知りそうな蓄膿カメラマン役のシャクティ・カプール。いつもの悪役とは違い、出ずっぱりで笑わせてくれる。Pardes(他国)(1997)、Taal(リズム)(1999)などで温厚な父親役を演じていたアローク・ナートが富豪の父親役で出ているが、顔見せ程度の出演。使用人は毎度お馴染みのラクシュミーカーント・ベールデー

ストーリーは、かなり入り組んでいる。アンジェリーとプラシャーンの関係を知ったバブールが車で暴走、後を追う彼女が先回りして車を止めて長々とした回想となる。例によって、さらに子供の頃の話も出て来て時間軸がよく判らない。
しかし、随所に見られるカーチェイス・シーンは編集もうまくスピード感たっぷり! 大したサスペンスでもないものの小刻みな演出のため、さほど退屈はしない。冒頭のSFXメイクも悪くない。
スター出演の有無が劇場公開の命運を分けた小品であった。

追記 06.08.22
オリジナルは、リチャード・ニーリー原作、ウルフガング・ペーターゼンのハリウッド作品「プラスティック・ナイトメア/仮面の情事」(1991=米)と判明。同じ題材を焼き直したアルジュン・ラームパールプリヤンカー・チョープラーを起用したYakeen(信頼)(2005)の公開時にもボリウッド・メディアから本作は顧みられなかった様子。

主演のプル・ラージクマールは、Mission Kashmir」アルターフ(2000)の冒頭でサンジャイ・ダットに撃ち殺されるカシミール過激派を好演していたものの、その後、大してフィルモグラフィを稼がなかったが、なかなかどうしてアイシュワリヤー・ラーイによるリメイク版「Umrao Jaan」(2006)にもキャスティングされている。

ディープティー・バートナーガルの方は、大成せず。

追記 10.09.01
プル・ラージクマールの父は、「Mother India」(1957)、「Waqt(時)」(1965)、「Heer Raanjha(ヒールとラーンジャー)」(1970)、「Pakeezah」(1972)などに出演している名優ラージ・クマール

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