Kunwara(2000)#272
Kunwara(王子) 01.04.14改稿 ★★★
クンワーラー
製作:クマール・S・タウラーニー/監督:デーヴィッド・ダワン/原作:マヘンドラ・バブー/脚本:ユヌス・セザワル/台詞:ルミー・ジャフリー/撮影:チョーター・K・ナイドゥ/作詞:サミール/音楽&背景音楽:アーディシュ・シュリワースターワ/振付:サロージ・カーン、タルン・クマール、ガネーシュ・アチャルヤー/アクション:マヘンドラ・ヴェルマー/美術:R・ヴェルマン/編集:K・ラヴィ・クマール、サチン・アドゥルカル
出演:ゴーヴィンダ、ウルミラー・マートンドカル、ナグマー、オーム・プリー、ジョニー・リーヴァル、シャンミー、スミター・ジャイカル、モーハン・ジョーシー、ラーザ・ムラード、ジートゥ・ヴェルマー、アーシフ・シャイク、カーダル・カーン
友情出演:インデール・クマール
公開日:2000年7月21日(日本未公開)
STORY
パブ強盗を平然と打ちのめしてしまう姐御のウルミラー(ウルミラー)、知人がラージュー(ゴーヴィンダ)に半殺しにされたと聞き、敵打ちに向かう。それを知ったラージューは、友人のゴーパル(ジョニー)を替え玉に使い、まんまと逃げ延びようとするものの彼女と恋に落ちてしまう。ところが、インドへ帰ったラージューは行きがかり上、バスで知りあったシャルミラー(ナグマー)の婚約者として彼女の家へ。しかし、シャルミラーの姉がなんとウルミラーで…。
Revie-U
ゴーヴィンダ&デーヴィッド・ダワンの名コンビによるいつものお笑い映画。ミレニアム前夜制作だけあって、ハイテンションなフィルミーソングが爆走するのが嬉しい。
冒頭からしてパブに押し入った強盗を一撃するTV「プレイガール」を思わせるウルミラー・マートンドカルの姐御ぶりに脱帽! と、そこへモバイル(携帯電話)が鳴り、子分?が<ラージュー>というインド人に病院送りにされたことを知り、さっそく雪山に探しに行くが足下をすべらせ、凍った湖の下へ。それを通りかかったゴーヴィンダ扮するラージューが氷を蹴り破って救出! 事情を知ったラージューは親友のゴーパルを<ラージュー>に仕立てて…と怒濤の展開。それもほとんど意味のない展開が実にデーヴィッド・ダワンらしい。
(ウルミラーがカフェでアイリッシュ・コーヒーを飲んで酔っぱらうのは「DDLJ」の継承)
このゴーパル役がボリウッド全開出演時代のジョニー・リーヴァル。ウルミラーから真相を誤魔化すために芝居する生きた死体がとにかく爆笑!
と、そんな前半(ほとんど意味のないニュージーランド+スイス・ロケ)から一転、インド国内を舞台にした後半でセカンド・ヒロインとなるのが、鳴かず飛ばずだったボリウッドから南インド映画界へ移ったナグマー。ウルミラーに遜色ない悩ましき美人女優ながら決定的に欠けるのか、その後はリージョナル映画(地方映画)を渡り歩き、ゼロ年代中盤に大ブレイクしたボージプリー映画の女王に。
後半はややダレるが、クライマックスは米「ベンハー」の向こうを張った馬車レース。なんとゴーヴィンダは車輪を外されても優勝してしまうのは、さすがに手に汗握る。
その他、祖父役のカーダル・カーンが芸達者なところを見せて、ほんのり安心させてくれるのがうれしい。
本作は例によってテルグ「Bavagaru Bagunnara?」(1998)のリメードとのこと。大本は伊「雲の中で散歩」だというが、本作まで転生すると似ても似つかない出来に。
それより同じゴーヴィンダ主演作で豪州ロケから始まるハイテンションぶりの「Hadh Kar Di Aapne(恋はぶっちぎり)」(2000)と大差ないため、時に混乱してしまうが、これはゴーヴィンダ本人も多分同じはず(苦笑)。