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We are Family(2010)#268

2011.06.11
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!

We are Family

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「We are Family」★★★

製作:カラン・ジョハール、ヒールー・ヤシュ・ジョハール/監督:シッダールタ・マルホートラ/原案・原版脚本:ジジ・レヴァンジー/原版脚本:ジェシー・ネルソン、スティーヴン・ロジャース、カレン・ライト・ホプキンス、ロン・バス/脚色:ヴェニター・コエルホー/台詞:ニランジャン・アイェンガル/撮影:モーハナン/作詞:イルシャード・カーミル、アンヴィター・ダット(dil kholke let’s rock)/音楽:シャンカル-イフサーン-ローイ/背景音楽:ラージュー・スィン/プロダクション・デザイン:シャシャンク・テーレー/VFX:ピクシオン/振付:ボスコー-カエサル、ギーター・カプール/衣装:シラーズ・シッディクィー/カジョールとカリーナーの衣装:マニーシュ・マルホートラ/編集:ディーパー・バーティア

出演:カジョール、カリーナー・カプール、アルジュン・ラームパール、アーンチャル・ムンジャル、ノミナート・ギンズバーグ、ディヤー・ソーネーチャー

公開日:2010年9月10日(年間20位)日本未公開

We Are Family

(c)Dharma Productions, 2010.

STORY
シドニーに住むマーヤー(カジョール)は、長女アーリヤー(アーチャル)、長男アンクシュ(ノミナート)、次女アンジャリー(ディヤー)をひとり育てながら、離婚した夫アマン(アルジュン)とも適度な関係を保っていた。しかし、アマンがアンジャリーの誕生日パーティーに恋人のシュレーヤー(カリーナー)を連れて訪れたことから家族関係がぎくしゃくし始めたばかりか、彼女自身が癌と宣告され…。

Revie-U
オープニング・タイトルバックは世界中を駆け巡ったボリウッドの海外ロケでもひと際絶景なオーストラリア・ヴィクトリア州のグレート・オーシャン・ロード。碧い海に並び立つ12使途と言われる浸食した岩々が印象的で、ここをアルジュン・ラームパールカリーナー・カプールがまるでCFのようなデートを見せつける。

クレジット終盤、シドニーへと場面は戻り、どこかの歴史ある建物へとアルジュンが入れば、そこは学芸会。待っていたのは、子供たちとカジョール
例によって演技中の娘が台詞に詰まり、ここでカジョールが感情移入するあまり自らステージに上がって…とはならない。そこに本作の新しいテーマ(視点)が見られるようにも思う。

製作のカラン・ジョハールは、インドの家族を良俗的に描いた家族の四季」Kabhi Khushi Kabhie Gham…(2001)でその名を決定的にするも全編ニューヨークを舞台とした「たとえ明日が来なくても」Kal Ho Naa Ho(2003)以降、西洋的な風俗を果敢に取り組んで来たが、このプロデュース作では不倫(それは「Kabhi Alvida Naa Kehna」で扱い済み)でなく、さらに一歩進め、離婚後の夫婦及び家族の在り方を見据えるべく米「グッドナイト・ムーン」(1998)を正式リメイク。
スーザン・サランドンをカジョール、ジュリア・ロバーツをカリーナーという配役で、先の「家族の四季」K3G以来の再共演となる。

We are Family

(c)Dharma Productions, 2010.

アジャイ・デーヴガンが初監督に臨んだ凡作「U Me Aur Hum(ユー、ミーそれに僕ら)」(2008)をも一時はトップ10前後(通年では15位)に押し上げたカジョール・マジックも本作では通じず、年間20位。カランのダルマ・プロダクション作品ではワースト・フロップと言われたのも、離婚した夫婦と新しい恋人という構図がメイン・マーケットの都市部の現代インドでさえまだまだ先走った題材として受け入れられなかったためだろう。

そのカジョール、実生活でも子を持つだけに母親としてのたくましさが演技以上ににじみ出ている。唯一のダンス・ナンバルdil kholke let’s rockでは、マイ・ネーム・イズ・ハーン」My Name is Khan=MNIK(2010)では見せなかった快活なステップを披露。天高く伸ばした指先から腰にかけての伸び具合は、少しも錆びついていない。

We are Family

(c)Dharma Productions, 2010.

迎え打つカリーナーはと言えば、3 Idiots」3バカに乾杯!(2009)はじめ、女優としての風格を備え、本作ではしっかりと場面を自分に引きつけているのが流石。

元妻と義母を前提とされた恋人、これに思春期の長女が加わり、ジェラシーに揺れる<三角関係>が見事に描かれる。
この長女アーリヤー役のアーチャル・ムンジャルは、顔立ちだけでなく台詞まわしと声色がカジョール瓜二つとあってなかなか佳い。

We are Family

(c)Dharma Productions, 2010.

さらに収穫なのは、憂いを漂わす離婚男がこれまたハマリ役のアルジュン。ダンス・ナンバル「dil kholke let’s rock」で見せるステップといい、彼のフィルモグラフィ中、最上級の存在感を見せる。
もっとも、これまでがそこそこだった訳であり、本作のフロップぶりからしてスターバリューがないことをさらに実証してしまった形だが、この<弱さ>が元妻と義母を狭間に立って邪魔にならない存在となっている。

監督は「MNIK」でアソシエート・ディレクター(日本映画でのチーフ助監督)を務めたシッダールタ・マルホートラ、その演出はまずまず。
台詞も同じく「MNIK」のニランジャン・アイェンガルが担当。次女アンジャリーの誕生パーティーにアマンが元妻マーヤーに「友だちを連れてゆく」とのやりとりで、区別のない代名詞「彼/彼女」を略す一方、動詞の性差で元夫に恋人が出来たことを示すのが上出来。

音楽は「KHNH」以降、すっかりダルマ・プロダクション御用達となった音楽監督トリオ、シャンカル-イフサーン-ローイながら、今ひとつの感は否めない。
「KHNH」で「プリティー・ウーマン」を正式カバーしたのに続き、本作では「監獄ロック」を女性ヴォーカルでカバー。その「dil kholke let’s rock」では、プレイバックするアヌシュカー・マンチャンダのはずし具合も手伝って先行リリースのCDで聴いた時は、あまりのこっぱずかしさに思わず赤面してしまったほどだが、カジョールの浮かれぶりを含めて観るとさほど違和感がなく、微笑ましく見えるほど(ただし、アヌシュカー・マンチャンダはPyaar Impossible(恋はインポッシブル)」のロック・チューン10 on 10などはソー・ナイス)。

自分の命が短いと知って、残された子供たちの「母」を引き継がせようとするストーリーは、カランの監督デビュー作Kuch Kuch Hota Hai」何かが起きてる(1998)、さらには最愛の人へ「愛」を差し出す「KHNH」にも通じる。

それでいて、それなりの感動に留まるのは、西洋的な映画メソッドに正式リメイクとは言え借り物の脚色のため。
インドらしい文化が描かれるのは終盤、余命わずかとなったマーヤーがディワリに帰宅を望んでから。インド服で着飾った結婚式のエピローグもどこかとってつけたように思えるのは、Hum Aapke Dil Mein Rehte Hain(私はあなたの心の中に)」(1999)と異なり、マンガルスートラを身につけていないことも大きい。

We are Family

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