Jodi No.1(2001)#256
Jodi No.1 (相棒No.1) 01.08.13 ★★★
ジョーリー・ナンバル・ワン
編集・監督:デーヴィッド・ダワン/音楽:アナン(=アーナンド)・ラージ・アナン、ヒメーシュ・リシャームミヤー/詞:アナン・バクシー/背景音楽:アンジャン・ビスワース
出演:サンジャイ・ダット、ゴーヴィンダ、アヌパム・ケール、トゥインクル・カンナー、モニカ・ベディ、アーシーシュ・ヴィダヤールティー、ムケーシュ・リシ、サヤージ・シンディー、シャクティ・カプール、ラジャート・ベディ
特別出演:プージャー・バトラー
公開日:2001年4月13日(日本未公開)
STORY
詐欺師のジャイ(サンジャイ)とヴィール(ゴーヴィンダ)は、カシノで喧嘩したマフィアの息子タイガー(ラジャート)が脳天を打って死んでしまったため、マフィアの大物(アーシーシュ)から追われることとなる。ゴアに逃げ延びたふたりは、ビジネスで帰国したヴィクラムジートと間違われ、事業家ラーイ・サハーブ(アヌパム)の家に招かれる。持ち前の詐欺師根性で一家に氣に入られたジャイとヴィールだが、ラーイが発作で倒れ、なんと会社の運営を任されてしまう。そんなところにマフィアとかち合って…。
Revie-U
冒頭早々、ムンバイー・セントラル駅で苦力に扮したゴーヴィンダが運んだ荷物をタクシー・ドライバー(サンジャイ・ナルヴェーカル)に奪われて警官のサンジャイ・ダットと追っかけると、なんとドライバー含めて3人がグルの詐欺師と判る。
詐欺師が海外在住インド人に間違われて富豪の娘婿に というのは、「Joru Ka Ghulam(情熱の奴隷)」(2000)はじめ例によってのパターン。
マフィアに追われたサンジャイとゴーヴィンダが踏み切りで車を乗り捨て走り去る急行列車に飛び乗ってしまう強引なギャグは、いかにもデーヴィッド・ダワンらしい。登場人物たちが「ある言葉」を連発するのも笑える。
アーシーシュ・ヴィダヤールティーはじめ、ムケーシュ・リシ、サヤージ・シンディー、シャクティ・カプールらクセのある役者が揃っているものの、全体の印象は薄くなってしまっている。クライマックスは、(この時期の)ボリウッド定番「リーサル・ウェポン」のWC爆弾ギャグ。
サンジャイの詐欺師ぶりはさほどでもないが、やはりゴーヴィンダと息のあったところを見せる。ちなみに劇中の子供たちがTVで見ているのは、インド版スーパーマンの「シャクティマン」(コミック・ブックも氣だ)。
トゥインクル・カンナーはクレジット3番手ながらほとんどゲスト程度。急行列車でゴーヴィンダが彼女のコンパートメントに逃げ込んで恋が始まる設定だったのだろうが、おそらくアクシャイ・クマールとの結婚等で急遽変更になったのか?? サンジャイのお相手ヒロインに昇格したモニカ・ベディが平凡なのが残念。
もっともヒンディー語の掛け合い台詞がバカ受けだったらしく、2001年の前半、ゴーヴィンダ主演中では最もロングラン・ヒットした。
*追記 2001,11,15
「Joru Ka Ghulam」はじめ例によってパターンの原型は、ラージェーシュ・カンナー主演「Bawarchi(料理人)」(1972)であるが、本作はそれから派生した同じサンジャイ主演の「Khoobsurat(見目美しき)」(1999)を踏襲している。全体にバラけた印象なのは、デーヴィッド・ダワン流にギャグで散らかされているため。
また、アーシーシュらに痛めつけられる相棒役に「Vaastav(現実)」(1999)のサンジャイ・ナルヴェーカルがサンジャイ・ダットの要望でキャスティングされている。
*追記 2011,05,18
サンジャイとゴーヴィンダのジョーリー(パートナー、相棒、カップル、夫婦の意)ぶりがナイス。ジャイとヴィールの名は、もちろん「Sholay」炎(1975)の黄金ジョーリー(アミターブ・バッチャン N ダルメンドラ)への敬愛。
監督のデーヴィッド・ダーワンは、サンジャイ、アジャイ・デーヴガン、アルジュン・ラームパール、カングナー・ラナウトなどを起用した新作「Rascals」(2011)などその後も健闘している。