Home » 雑記帳

ブック・レビューfile.9/50 Indian Film Classics

2011.08.05

書肆なゆた屋

毎週金曜日にナマステ・ボリウッドのサポーター・ショップからオススメ商品を紹介!

「50 Indian Film Classics」
M.K.Raghavendra
Collins, 2010
English / 215*140*24mm / 326 pages
書肆なゆた屋/2000円(2011年2月現在/送料別)

サイレント映画「Prem Sanyas(博愛の行者)」(1925)からRang De Basanti(浅黄色に染めよ)」(2006)までヒンディー映画を中心にマラーティー、タミル、ベンガリー、ウルドゥー、カンナダ、テルグ、マニプリー、マラヤーラム、ヒングリッシュ映画を50本をセレクトしたインド映画の解剖書。特にタミル映画「Chandralekha」(1948)は昭和29年に「灼熱の決闘」の邦題により日本で2作目に劇場公開されたインド映画にあたる他、トーキー初期とあって聞き取り易いヒンディーが話されている「Devdas(デーヴダース)」(1935)の撮影を手がけたビマル・ローイが自身で監督した1955年版(主演はディリープ・クマール)との関わりが書かれてあり興味深い。娯楽の王道作から社会派のアート映画まで幅広く押さえ、カラン・ジョハール監督作では家族の四季」Kabhi Khushi Kabhie Gham…(2001)ではなく不倫/離婚を扱った「Kabhi Alvida Naa Kehna」さよならは言わないで(2006)を取り上げるなど、世の移り変わりを映画史で綴ろうとする試みでもある。1タイトルあたり正味5ページであるため、辞書を片手に少しづつ噛み砕いてゆくにも手頃であろう。
(ナマステ・ボリウッド #27/2011年2月号初出)

sanyas=samnyasin「放擲行者」。題名は「大いなる愛のために一切を捨てて」の意。

books Nayutaya

ご注文・お問い合わせは、リンク先のメールにてどうぞ。

関連する記事

タグ: