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ブック・レビューfile.8 Seeing Is Believing

2011.07.08
Seeing is Believing

書肆なゆた屋

毎週金曜日にナマステ・ボリウッドのサポーター・ショップからオススメ商品を紹介!

 

「Seeing Is Believing」
Chidananda Das Gupta
Pengein Viking
English / 150×225×23mm / 300 pages
書肆なゆた屋/3000円(2009年9月現在/送料別)

ノーベル文学賞受賞の文豪タゴールサタジット・レイ、あるいはDevdas「Parineeta(既婚女性)」を生んだベンガル地方は、ボリウッドにおいても<文学性の故郷>として一目置かれる。著書のチダナンダ・ダース・グプターもベンガル系で、若手実力派女優として活躍中のコンコナー・セーン・シャルマー(「Page 3Wake Up Sid」)の祖父にして、アート肌の映画監督としても名高い女優アパルナー・セーンの父。インド分離独立前夜の1946年から映画について書き始め、60〜70年代にはドキュメンタリー映画を制作、アパルナーとコンコナーも出演するベンガリー映画「Amodini」(1994)も手がけている。
映画評論を集めた本書の表題「Seeing is Believing」の稿は、サイレント映画「Harishchandra」ハリシュチャンドラ王(1931)からOm Shanti Om」オーム・シャンティ・オーム(2007)の発想元Karz(借り)」(1980)までを取り上げ、創世期の映画界で格言となり今もインド映画に生きる魔術「見れば納得」(!)について鮮やかに言及している。その他、そしてインド映画界を代表する5名の映画監督ーサタジット・レイリッティク・ゴトクアドゥール・ゴーパラクリシュナンムリナール・セーンシャーム・ベネガルについての論考も掲載されている。百聞は一見に如かず。まずは御一読あれ。
(ナマステ・ボリウッド #20 2009年9月号初出)

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