【+43号記事紹介】梵林ちゃっとおしゃべり〜インド古典音楽から見た芸妓映画
「ナマステ・ボリウッド+43号」記事紹介
梵林ちゃっとおしゃべり〜インド古典音楽から見た芸妓映画
今年2月に『近代インドにおける古典音楽の社会的世界とその変容』(三元社刊)を発表したインド宗教・音楽文化研究家の田森雅一(学術博士、埼玉大学・東京外国語大学兼任講師)さんにボリウッド芸妓映画についてインタビューしました。
日本で習えるインド音楽は古典しかなかった
すぎたカズト:今年2月に大著『近代インドにおける古典音楽の社会的世界とその変容』(三元社刊)を上梓されましたね。インド音楽に惹かれたのは、いつ頃からでしょうか?
田森雅一:大学で生命科学に行ってみたら分子生物学があまりにモレキュラーな世界で疲れてしまって…。その頃、演劇関係をやっていて寺山修司さんの演出助手をやる中でインドに出会って、初めて行ったのは1980年前後です。その後、出版社に勤めてアジア物の取材や藤原新也さん等を担当したりしながらインド古典音楽の基礎を習うようになって、87年には会社も辞めてインドに音楽修業へ行きました。
すぎた:その当時の事を最初の著書『インド音楽との対話』(1990年)に書かれていますね。冒頭に「一口にインド音楽といっても、映画音楽もあれば、民謡もあり…」と、古典音楽を目指した人の書に映画音楽がまず挙がっていて意外だったのですが。80年代に日本で上映されたインド映画というと、社会派映画がほとんどだったので…。
田森:やはりインドに行くと、町中のスピーカーで流れているのが映画の中で歌われていた歌がほとんどで、人々の生活の中に映画音楽が浸透していましたから。古典音楽というものをすべての階層の人が聴きに行く訳でもないですし、映画音楽は大衆・民衆のための音楽ですから。カルカッタの街を歩いていれば、大道芸人が陣取って民俗音楽を演奏していたり、フォークもまた生活の中に浸透していましたが、あの当時、日本で学べるのは古典音楽だけでした。それもシタールとタブラーは70年代にビートルズとラヴィ・シャンカルが演奏して知られていたんですが、そうでないサロードという楽器に魅せられてしまって、インドで弟子入りするまでになったんです。
以下、レーカー、アイシュワリヤー・ラーイ主演の名作「Umrao Jaan」などの芸妓映画についてトークしています。ぜひ、「ナマステ・ボリウッド+43号」をご覧下さい。
プロフィール
田森雅一(たもり・まさかず)/札幌生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・後期博士課程単位取得満了。博士(学術)。専門は社会人類学・音楽民族学・比較文化論・南アジア地域研究。埼玉大学・東京外語大学など兼任講師。著書『近代インドにおける古典音楽の社会的世界とその変容:“音楽すること”の人類学的研究』(三元社)、『幻の楽器を求めて』(筑摩書房)、『インド音楽との対話』(青弓社)。
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