42号記事紹介:「ボンベイ ドリームス」日本版公演記念 A・R・ラフマーン・インタビュー再録
2015年1月31日〜2月8日・東京国際フォーラム、2月14/15日・大阪梅田芸術劇場にて上演されるA・R・ラフマーン・ミュージカル日本版「ボンベイ ドリームス」を記念して「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)公開直前に在日インド人の招きで非公式来日するも、あまり日本のメディアには登場しなかったA・R・ラフマーン氏への貴重なインタビューを再録!

interviewer:Sugeeta Kaajuto, Murayama Kazuyuki. interpretation:Yurak. Photo:Namaste Bollywood.
音楽で世界にラフマットを
桜の花に彩られた2009年4月初旬、「スラムドッグ$ミリオネア」でアカデミー賞オリジナル音楽賞/主題歌賞2冠を制したインドのトップ音楽監督A・R・ラフマーン氏が緊急来日。
連日のハード・スケジュールで疲労を抱えながらも極めて誠実に取材対応する姿は、叡智に満ちた、彼の音楽そのものであった。
理不尽な現実の社会にも愛を見出すためにも
ーー米英「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)の主人公達は「三銃士」になぞらえられていますが、私達ナマステ・ボリウッドもサントーシュ・シヴァン監督(2号)と詩人のグルザール氏(6号)にインタビューを行い、今回ラフマーンさんにお会いしまして「ディル・セ 心から」Dil Se..(1998)の「三銃士」が揃いました。
A.R.ラフマーン:グルザール氏も日本に来たの?
ーーはい、一昨年(2007年)にインド文学の研究会講演で。
A.R.R:彼もオスカーを受賞したんだよ。
ーーそうですね。ふたりのアカデミー賞受賞者をインタビュー出来、私達はとても光栄です。グルザール師との仕事について話して頂けますか?
A.R.R:不思議な事に特段たくさんの仕事を一緒にしている訳ではないのに、ふたりで手がけたほとんどの作品が大きな成功を収めているんだ。最初が「ディル・セ」、それから「Saathiya(伴侶)」(2002)、「Guru(グル)」(2007)、「Yuvvraj(ユヴラージ)」(2008)。どれも賞をもらっているし、今回は遂にアカデミー賞までもらってしまった。作詞家達は皆それぞれ異なった個性とバイブレーションを持っているので、それぞれ作品の雰囲氣が異なって来る。グルザール氏との仕事では非常に落ち着いた彼の人柄の良さが反映されるよ。
ーーラフマーンさんは子供時代に大変ご苦労なさったと伺っています。
A.R.R:他の多くの人と同じようにね。
ーー「スラムドッグ$ミリオネア」もやはり困難を抱えた子供達の話ですが、内容を聞かれた時、ご自身の体験との結びつきなど、どのようにお感じになりましたか?
A.R.R:人は誰でも困難を経験し、それを乗り越えながら生きていて、この映画もそれがテーマになっている。何かしらの問題があり、それを克服して成功する。観客はそれを見て良い氣分になれる。そういう意味で自分もこの映画を氣に入っているよ。現実の世界では、様々な悲劇が起きている。立場や善悪に関係なく人が殺されたりね。そうした理不尽は文明社会には付き物だ。しかしこのような映画を見る事で人々は希望を持つ事が出来る。現実の社会にも愛が見出せるかも知れない、世の中そう捨てたものじゃないぞとね。それは私がこの映画を観た感想でもあるし、だからこそこんなにも成功したと思う。
ーーこの映画では、はじめに脚本を読まれたんですね。「ディル・セ」の時は映画のイメージだけであえて具体的には知らされず作曲を依頼されたと聞きましたが。
A.R.R:そうなんだ。監督によって色々なんだけどね。事前に脚本を読んでから引き受けるかどうか決めるという場合もあるし、時には全く無条件に仕事を引き受けてる事もある。自分の好きなようにめちゃくちゃに音を作っても(笑)、出来た曲をちゃんと監督が場面に当てはめて使ってくれるという信頼が持てる場合だね。
*インタビューの続きとミュージカル「ボンベイ ドリームス」特集については、「ナマステ・ボリウッド+42号」をご覧下さい。
プロフィール
A・R・ラフマーン A.R.Rahman/1966年、チェンナイ出身。生誕名はA・S・ディリープ・クマール。ヒンドゥーからイスラームへ改宗。4歳からピアノを始め、9歳の時にキーボード奏者の父親が他界、家族を養うため 歳でタミル映画のトップ音楽監督イライヤラージャーのアシスタントに。初作品のタミル「Roja(ロージャー)」(1992)で全国的にブレイク。コリウッド「ムトゥ」からハリウッド「ミリオンダラー・アーム」まで幅広く活躍。
A. R. Rahman discography (主な日本公開・上映作)
「ボンベイ」Bombay(1995)タミル
「ムトゥ」Muthu(1995)タミル
「インディラ」Indira(1995)タミル
「Rangeela(ギンギラ)」(1995)
「Fire」(1996)印・加
「ジーンズ」Jeans(1998)タミル
「ディル・セ」Dil Se..(1998)ヒンディー
「Earth」(1998)
「ラガーン」Lagaan(2001)ヒンディー
「ヘブン・アンド・アース」(2003)中国
「Water」とらわれの水(1998)
「エリザベス:ゴールデン・エイジ」(2007)英
「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)米英
「Delhi-6」デリー6(2001)ヒンディー
「126時間」(2010)米英
「ロボット」Enthiran(2010)タミル
「命ある限り」Jab Tak Hai Jaan(2012)
「ミリオンダラー・アーム」(2014)米
「マダム・マロリーと魔法のスパイス」(2014)印米UAE
★2015年1月10日(土)の「ボリウッド講座14特別編」(早稲田大学文学部・戸山キャンパス)にて、A・R・ラフマーンと「ボンベイ ドリームス」の聴きどころ、ボリウッド・ミュージカル・シーンのメイキング、インド宮廷舞踊家・佐藤雅子さん(みやびカタックダンスアカデミー)によるボリウッド・ダンス・ライト・ワークショックを行います。ご興味のある方、ぜひご参加ください。
尚、当日はナマステ・ボリウッド有料版・新創刊42号が受講資料としてセットになりますので、資料代800円となります(特製ポストカード付き!)。(バックナンバー配布、ボリウッドをディープに解説した「はじめてのボリウッド」&ナマステ・ボリウッド特別編集ムック・シリーズの有償配布もあり)
*前回受講者の方、42号持参の方は、資料プリント代300円となります。
終了後は大学そばのインド・レストランでオフ会を行います。ご都合よろしい方は、ぜひおしゃべりして行ってください(会費なし。オーダーは各自で)。
サンスクリット研究会「現代文化の中の古典世界」
日時:2015年1月10日(土)午後3時〜6時。14時45分開場。途中入場可、休憩あり。
*1コマ目:3時〜4時半(A・R・ラフマーン&ミュージカル研究/高橋 明&すぎたカズト)
*2コマ目:4時半頃〜6時の予定(カタック・トーク&ワークショップ/佐藤雅子)。
会場:早稲田大学文学部・戸山キャンパス34号館151号教室
http://www.waseda.jp/jp/campus/toyama.html
(JR/西武線・高田馬場駅下車 徒歩20分。東京メトロ・早稲田駅 徒歩3分。西早稲田駅 徒歩12分。いずれもキャンパス入口まで。前回と時間・教室が変わります。探す時間を見越して、お越しください)
*初めての人は正門の門衛詰所で教室番号でお尋ねください(キャンパス内、工事中で入り組んでいます)。
*当日の教室変更情報は、facebookのナマステ・ボリウッド・ページでご確認ください。
www.facebook.com/namastebollywoodjapan
聴講料:無料。資料代800円(42号持参の方は300円)
*予約不要。途中入退場される方は、お静かにどうぞ。
*ナマボリ会員証持参の方、ポイントが貯まります!
(6ポイントでボリウッド・グッズを進呈)
*教室内での飲食は、ご遠慮ください。
問い合わせ:ナマステ・ボリウッド
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