ブック・レビューfile.5 「Hindi Action Cinema」
2011.03.11
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「Hindi Action Cinema」
Valentina Vitali
OXFORD University Press
English / 147×223×25mm /270 pages
書肆なゆた屋/3000円(2010年9月現在/送料別)
本書はサイレント期から70年代のヒンディー映画におけるアクション事情について述べている貴重な資料である。中でも注視したいのが「20〜30年代における女性のアクション映画」という項目。30年代にスタント不要で鳴らした、現代でいえば<女アクシャイ・クマール>にあたる女性アクション・スター、フェアレス・ナディアについて伺い知ることができる。彼女は豪州生まれの白人女性で、グラマラスかつダンスも出来たというからインド人観客を熱狂させたことは想像に難くない。
また、表紙中段ポスター「Tarzan Comes To Delhi」(1965)の偉丈夫こそ、レスリングの王者ダーラー・スィンである。戦後、来日して力道山と闘い、今でも日本のプロレス・ファンの間で語り継がれているほど。「たとえ明日が来なくても」Kal Ho Naa Ho (2003)でシャー・ルク・カーンの伯父を演じていた好々爺と言えば、思い出す人も多いはず。二人の人氣レスラーは映画でも主演作が持て囃されたから、そんな共通点に思いを馳せて一読して頂きたい。
(ナマステ・ボリウッド #21 2009年11月号初出)
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