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はじめてのボリウッド(4)

2011.02.11

完全バックアップした「スラムドッグ$ミリオネア」の米アカデミー受賞から1年、ボリウッドはますます世界に躍進。進化し続けるその魅力に触れたあなたはラッキー!
(初出 ナマステ・ボリウッド23号/2010年4月掲載/text by KJR

Pyaar Impossible!

「恋はインポッシブル!」レビューを読む

一見、らしくない無国籍映画。
だけど、インドらしさを忘れずに!

海外ロケが不可欠になり、全編国外という設定も多い昨今のボリウッド。抹香臭い神様シーンもなく、音楽は洋楽以上のポップさ、スターの高い演技力、ツボを押さえた泣かせる脚本術、洗練された演出など、「別にインドはいいから、面白い映画が観たい!」という人にはぴったりなはず。

「Wake Up Sid!」(2009)は、自分では卵焼きひとつ焼けないニートが主人公。これが今風のストレートな演出で主人公が成長してゆくとあって、日本の若者にもすんなり感情移入できそうな作品No.1。ところがインド的には「自分のことを自分でする」というのは「階層意識の変革」で、「中流化」あるいは「グローバル化」と見方によって大きく分かれてしまう。

逆に「日本風」に読み解いてしまうと、ちょっとアブナくなるのがPyaar Impossible!(恋はインポッシブル!)」(2010)。キモヲタ男が憧れの美女に再会したら、なんとバツイチの子持ち女。バリバリ働く彼女に近づくために、ベビーシッターのフリをして、というこの映画。日本的には「幼女とふたりだけで奴隷常態」が、違う意味で人氣が出そう…。一見、無国籍で口当たりがよくなったボリウッドだが、インド文化の目線を忘れずに!

That's Bollywood 2000's

ゼロ年代のボリウッドを1冊に凝縮!

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