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はじめてのボリウッド(3)

2011.02.10

完全バックアップした「スラムドッグ$ミリオネア」の米アカデミー受賞から1年、ボリウッドはますます世界に躍進。進化し続けるその魅力に触れたあなたはラッキー!
(初出 ナマステ・ボリウッド23号/2010年4月掲載/text by KJR

Raju Ban Gaya Gentleman

「ラジュー出世する」レビューを読む

かつて、「インド映画ブーム」があった!
ちょうど20世紀の終わり頃、ノストラダムスなど終末論が賑わい始めた1997年4月「カーマ・スートラ」Kama Sutra (1996=英語)、5月シャー・ルク・カーン主演ラジュー出世する」Raju Ban Gaya Gentleman (1992=ヒンディー)を皮切りに、タミル語、テルグ語など玉石混淆、百花繚乱で劇場公開。「インド映画祭1998」なるものすら企画され、まさしく「インド映画ブーム」が発生。今はなき東京ファンタスティック映画祭「インド映画の日」をぶち上げ、カジョールの来日まで果たしたが、皮肉なことにインドI Tが2000年問題から世界を救ったミレニアムを境に終焉。ぴあの俳優年鑑には入れ替わるようにブレイクした韓流スターの名はあれど、4本劇場公開されたシャー・ルクらインド勢は忘れ去られ、ほとんどナタデココ。終わってみれば「ムトゥ」(1995=タミル語)のインパクトから、その後もインド映画と言うと「歌って踊ってのチープなコテコテ映画」と思われるダメージだけが残り、メディア的にも一般的にもこの呪縛は未だ解けていない。氣がつけば、お隣韓国がボリウッドの祭典IIFA(International Indian Film Academy)開催を画策。この「失われた10年」は、あまりにも大きい。

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キング・オブ・ボリウッド、シャー・ルク・カーンの魅力を1冊に凝縮!

*追記 2011,02,10
結局、2010年のIIFAはスリランカで開催されたが、前年、韓国はシャー・ルク・カーンを親善大使に任命、釜山国際映画祭ヤシュ・チョープラーを表彰するなどボリウッドへの急速な歩み寄りを示していた。とは言え、韓国で大々的にボリウッド作品が公開/浸透しているわけではないことからも、以前からインド国内でシャー・ルクをブランド・アンバサダーとして起用していたヒュンダイなど韓国経済界が「Made in Korea」を広大なインド市場でアピールする狙いがあったと思われる。サムソンの奇跡的な躍進を見るまでもなくフットワークの軽い韓国に対して、ここでもスローな日本が出遅れている形だ。

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