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はじめてのボリウッド(1)

2011.02.08

完全バックアップした「スラムドッグ$ミリオネア」の米アカデミー受賞から1年、ボリウッドはますます世界に躍進。進化し続けるその魅力に触れたあなたはラッキー!
(初出 ナマステ・ボリウッド23号/2010年4月掲載/text by KJR

Kites

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ボンベイ(現ムンバイ)+ハリウッドをもじったボリウッドは、各言語/地域に分かれるインド映画界の中でトップに位置する映画産業(ヒンディー語を中心に英語、マラーティー語映画も製作)。全国で年間1000本以上を誇るインド映画だが、通常「ボリウッド」とされるのは年300本程度あるヒンディー語映画の内、上位70〜100本程度(超マイナー映画をいちいちハリウッド作品と言わないようにヒンディー映画でもC級D級は圏外)。
反面、メジャー作品の製作費は1本あたり日本円で10~20億円に達し、世界各国(ゼロ年代だけでも40ヵ国280本以上)でロケを行い、各国に散らばった南アジア系以外の観客をも取り込み、北米・欧州・旧共産圏・中東・アフリカ・豪州・南米・アジア一帯など世界展開し、ハリウッドに次ぐ市場を獲得
ちなみに日本で一般的に連想されるインド映画はリージョナル(地方)映画とされる南のコリウッド(タミル映画)で、映画賞も南北で別に開催されるくらいノリやテイストも大いに異なっている。

ボリウッドは、最強にクールなエンターテイメント!
ボリウッドが「歌って踊って、なんでもアリの長~い映画」というのは過去の話。
最近はジャンル化が進み、ほとんど洋画と変わらない作品も多く、上映時間が短縮化。2009年主要40作中19本が2時間10分台以下で、110分台の作品も増えている。またダンス・シーンのないシリアスな作品も4分の1に迫る勢い
では、ボリウッドからミュージカルが消えたかというとさにあらず。シリアスな作品でもプロモ・ナンバルは必須。ボリウッドが海外展開する際、ミュージカルに不慣れな国から必ず「ストーリーが途切れるからダンスは不要」説が持ち上がるが、キング・オブ・ボリウッド、シャー・ルク・カーン自ら「ミュージカルは絶対必要!」とコメント。
在りモノBGMを貼り付けるハリウッドと違って、ボリウッドのフィルミー・ソングは映画の内容を膨らませる書き下ろしが基本。絶妙のタイミングで歌が始まり映画のエモーションを増幅するばかりか、公開前はMTVでプロモ、公開後はクラブでダンス、というようにエンターテイメントの核となっている。これがボリウッド最強の秘密。

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