はやわかりボリウッド(1)

Namaste Bollywood #13
世界的な潮流となっているボリウッド。しかし、どういう因果か、日本はこの流れに乗れず、また国内でも未だ「インド=オヤジと美女が急に踊り出す変なB級映画」という刷り込みが拭えない状況にある。そこで、キング・オブ・ボリウッドことシャー・ルク・カーン主演作5本が怒濤の勢いで劇場公開/映画祭上映された2008年の「ボリウッド・ベスト」特集号より「はやわかりボリウッド」を*夜連続で再録してゆきます。
(text by すぎたカズト/ナマステ・ボリウッド#13 2008年10月初出改訂)
「インド映画3時間」は都市伝説!
「インド映画は3時間」と日本の映画業界で信じられているが、もはや現在のボリウッドはこの定義で括れなくなっている。2007年に公開された主要42作を調べてみると、約8割の33本が149分以内、最も多かった上映時間は2時間10分台。逆に2時間半以上の作品は9本と全体の4分の1に満たず、つまりは大作感を出したい作品以外は長くない!というのが現状。
ちなみに、2時間以下になってもインターミッション(休憩)が入るのが慣わし。10分以上の予告編+本編の連続上映で結局3時間弱の洋画に比べて、お尻に優しいのがボリウッド。映画館も休憩時間にポップコーンが売れるのだから是非とも歓迎して欲しいシステムである。
ボリウッド・スターの経済効果!
全編NYを舞台にし、2006年に東京国際映画祭でも上映されたカラン・ジョハール監督「Khabhi Alvida Naa Kehna」さよならは言わないで( 2006) の製作費は、1500万米ドル。
昨年のトップ1ヒット「Om Shanti Om」オーム・シャンティ・オーム(2007)は、出演料1億円以上のシャー・ルクが自社製作し、海外ロケを控えただけあって、広大なオープン・セット造営とふんだんなVFXを奢りながらも製作費は9億円留まり。一方、ムンバイー・サーキット(地域)だけの配給権が11カロール・ルピー(2億7500万円)、海外配給権はインド映画史上最高の75カロール(18億7500万円)の高値がついた。
シャー・ルクは年2本の出演作で225カロール(56億2500万円)を売り上げたが、後を追うアクシャイ・クマールが4作で338カロール(84億5000万円)と、シャー・ルクを抜いてマネー・メイキング・トップスターに躍り出た。ハリウッドの数字と比べると低めに思えるが、物価格差を5倍と仮定して422億5000万円! ステイタスでは10倍以上なのが、ボリウッド・スターならでは!
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