連載コラム「カタックを語る」#20
「Devdas」(2002)でマードゥリー・ディクシトに振付を施したインド人間国宝Pt.ビルジュ・マハラジ師に直接師事したインド宮廷舞踊家、佐藤雅子女史(みやびカタックダンスアカデミー主宰)による「ナマステ・ボリウッド」連載コラムを紹介。
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カタックを語る。
#20 男性ダンサーの魅力〜Jhanak Jhanak Payal Baaje (1955)
(ナマステ・ボリウッド#22号初出)
「カタックダンスは男性も踊るんですか?」という質問を時々受けることがある。
北インドでは伝統舞踊は日本の能や歌舞伎のように男性によって受け継がれるもの(私の師匠は二人とも男性)。男性ダンサーによって踊られる踊りの醍醐味は迫力のある複雑なフットワークと、ドゥルット(最速)での難易度の高いパラン(パカワジを伴奏に踊られる踊り)といっても過言ではない。視線を魅力的に使うことによって、さらにエキサイティングな舞台になる。女性ダンサーには出せない迫力で魅せるのが男性ダンサーだ。
舞踊映画不朽の名作「Jhanak jhanak Payal Baaje」この命 踊りに捧げて (1955)の一曲目「kaisi yeh mohabbat」で、女優が恋の歌を可愛らしくカタック風に歌い踊っている舞台に、希代の名ダンサー、ゴーピー・クリシュナ扮するギルダールが乱入するシーンがある。彼は「オレ様のダンスを見ろ。これがカタックダンスだ」とでも言わんばかりに女優をなぎ倒して舞台に上がると、激速フットワークと高速回転を駆使して躍り始め、その様はさながら人間打楽器のようだ。ミュージシャンも「待ってました!」とノリに乗って演奏し、ダンサーはさらに高揚し、一体全体どうしたら人間がこんなに速く踊れるものなのか、というスピードで踊りまくる。終演のサム(静止)のシーンは、全くダンスを知らない人でも思わず「キャバッ」(ヒンディー語のキャー・バート・ヘー《全く何て言ったらいいことか、素晴らしい、という意》の略)と唸ってしまう素晴らしさだ。
12月に開催されたクリスマス・パーティーでアカデミーの男子生徒がソロで踊ることになった。特訓(?)が奏を成し、随分と上達して、かなりの迫力を見せてくれた。この調子で上手くなっていって欲しいものである。
佐藤雅子/インド宮廷舞踊家。1995年渡印、インド人間国宝Pt.ビルジュ・マハラジ師に直接師事。師の許しを得て、2005年帰国。みやびカタックダンスアカデミーを設立し、2008年、東京都千代田区麹町に専用スタジオをオープン。古典のカタック・クラスの他、ボリウッド・カタック・クラスも併設中。
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