それでも心はボリウッド!#05 disk2
2011.12.26

(c)B.R.Films, 2008.
それでも心はボリウッド!
〜梵林心象風景
#05 「流行はアポロジー」disk2
そうは言っても映画と現実は別物、と考えさせられるのが「Bhootnath 幽霊王」(2008)だ。息子に拒絶されたことによってブート(幽霊)となった家主と新しく幽霊屋敷に移り住んで来た幼い少年との交流を描き、相手を許して自分を癒すことをテーマにしている。映画の中で幽霊家主が学校で喧嘩した少年に級友と仲直りさせるエピソードがある。これを受けて終盤、少年の父が遺恨を残した幽霊家主を成仏させるべく彼の息子との和解を取り持つ法事をアレンジする。
もっとも、この感動的なシーンの撮影中、幽霊家主に扮したアミターブ・バッチャンと少年の父を演じたシャー・ルク・カーンが確執の真っ最中で、撮影現場でも顔を合わせない、と囁かれていたほど。インド人はこの世をマーヤー(幻影)ととらえ、映画を絵空事と認識しながら過剰に入れ込むが、どうやらソーリーのトレンドも現実の世界ではなかなか難しいようだ。
(初出:2008年12月 ナマステ・ボリウッド16号掲載/KJR)
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