それでも心はボリウッド!#05 disk1
2011.12.19
それでも心はボリウッド!
〜梵林心象風景
#05 「流行はアポロジー」disk1
インド人は決して謝らない、と言われる。日本のヒンディー語教本にも「ごめんなさい」の文字がないものがあるほどだ。ところが、インド社会が急速にグローバル化するにあたって、そうも言っていられなくなったようだ。
ランビール・カプール主演「Bachna ae Haseeno(可愛い娘チャン、ご用心)」(2008)は、軽率に愛を玩んできた主人公が最愛の人に出会った時、結婚を信じぬ彼女から拒絶され、初めて我が身を振り返り、かつての恋人へ謝罪の旅に出る。
鼻持ちならないプレイボーイが神様のお仕置きで、ある目覚めたら女にさせられていた「Mr. Ya Miss(男か女か)」(2005)も相手の立場に身を置くことで愚行を悟らせる。自分の非を認めた主人公が傷つけた友人にひとりひとり謝りの電話を入れるのがラスト・シーン。
「Om Shanti Om」オーム・シャンティ・オーム(2007)が引用した「Maine Pyar Kiya(私は愛を知った)」(1989)の名台詞「友達ならノー・サンキュー、ノー・ソーリー」も今は昔。ソーリーがオシャレな時代になった。
(初出:2008年12月 ナマステ・ボリウッド16号掲載/KJR)
お知らせ:2012年1月14日(土)、日印パ国交60周年に合わせた記念企画「ボリウッド講座@早稲田」+ナマステ・ボリウッド新年オフ会を行います。くわしくは、こちらのページをご覧下さい。