Home » コラム

梵林 人相学〜無精髭の吉運

2011.11.14

アミターブ・バッチャンが白い髭を蓄えて復活したミレニアム、やはり名門カプール家のカリーナーを携えて息子アビシェークが「Refugee」(2000)でダブル・デビュー。しかし、時の趨勢は同年にデビューしたリティク・ローシャンへと流れる。アミターブとジャヤーが夫婦共演した家族の四季」Kabhi Khusi Kbhabie Gham…(時に喜び、時に悲しみ)(2001)でさえカメオ・シーンがカットされ、天下のビッグBに対してスモールBと呼ばれる有り様。身長、ルックス共に父親のカーボン・コピーでありながら芽が出なかったのは、あまりのリズム感なさ故。踊っているように見える特訓をしたものの、人氣は上がらず、カリーナーの姉カリシュマーとの婚約も破談…。
フロップマスターとしての雌伏時代に終焉を打ったのが、マニ・ラトナム監督作「Yuva(若さ)」(2004)。荒々しいグンダー(やさぐれ)を演じ、Filmfare Awards助演男優賞を獲得。よほど嬉しかったのか父アミターブを壇上に引き上げ、自分のトロフィーを手渡したほど。それまでのおぼっちゃま然とした印象を返上したのは演技力の向上だけでなく、役作りの無精髭に負うところが大きい(思い返してみれば、7位に食い込んだ「Refugee」でも黒々とした顎髭姿であった)。以後、変装映画「Bunty Aur Babli(バンティーとバブリー)」(2005)を除き、無精髭を通し、今や父を凌ぐセクシー男優として人氣を勝ち得たアビー。bluffmaster!(2005)での雰囲氣もなかなかのものであった。以前に共演した時は食指を動かさなかったアイシュワリヤーもここに来て、彼の魅力を感じるに至り近々結婚と伝えられる。そのアイシュとの共演作にして、彼をブレイクさせたマニ・ラトナム作品「Guru」(2007)では、いよいよ無精髭を決別。尚も高い評価を得るまでに成長し、母ジャヤーも感無量のことであろう。

コラム執筆時の状況。現在は再び鳴かず飛ばずで、単独主演作では再びフロップマスターに? アイシュとは晴れて2007年4月に挙式、本年おめでたに。「Guru」では無精髭を剃り、体重重と眼鏡で。「Yuva」と同年にスマッシュヒットした「Dhoom(騒乱)」(2004)では眼鏡で役作り、とまったくの素顔ではほとんど出演せず。
(text by KJR/ナマステ・ボリウッド4号 2007年3月号改稿)

facebook:http://www.facebook.com/namastebollywoodjapan

12/6 J-oneトークショーvol.1@UPLINK 「ポスト3.11をふんばる印パ的生き方」

Bollywood Dress Up Party

12月3日(土)、ボリウッド・ドレスアップ・パーティー@赤坂

関連する記事

  • 関連する記事はありません。
この投稿にタグはありません。