アッチャー・ソングス
metrer down
アドナン・サミ
udne do
クナール・ガンジャワーラー
ハルシュデープ・コォール
boombai nagariya
バッピー・ラーヒリー
ヴィシャール・ダドラニー
ek nazar mein bhi
KK
スニディー・チョハーン
bekhudi
シャーン
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Taxi No.9211/2006 06.05.28 ★★★★
タクシー・ナンバー・ナォー・ドー・ギャーラウ
製作:ラーメーシュ・シッピー/共同製作:ローハン・シッピー/監督:ミラン・ルトリア/脚本:ラジャート・アローラー/撮影:カルティク・ヴィジャイ/音楽:ヴィシャール-シェーカル/作詞:デーヴ・コーフリー、ヴィシャール・ダドラニー/衣装:ロッキー・S、La-J-Jo
C/振付:ボスコー&カエサル/アクション:アッバース・アリー・モーグル/美術:ワシーク・カーン/VFX:プライム・フォーカスLTD/VFXスーパーバイザー:ハズファー・ロカンドワーラー/編集:アーリフ・シェイク
出演:ナーナー・パーティカル、ジョン・エイブラハム、サミーラー・レッディ、ソーナーリー・クルカルニー、シヴァジー・サータム、スミター・ジャイカル、クルーシュ・デブー、ナサール・アブドゥーラー
公開日:2月24日
STORY
遺産相続審議中のジャイ(ジョン)はラグー(ナーナー)のタクシーに乗車中、事故に遭い相続書類を保管していた貸金庫の鍵をタクシーに置き忘れてしまう。一方、タクシー車体のレンタル・フィー滞納やら長年苦労をかけた女房(ソーナーリー)に愛想を尽かされ、ラグーの人生も瀬戸際となる。人生の復活を賭けた男たちの駆け引きはいかに!?
Revie-U
のっけから元ネタを明かしてしまうと、オリジナルはベン・アフレック&サミュエル・L・ジャクソンの「チェンジング・レーン」(2002=米)。しかしながら、これが原版より面白い!
オリジナルは、人生の瀬戸際に立ったふたりの男が車線変更を誤って接触事故を起こし、失いかけた人生を取り戻すべく相手に仕掛けてゆく、というストーリー。アメリカ映画でもインディペンデント映画的な尖ったプロットが興味をそそったものの、スノッブなアフレックがいつしか<いい人>に目覚めてゆく後半がちょっとソフトな印象であった。
本作では、ふたりの男が<交差>するところを車線変更でなく、人生が交差する<タクシー>の運転手と乗客に変更。男どもの確執もスパイシーアップされている!
冒頭、サンジャイ・ダットへと謝辞が掲げられ、「bluffmaster!」(2005)同様、キャスティングが叶わなかったサンジューへのお詫びかと思いきや、例のダミ声でナレーターを務めているではないか。
有名俳優によるナレーションは「Lagaan」ラガーン(2001)のアミターブ・バッチャンや「Love
Ke Liye Kuch Bhi Karega(愛のためになにかしよう)」(2001)のパレーシュ・ラーワルなどがあるが、どれも序盤で引き下がってしまう。これが本作では物語がしっかりと転がり始めるまでサンジューのナレーションが続き、まるでムンナー・バーイにムンバイーの町中を案内されているような氣分を味わえるのが嬉しい。
さて、はじめに紹介されるのが、S・L・Jに相当するローアークラスのラグー。15年間に23回職変えした男で、血液型はK!(クッター=犬、つまりはキ印の意。これをサンジューが紹介するのだから可笑しい)現在の仕事はタクシーワーラーである。
これを演じるのが、「ラジュー出世する」Raju Bhan Gaya Gentleman(1992)や「Tarkeib」(2000)の怪優ナーナー・パーティカル(こんなタクシーには乗りたくない!)。この男、タクシー会社の元締めから滞納しまくった車体のレンタルフィーを翌日までに耳を揃えて用意するよう言い渡される。
交差する男はと言うと、ハイヤークラスのジャイ。扮するのは、「Dhoom」(2004)のジョン・エイブラハムで、言われてみれば、なるほどアフレック顔である。
ジャイは、亡き父が莫大な資産を遺しながら、彼の素行が悪かったため、父の親友(「Tera
Mera Saath Rahen(おまえと俺は一蓮托生)」のシヴァジー・サータム)と相続を争っている最中。原版ではアフレックは遣り手弁護士だったが、本作では弁護士を雇う側。裁判前に自分の車を壊してしまい、タクシーに乗ったのが運の尽き。もっとも地雷に踏み出したのは彼の方からで、「ここはボンバイだ。タイム・イズ・パイサー、わかったか?」と500Rs.札をバンバン切って、スピードアップさせる。この台詞、さすがにムンバイーではサマにならなかったらしい。
当然ながら、町中で事故って……。
この先は、やはり観てのお楽しみ!
「ソーリー」を連発して激突を繰り返す(!)キレまくりのナーナーは、向かうところ敵なし! さらには、警官相手に公然と賄賂で抱き込もうとする様が恐怖感すら感じさせる。
また、帰宅して寝込んでいた妻の胸元を愛撫する仕草が妙に生々しかったりする。そう言えば、彼は「サラーム・ボンベイ!」Salaam
Bombay !(1988)でも娼婦のヒモ役でリアルにキス・シーンをこなしていたっけ。
この、ずいぶんと歳が離れている妻役を「Mission:Kashmir」アルターフ(2000)のソーナーリー・クルカルニーが好演。「Dil
Chata Hai(心が望んでる)」(2001)の今どき娘は浮いていたが、今回はなかなかに艶めかしくて佳い。
夫に愛想を尽かして実家へ戻る決意をするものの、列車の乗車券を購入する寸でで思い止まる。が、振り返れば、駅のロビーで壊れゆくナーナーが男ども5人相手に乱闘の真っ最中!!!! やっぱり思い返して、チケット購入に走るのだ!
一方、ジョンも時よりよい表情を見せ、役者として大いに期待したいところである(「Dhoom」同様、自らバイクに乗ってインタビュー現場へ登場!)。
フィアンセ役は、「No Entry」(2005)でビーチをうろうろしていたサミーラー・レッディ。美形ながら、これがヒジュラーかと思うほどの低音声。芝居は大したことないので、これがヒップなハイソ娘の実像?
サポーティングとして、その母に「Devdas」(2002)のスミター・ジャイカル。
登場ショットからして笑わせてくれるのが、「Munna
Bhai MBBS」(2003)のDr.ルスタムことクルーシュ・デブー! 期待通りに間の抜けたところを見せてくれる。
原版でも印象的だった例のシーンは、そのまま残されており、しかもこれが絶妙なタイミングでインターミッションとなる!(2時間サイズに<短編>化された今風のインド映画でも、やはりインターミッションが不可欠。そして、これが展開のカンフル剤となるのだ)
製作は、「炎」Sholay(1975)を監督したラーメーシュ・シッピー。そんなこともあってか、銀行の窓口でジャイという名を聞いたクルーシュがSholayネタを飛ばすのが嬉しい。ナーナーは、昨年の「Bluffmaster」に続くシッピー作品となる。
監督は、「大脱走」(1963=米)を一部翻案した「Deewaar(壁)」(2004)のミラン・ルトリア。アジェイ・デーヴガン&サイーフ・アリー・カーンの秀作「Kachche
Dhaage(不完全な鎖)」(1999)で見せつけた実力を本作でも発揮。オセロ・ゲームを思わせる、苦境にあがく男たちの報復合戦が見物!
切れ味鋭いアーリフ・シェイクの編集は、Film Fare Awards物だろう。
ヴィシャール-シャンカルの手によるフィルミーソングでは、ナンバー「boombai nagariya」ではなんとバッピー・ラーヒリー御大をフィーチャー(オープニング・タイトル中でも唐突にインサートされているジャバ・ザ・ハットみたいな人が本人!)。
バラード・キングと呼ばれながら、通常、あまりに低音のため誰にもプレイバックが合わないアドナン・サミの「meter down」もなかなかに痛快! エンディング・クレジット前のお遊びクリップ・バージョンも楽しめること請け合いである。
それと、「Mujhse Shaadi Karogi(結婚しようよ!)」(2004)のプリヤンカー・チョープラが不意打ちのゲスト出演で登場。その場に流れる懐メロは、アミタージー主演「Coolie(クーリー)」(1983)の「accident
ho gaya(アクシデントしちゃったのヨ)」でなく、現在調査中〜♪
「Zinda(生存)」(2005)のような安易なフルコピーは頂けないが、本作のような意匠直しなら大歓迎。日本映画もこれくらいの図太い生命力を見せて欲しいところ。その意味では、ボリウッドのパクリを<奨励>したい。
追記 06.07.18
原版「チェンジング・レーン」で、ふたりが接触事故を起こすのは開幕8分ほどのところ。「シナリオの5ページ以内で<掴み>を」というハリウッド脚本術を忠実に守っている。ベン・アフレック扮する若手弁護士は弁護士であるにも関わらず、小切手を白紙で切って事故現場を離れてしまう。彼は顧問先の財団を依頼主の他界後、理事会を解散して運営を自分が勤める法律事務所に移してしまったことで提訴されていた。本作ではジョンが事故現場のタクシーに残して来たのが貸金庫の鍵となっているが、原版ではこの裁判に提出しなければならない重要書類。サミュエル・L・ジャクソン演じるロアークラスの男は、アルコホリックであったことから離婚問題を抱えており、ダウンタウンに持ち家を購入し、社会的に立ち直ったことを示し、共同親権を獲得しようとしていたが、事故のために審理に遅れ、その権利を失ってしまう。
事故現場の後、雨が振り出し、彼らの悲運を強調するが、雨が恵みの象徴、恋の予感であるボリウッドの記号論とは異なるところが興味深い。
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