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| ひんでぃーマサラこれくしょん<L> オススメ度 ★=最低 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!! |
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Love Aaj Kal(ラヴ、今昔)/2009 09.11.03 ★★★★ 舞台は、ロンドンからスタート。出会ったその日のうちに肌を重ね、1年余り(16分)でサッパリ別れる、<今どき>のインド人。それだけでなく、別れを記念して<ブレイクアップ・パーティー>を開く。 ここに介入してくる、おせっかいな<昔ながら>のインド人がリシ・カプール扮するヴィール・スィン。その名から解るように、ターバンを巻いたスィク教徒のパンジャーブ人である(その時の心象が表されているかようなターバンの巻き方違いにも注目)。 別れた後もメールや国際電話で新しい恋人などを四六時中に報告し合う<今どき>描写にインサートされるのが、若かりし(1965年)ヴィールの恋物語。これをサイーフがWロールで演じ、ターバンに髯面の凛々しい姿を見せつける。映画が転がり始めるのは、この若きヴィールが画面に登場してから。 この過去シーンのプロダクション・デザインが実に佳い。くすんだトーンは単にアンバーのフィルターをかけてセピア調に見せるといった安易な手法でなく(色調そのものはデジタル調整のようだが)、60年代の古きよきインドの街並みが再現され、ハリウッド化が進む<今どき>のボリウッドに嘆くインド人はこのノスタルジアが溜飲物だろう。 若きヴィールが想いを寄せるもうひとりのヒロイン、ハルリーンに抜擢されたのが、ブラジル人モデルのジセリ・モンテヤロー。透明感あふれる美人で、初々しい乙女というキャラクターから台詞の少なさに無理がない(例によってアテレコのようだ)。 ラーハト・ファテ・アリー・ハーンの歌声がうるおいをもたらす回想ナンバル「aaj din chadheya」中、見初めたハルリーンをひと目見ようとヴィールがデリーから遥々カルカッタまで訪ねると、彼女がバルコニーに表れる。通りに出るが彼を素通りした彼女は、ドゥパッターの下から彼が好んで飲むブラックコーヒーを道端に置く。ヴィールも差し入れを持参しており、ふたりはバルコニーに通りと離れてそれらを口にするが、見つめ合い、心はひとつ。「ラジュー出世する」Raju Ban gaya Gentleman(1992)で睦み合ったジュヒー・チャーウラーとシャー・ルク・カーンを想い出すスケッチだ。 イムティアズのこだわりが伺われるのが、劇中使われる「ディッリー(Dilli)」という単語。首都デリーはローマナイズでは「Delhi」のスペルでヒンディーだと「Dilli」と綴り「ディッリー」となるが、ウルドゥーでは「デヘリー」となる。 ちなみに、英語字幕では省略されているボリネタをここで。 ヒロインは、サイーフが強く推したカリーナーを突っぱねてイムティアズが要求したと言われるディピカー・パドゥコーン。出演作第4弾がサイーフ初プロデュース作とあって話題騒然。アクシャイ・クマール共演「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」Chandni Chowk To China(2009)の1.7倍にあたるオープニング記録で現在2位(1位はアッキー×カリーナー「Kambakkht Ishq (トンデモない恋)」)。 コブラ使いのメロディをサビにフィーチャルしたクラブ・ナンバル「twist」でジャイが新たに恋に落ちるのは、日本のファッション・ウォッチャーからも「セレブ」として注目されている白人モデルのフローレンス・ブルードネル・ブルース。 <今どき>の作品らしく、ランニング・タイムは123分。また、ハリウッド映画標準のパナヴィジョンで撮影されている(全編でなく、通常のドイツ製アリフレックスとの併用か)。 その後、成田離婚ならぬメヘンディ離婚(花嫁の手に施された祝福のメヘンディが消えぬうち)に至りそうになるも、ジャイからある<試練>が提案される。出会ったその日の内にメイクラヴ、遠距離恋愛が苦痛であれば即ブレイクアップ、四六時中、モバイル(携帯電話)で話をしていなければ心が結びつかないと思っている<今どき>の恋愛に蹴りをつけようと言うわけだ。 ジャイが愛の満願ポイントとしてサンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジに賭けたのは、過去シーンの象徴となるコルカタ(カルカッタ)のハウラー・ブリッジとの対比から。 サイーフの印象力は申し分ないが、全体的にやや押しが足りなく思えるのは、やはりディピカーの技量不足によるところが大きい。この点では、カリーナーの配役が叶わなかったのが惜しまれる。サイーフ×カリーナーのジョーリー(Jodi=カップリング)・フィルムは、カラン・ジョハール製作「Kurbaan 犠牲」(2009)に期待したい。 ボリウッド映画によくあることだが、メインリードのふたりに重点が置かれる余り、鞘当てとなる配役が疎かになることがある。本作も後半、ジャイが入れ込むはずの恋人役、フローレンス・ブルードネル・ブルースなど「セレブ」とのことだが、ナンバル「twist」中に登場しても輝きはまったく感じられず、どこの素人かと思ってしまう。ほとばしるディピカーと比べると天と地だ。稚拙な台詞まわし、芝居の不味さもさることながら、ロマンスをもり立てるエピソードも奢られず、演出的にもほとんどやる氣が注がれていないので可愛そうなのだが。 またなんと言っても、ヴィールの自宅が明かされるエンディングが実にボリウッド。ここに登場する美人がリシ・カプール本人の最愛の妻ニートゥー・スィン・カプール(そう、ランビールの母)。リシとニートゥーのジョーリー映画に胸躍らせたインド人観客なら、ここでジャイとミーラーが末長き幸福にあるであろうことが読みとれる仕掛け。ここでリシにとって誰なのか、知っているか否かで映画の味わいが変わってくる醍醐味は他国映画では早々味わえまい。
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