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アッチャー・ソングス
aham brahmani
スクヴィンダール・スィン
アルカー・ヤーグニク
chilman uthegi nahin
ハリハラン
アルカー・ヤーグニク
アイェーシャー・I・ダルバール
S・シャイジャー
M・サラマット
カイラーシュ・ケール
ラーケーシュ・パンディット
ga tu aisi dhun mein ga
ハリハラン
アルカー・ヤーグニク
アイェーシャー・I・ダルバール
S・シャイジャー
M・サラマット
カイラーシュ・ケール
hum hain iss pal yahan
ウディット・ナラヤン
マドゥーシュリー
kahe ujadi mori neend
ウスタッド・ラシード・ハーン
kisna
A・R・ラフマーン
my wish comes true
スニター・サラティー
tu itni pagli kyun hai
ウディット・ナラヤン
アルカー・ヤーグニク
イスマイェル・ダルバール
woh kisina hai
スクヴィンダール・スィン
イスマイェル・ダルバール
アイェーシャー・I・ダルバール
wohi din aa gaya
スクヴィンダール・スィン
イスマイェル・ダルバール
アイェーシャー・I・ダルバール
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Kisna/2005 06.09.26
★★★☆
製作・脚本・監督:スバーシュ・ガイー/製作総指揮:プレーム・ピラリ/製作協力:アショーク・ガイー、ラジュー・ファルキー/脚本:サーチン・バウミク、ファルーク・ドンディー/撮影:アショーク・メーフター/作詞:ジャヴェード・アクタール、バラーズィー(英語)/音楽:A・R・ラフマーン、イスマイェル・ダルバール/衣装:ニーター・ルッラー/美粧:ヴィクラム・ガイクワード、ミッキー・コントラクター/総合美術:サミール・チャンド/音響設計:ディリープ・スブラマニウム/振付:サロージ・カーン、シャイマク・ダヴァール、ダクシャー・セート/アクション:ティヌー・ヴェルマ
出演:ヴィヴェーク・オベローイ、イーシャー・シャルワーニー(新人)、アントニア・ベルナース、アムリーシュ・プリー、オーム・プリー、ラジャート・カプール、ヤーシュパル・シャルマー、ヴィクラム・ゴーカレー、シヴァジー・サータム、ポール・アダムス、ミッチェル・マロニー、キャロライン・ラングリシー、ヴィヴェーク・ムシュラン、ザリーナ・ワハーブ、タンヴィー・アズミー
特別出演:スシュミター・セーン、リシター・バット
公開日:1月21日(年間23位)
STORY
インドで生まれた英国貴族の娘キャサリン(アントニア)は、使用人一家の息子キスナ(ヴィヴェーク)と幼馴染み。キャサリンは一旦ロンドンへ送られるものの、年頃の金髪碧眼娘となってインドへと戻る。ところが、キスナは村娘ラクシュミー(イーシャー)と結婚することに。時は1947年。インド・パーキスターンの分離独立(セパレーション)寸前。ラクシュミーの父とキスナの兄ら過激な村人が英国人に恨みを晴らすべくキャサリンの父親を殺害。脅えたキャサリンをキスナがデリーへと送り届けることになるが・・・。
Revie-U
50th Film Fare Awards
のオープニングで、地上10mはあろうかというクレーンに吊られた新人女優が空中舞踊を披露! その幽玄なパフォーマンスに胸を打たれた。彼女の名はイーシャー・シャルワーニー!
「Married with Dance of God !」と称された彼女は、オーストラリア人の作曲家を父に、ダンサーであるインド人の母親を持ついわゆるハーフ。7歳から素養をはじめ、バレエ、ヨガ、カタック、マーシャル・アーツなどを習得、10代のうちに世界22カ国で公演。ロープを使った空中舞踊は、彼女の持ち芸だそうだ。
そんな彼女を見出したのは、女優発掘で定評のあるスバーシュ・ガイー。かのマードゥリー・ディクシトをはじめ、マニーシャ・コイララ、マヒマー・チョウドリーをスターに押し上げたヒットメーカーで、「Pardes(他国)」(1997)でデビューしたマヒマーなど先のふたりにあやかってMのイニシャルを芸名に選んだほど!
もっとも、スバーシュはアイシュワリヤー・ラーイをトップスターに押し上げた「Taal(リズム)」(1999)の勢いに乗って、飛ぶ鳥を落とす勢いでデビューしたリティック・ローシャン&カリーナ・カプールの初共演作「Yaadein(思い出)」(2001)を大公開し、メガヒットを目論んだものの、これが見事にフロップ! すっかり<思い出>の彼方へ。これはひとえに、ミュージカル作りには名高いものの、演出センスとなるとこれが案外つたなく、つまりは作品として破綻していたということ。
その後、自作は控え、プロデュース業に専念するかに見えた。が、その彼が再起を賭けて取り組んだのが本作なのであった。
そんなこともあってか、イーシャーの芸名はM以外で選ばれたようだ(<シャルワーニー>は、伯母さんの命名だとか)。
「Hum Aapke Hain Kaun!(私はあなたの何?)」(1994)を抜いてボリウッド映画最大のヒット作となった「Gadar(暴動)」(2001)と英国統治物「Lagaan」ラガーン(2001)以降、時代物がぽつぽつと作られるようになったが、本作のプロットは、まさにこの2作品を足して2で割ったようなもの。
ところが、冒頭は現代シーン。それも英国の老婦人がインドを訪れ、なにやら回想を始める……つまりは「タイタニック」(1997=米)の構成。これは「初恋のきた道」(1999=中・米)、「The
Hero」(2003)にも見られるスタイル。
ヒロイン、キャサリンを演じるのが、英国のTV女優アントニア・ベルナース。サーリーも似合って、なかなかに愛らしい。
主演のヴィヴェーク・オベローイは、アイシュとの共演作「Kyun...!
Ho Gaya Na」(2004)や「Home Delivery」(2005)、「Deewana Huye Pagal」(2005)などでロマンティックな役柄やコメディーもこなす一面を見せていたが、やはり彼はデビュー作「Company」(2002)や「Dum(強靱)」(2003)など骨太なタフガイがよく似合う。本作でも後半、本領を発揮し、ヴィヴェーク魂を存分に味わうことが出来る(スープにラール・ミルチーをどばどば入れて、激辛好みと見せかけるのがナイス!)。
肝心のイーシャはというと、これがあまり出て来ない!
その上、ロープを使った得意の空中舞踊や空中ヨーガをはじめ(ハーフだけに?)セミヌードの行水シーンさえ披露するものの、どうにも影が薄いのだ。これはもともとのファースト・ヒロインが英国人という設定が決まっていて、インド人妻役のセカンド・ヒロインを新人で、というキャスティングがなされていたのだろう。そこへ、空中舞踊までこなす大物?のイーシャが掛かってしまったので、あわててヨーガのシーンなどを追加したのではないか??
もっとも、「Darwaza Bandh Rakho(ドアを閉めとけ!)」(2006)でもそうであったが、インド女優としてはかなり地味(ふたりのゲスト女優を挟んで、フォース・ヒロインの立ち位置?)。芝居がまだまだ、ということもあるが、豪州人とインド人のミックスだけに黒髪の洋顔がマイナス要因か。空中技ばかりが強烈で、大したダンス・ナンバーも用意してもらえなかったのも痛い(彼女の舞踊がバレエが主体になっているのか、直線的な動きを見せる)。
そんなこともあってか、大物スターとの共演依頼が殺到!ということもなく、先の「DBR」がアーフターブ・シヴダサーニー、その他にアナウンスされている2本はスニール・シェッティー、トゥシャール・カプールといった具合。
舞踊を武器にアイシュのようなトップスターとなる日が来るだろうか??
本作自体の出来であるが、さすがにスバーシュ渾身の作だけあって、演出のほつれは低く、彼のフィルモグラフィでも上出来の部類(強いて言えば、焼打されて燃え上がるキャサリンの屋敷がチープなミニチュアだったことが氣になるが)。
ヒッチコックを氣取っての顔見せシーンも以前は物語を分断するもの構わず登場したり、果てはフィルミーソングを歌い出す始末だったが、今回はそれを控え、エンディング・クレジットとしてシルエットを見せるにとどめている。
母の言いつけを受け、キャサリンを送る道中、サードゥーに化けたり、クリシュナを厚く信奉する一家に逗留したり、ムスリムに扮したり、果てはクリスチャンを装うなど、神々に祝福された逃亡劇は、同じく逃亡中にスィークに助けられた「Bunty
Aur Babli(バンティとバブリー)」(2005)を思い起こさせる。
キスナ、キャサリン、ラクシュミーの関係は、劇中にあるようにクリシュナ、その恋人ラーダー、正妻ミーラーを表している。これこそ「Lagaan」からのイタダキに思えるかもしれないが、ラーマヤナをベースにした「Khal
Nayak(悪役)」(1994)など、もともとスバーシュはヒンドゥー神話を物語の軸に置くことでヒットを放って来た監督であった。
ゲストのスシュミター・セーンやリシーター・バットもよい。
スシューをフィーチャーした、「Devdas」(2002)のマードゥリーを思い起こさせるカタック・ナンバル「chilman
uthegi nahin」は、「Devdas」のイスマイェル・ダルバールに発注。振付も「dola re dola」でFilm
Fare Awards、Zee Cine Awards、IIFA振付賞に輝くサロージ・カーンを奢られている。
英国調「my wish come true」から「hum hai iss pal yahan」などA・R・ラフマーンによるナンバルは、かの「Taal」に通じる壮麗なセットが見物!(ただし、アントニアがデジタル合成で踊り出すところは、「Yaadein」でリティックがデジタル分裂したり、カリーナと共に宇宙にまで飛んでしまう悪い思い出がフラッシュバックしてしまうが)。
ところで、「my wish 〜」でうっすらと奏でられるメロディーはサルマーン・カーン主演「Tere
Naam(君の名は)」(2003)のお清めナンバー「man basiyaa」(音楽監督:ヒメーシュ・レーシャミヤー)! ラフマーンは今でこそインドの現代音楽を代表する大家であるが、「Roja(ロージャー)」(1992=タミール/ヒンディー)の頃は平氣でブルガリアン・ヴォイスをそのまま挟み込んでいたものだ。これもちょっとしたお遊びなのか、ヒメーシュの方が借用していたのか??
洗練されたラフマーンの作とは思えないドメスティック・ナンバル「hum hai iss pal yahan」の、なんとも垢抜けない雰囲氣も心地よい。プレス発表会の小ステージでのマイクを持ったウディット・ナラヤンは、ラフマーン自らの演奏で印度生オケしてるおっさんにしか見えないのも微笑ましい。このナンバルは、ボリウッドのミュージック・レビューでも「これはダルバールの曲ではなくて、ラフマーンの」とわざわざ書かれているほど。
サポーティングは、村の長老バイロー・スィン役に故アムリーシュ・プリー。「Lakshya(防衛)」(2004)に続き、雄姿を見られて嬉しい。彼は本作が遺作となったのが惜しまれる。
キスナの兄シャンカルには、「Lagaan」、「Dum」、「Ab Tak Chhappan」(2004)などの裏切り専門役者のヤーシュパル・シャルマー。その功績?が認められたのか、本作では兄弟愛を滲ませるシーンもあって胸を熱くさせられる。
キャサリンに入れ込む領主の息子ラグーラージ役が「Yun
Hota Toh Kya Hota(もし起きたら何が起きるか)」(2006)に米国大使館員役でチラリと出演しているラジャート・カプール。口髭に眼帯がチープな怪しさを醸し出す。
キャサリンに目をかける使用人頭に「Taxi No.9211」(2006)のシヴァジー・サータム。
ラクシュミーの父ダーダー・グル役が「ミモラ」Hum
Dil De Chuke Sanam(1999)を引き継ぐ音楽師匠のヴィクラム・ゴーカレー。
逃亡中のキスナとキャサリンを助けるのが、「Rang De
Basanti」(2006)のオーム・プリー。いつになくバカボン・パパの雰囲氣が強く漂い、見ているだけで可笑しい。
逃亡中のキスナとキャサリンを助けるルクマニー役が、「Asoka(アショーカ王)」(2001)のリシター・バット。クリシュナ神を讚えるホーリー・ナンバル「woh
kisna hai」ではイーシャーが霞む艶っぽい舞踊を見せるがカットバックで編集されているので彼女を堪能できないのが残念である。
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