ひんでぃーこれくしょん<K>
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
   
アッチャー・ソングス
o suniye dil jaaniye
アルカー・ヤーグニク
クマール・サーヌー
aey dil laya
カヴィタ・クリシュナムールティー
jaane mann jane
アルカー・ヤーグニク
ソーヌー・ニガム
dekhiye aji jaane
アルカー・ヤーグニク
ウディット・ナラヤン
ae sanam eri bahaon
アルカー・ヤーグニク
クマール・サーヌー
pyaara bhaiya mera
アルカー・ヤーグニック
クマール・サヌー
in kadmon ke neche
アルカー・ヤーグニク
クマール・サーヌー

Kya Kehna!(まあ、素敵!)/2000 01.05.13 ★★★
監督:クンダン・シャー/脚本:ホーニー・イラーニー/音楽:ラージェーシュ・ローシャン/詞:マジョーフ・サルターンプリー
出演:プリティー・ズィンター、サイーフ・アリー・カーン、チャンドラチュール・スィン、アヌパム・ケール、ファリーダ・ジャラール、ナヴニート・ニシャン
公開日:5月19日

FILM FARE AWARDS:脚本賞


STORY
大学へ入学したプリィヤ(プリティー)は、プレイボーイのラーホール(サイーフ)に恋し彼の子を妊ってしまう! しかし、空虚な家庭環境に育ったラーホールは愛を信じず、彼女との結婚を拒む。温厚な父親バクシー(アヌパム)も中絶を拒否する娘を家長として追い出さずにはいられない。が、家族はプリィヤあってのもの。幼友達のアジェイ(チャンドラチュール)も彼女を支え続け、悩んだ末に結婚を申し込む。我が非を恥じたラーホールが彼女との結婚を決意。果たしてプリィヤが選ぶのは?


Revie-U
 *結末に触れています。
人気急上昇中のプリティー・ズィンター未婚の母!? スキャンダラスなテーマで興味本位を煽る映画がと思いきや、これがなかなかのハートウォーミングな秀作。
プリィヤはバクシー家の中心。どんな時でも彼女が思い出され、家族みんなから愛されている。プリィヤが「過ち」を犯した後も全員が苦しみながら、彼女がいない家族などあり得ないことに気づく。ここで大いに女性客は泪するわけだが、それはこれだけ家族に愛を注いでもらえる女性がインドの家庭には少ないと知っているからだろう。

現実社会では女子は男子より疎まれる。女は男(父親、兄弟、夫)に仕える物という意識があるからだ。現代日本も地方によっては似たようなものだが、インドでは「女三人で家が傾く」だけでは済まない。花嫁の持参金ダウリー(1980年代の半ばで年収の4〜5倍の現金)は年々エスカレートし、プラス家電製品や車なども花婿側から要求される。盛大な婚礼の費用など工面しなければならない。持参金の不足で縁談が断られるのは良い方で、それを理由に虐待されたり、結婚後間もなく花嫁が焼き殺されたりする事件は少なくない(統計では持参金殺人の被害は1日に5人!!!!!)。ある三人姉妹が両親の負担を軽くしようと集団自殺したことさえあるほどだ。また、一家の「負担」となる女子は間引きされたり、胎児の段階で堕されたり、病気になっても病院へ運ばれる率は男子に比べ極端に少ない。ましてや恋愛の末、子供を妊ったとなると大罪一家の恥となる。
ボリウッドのレビューでも「主人公は家族から愛され、自由を与えられ、それが心底まで彼女を甘やかし駄目にした。このような物語は我々の社会では驚くべきことで、最近の若者はあまりに多くの自由を得過ぎる」と言い放っているくらいだから、実社会での抑圧がどれくらいか判ろうというものだ。

劇中、プリィヤが未婚の母となったと知ると兄の結婚式には祝い客が誰も来ない(無人の披露宴の寂しさったら!)、大学でも露骨に友人が離れ、未婚の母を非難する学生演劇が公演される、などというのはまだ可愛いものかもしれない。他人の子を未婚の母として産もうとする女性を愛し続ける親友の男性、そしてその母親も息子のことを応援するなど、映画の中の儚い夢、夢のそのまた夢でしかない。
プリィヤというキャラクターが女性たちの夢を担っていることは、前半、女子高の卒業式でセクハラ教頭を平手打ちして告発するエピソードからも解る。無論、プリィヤが選ぶ最愛の相手とは親友のアジェイである。これは、女性客が家族や男性から真に愛され、社会から守られたいという願いを満たす映画。そのために作られている。因みに彼女が子供を産もうとするのはクリシュナ信仰から。

地域有数の富豪に育ったラーホールを、サイーフ・アリー・カーンがクールに演じる。恋に生き、危険を冒さずには自分というものを感じられないため、バイクで谷間をジャンプして見せるのだが、CG処理も巧く「ムトゥ」(1995=タミル語)の頃とは大違い。プリティーもショッキングな題材に果敢に挑戦。もっとも、ラーホールとプリィヤが愛を交わす「大胆」なシーンは草葉の陰でサイーフの肩から上の素肌しか映る程度なのだが。
ヒロインを見守るサブヒーロー役が続いたチャンドラチュール・スィンも今回は見事ヒロインの愛をゲット。ラージェーシュ・ローシャンによるのどかなフィルミーソングはどれもオススメだ。

*追記 07.06.02
本作のオリジナルは、同じくティーンの初体験と未婚の母を描いた小説「Chattakkari」(パッマン作)を映画化した「Julie」(1975)。製作がテルグ+タミル、監督がマラヤーラムという当時は製作本数で劣っていた南インド勢がヒンディー映画に乗り込んだこの作品では、10代の欲情が大胆に描かれている(ギリギリの描写ではあるが)。
主人公の一家はアングロ・インディアンで、主人公のジュリーが関係を持つのがブラーミンのヒンドゥー。本作のサイーフ・アリ・カーンに相当する役柄が四輪の自動車、チャンドラチュール・スィンに該当する役が二輪の自転車に乗っていること、壁に掛けられたヒンドゥー神画や子供の絵が用いられていること、両作とも音楽監督にラージェーシュ・ローシャンが起用されていることなどが共通点。もっとも、本作は巧みにアレンジされていて、なるほどFilm Fare Awards 脚本賞も頷ける出来。
「Julie」のメモラブル・アングレージソング「my heart is beating」は、本年開催された52th Film Fare Awardsでのステージ・パフォーマンスでビパーシャー・バスがフォークギターを手に
演じて実に愛らしかったが、これは「Julie」のヒロイン、ラクシュミー(ラクシュミー・ナーラーヤーン)と彼女がよく似ていることへの敬意。ちなみに妹役には少女時代のシュリデヴィーが出演していて、これまたアイェーシャー・タキアを思わせる愛らしさ。

 
 
 
 
 

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