ひんでぃーこれくしょん<H>
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
   

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Hum Ho Gaye Aap Ke/2001 01.10.17 UP ★★
原案・脚本・監督:アハティアン/台詞:スニール・クマール・アーガルワル/撮影:ラヴィ・ヤーダウ/音楽:ナディーム-シュラワーン/詞:サミール/背景音楽:カールティク・ラージャー/振付:サロージ・カーン他/
出演:ファラディーン・カーン、リーマ・セーン、アプルワ・アグニホートリー、スレーシュ・オベローイ、スマン・ラングナタン、サダーシヴ・アムラープールカル、アリー・アスガル、ニーナ・クルカルニー
ゲスト出演:マヘーシュ・タークル
公開日:8月3日


STORY
富豪の息子リシー(ファラディーン)は、片時もアルコールと煙草を離さない快楽主義者。雇い入れた学友モーハン(アプルヴァ)を連れ立って出かけたビューティー・クィーン・コンテストで受賞したチャンニー(リーマ)を見初める。一方、純朴なモーハンも彼女に惹かれ、しばしばデートを重ねるが、思わぬことから彼女が年上のマンディープ(マヘーシュ)と結婚しなければならなくなる。モーハンに泣きつかれたリシーは駆け落ちを嗾け、結婚式の最中からチャンニーを連れ出す。しかし、モーハンの家族は大反対。クールな現代娘のチャンニーは、必然的にリシーの豪邸に厄介となる・・・。

Revie-U
 *結末に触れています。
オープニング・タイトルバックは、巨大な人間チェス。カクテルを口に流し込み、美女の駒を動かすファラディーン・カーンをホットヘッド・クレーンによる回転画面がとらえる。これはファルディーン扮するリシーのキャラクターを表しているのだが、コカインで捕まったファルディーン本人に重なって思えてしまう。

ヒロイン、リーマ・セーンは、1980年代に活躍した美人女優ムーン・ムーン・セーンの娘。デビュー作の登場シーンが、いきなりビューティー・クィーン・コンテスト授賞とは思い切った設定だが、G.air(除け者)(1999)でもラヴィーナ・タンダンがオール・インディア・ダンス・コンテストで優勝していたのに等しい(笑)。
2000〜2001年に掛けて新人デビューのラッシュ・イヤーであったが、Mohabbatein(愛)(2000)のシャミター・シェッティーキム・シャルマプリティー・ジャンギアーニーTum Bin...(君なしでは・・・)サンダーリーPyar Ishq Aur Mohabbat(恋、ロマンス、そして愛)の準新人キルティ・レーッディー・・・皆一様に美形でスタイルも整っているものの個性に欠け、プリティー・ズィンターアミーシャ・パテールのデビュー当時と比べると小粒。リーマも例によって踊れないが、他の新人よりはまだマシな方。図太いものを持っていそうなので、案外化けるかもしれない。

前半、快楽主義のリシーに対し、誠実な印象でヒロインの気を引くモーハン役は、Pardes(他国)(1997)でデビューしたアプルヴァ・アグニホートリー。我儘で利己的なNRI青年という本作でのリシーに通じるキャラクターを演じていた。その後、4年間で3作品に出演し、硬かった演技も柔らかくなり、表情も豊かになっている。
モーハンはリシーの計らいで駆け落ちすることになるが、そんなことをされては妹が嫁に行けなくなると家族に反対され、結婚式から抜け出して来たチャンニーからも拒絶され、家族全員で泣きじゃくるという情けなさ過ぎるエピソードとなる。このローアー・ミドル・クラスという役柄がはまり過ぎていて、演技というよりは骨の髄まで染みてる感じがする。演技も地味過ぎるため、気のよい泣き落とし専門役者になるのではないか、と思ってしまう。

リシーの父親オベローイ役は、「マニカの不思議な旅」(1989=仏)、Soldier(ソルジャー)(1999)の名優スレーシュ・オベローイ
この父親は片親のためにリシーを放任、溺愛し、彼を無節操のアル中に育ててしまい、今なお彼を叱れないで「よき父親」像を見せる。普通、厳格なインドの家庭では年配者の前で喫煙、飲酒は禁じられているのだが、リシーは朝のジョギング後からウイスキーを運ばせてしまうのだ。この父がリシーの頼みから、未婚の女性をゲストとして自宅に逗留することを許し、息子に乞われて彼女に縁談を持ちかけさえする。
もっとも演技力豊かなスレーシュだけあって、この父親がチャンニーが結婚を断って家を出てゆくことを見透かせしていて、聡明な彼女に自分の息子は相応しくない、と考えていることを無理なく肉付けしている。
ちなみに冒頭でスレーシュとファルディーンがモバイルで話ながら自宅の豪邸で出会すのは、スレーシュ出演Safari(サファリ)(1999)でジュヒー・チャーウラータヌージャがすでにやっている。

南インド産ヒット作のリメイクが流行で、すでに10本近い作品が製作中であるが、本作もタミル映画「Gokulathil Seethai」の焼き直し。カンナダ映画でもリメイクされたそうなので、オリジナルはかなりの秀作だったのだろう。
ところが本作は、花婿が妹と結婚できれば本来の花嫁であるチャンニーを見逃す、結婚式から抜け出した娘を母親が探さない、などボリウッド・レビューでもこじつけだと評されていた。
監督のアハティアンは新人ではないが、脚本演出共に冴えない。後半、オベローイに恩義を感じ、アルコールに溺れたリシーにも心情を移し始めたチャンニーが一族の会社に就職面接に出かける。少しでも役に立てば、ということだろうが、そこには愛想を尽かしたモーハンも働いているということは十分承知のはず。恋愛感情の行き違いから観客をヤキモキさせたいのだろうが、前半はリシーが快楽主義過ぎてネガティヴ、後半は感情移入していたモーハンが貧し過ぎる現実を見せつけられており、展開を受け入れにくいのが難。

エンディングは、クマール・サーヌーの歌う「der se hua」をバックにチャンニーが修道院に身を寄せ、失意のリシーが彼女を探し続けるというもの。数ヶ月後、ふたりは電車に乗りあわせ、先に気付いたチャンニーが窓際の席に移る。そのためにホームに降りたリシーが彼女に気付き、再び電車に乗り込んで長々と告白。遂に彼女も泣きながら彼への想いをぶちまける。
ここだけトーンが異なり、よく出来ているので、おそらくこのシーンはオリジナル版そのままの演出だろう。ヒンディー版ではキャラクターや脚本の不始末で改悪されてしまったようだが、オリジナルやカンナダ版がどうのような作りだったのか、多少気になるところだ。

その他、サダーシヴ・アムラープールカルがよき伯父役、チャンニーの花婿役にHSSH(みんな一緒に)(1999)のマヘーシュ・タークルが、ちょっとハズシたコメディ・リリーフにJoru Ka Ghulam(情熱の奴隷)(2000)でゴーヴィンダに手玉に取られたアリー・アスガルが出演。
音楽は、ナディーム-シュラワーンMMBSB(2001)のスマン・ランガーナタンが、リシーのガールフレンド役でセクシー・ダンス「re mama」を披露。Dhadkan(ドキドキさせて)(2000)でのマヒマー・チョウドリーを彷彿とさせる。なぜかファームハウスの新婚管理人が濃厚なダンス・シーンを見せる「hum ho gaya aap ke」は、野性味あふれるリシートーラーによるもの。本編とはフィットしているとは言い難いが、クマール・サーヌーアルカー・ヤーグニクの2ヴァージョンある「der se hua」も、さわやかでよい。
興行的には公開日が重なった「PIAM」同様、低迷。無残な4週間を続けた。
 
 
 
 
 

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