Company（カンパニー）／2002　02.08.19　★★★★
製作：ボニー・カプール、アスウィニ・ダット／製作・監督：ラーム・ゴーパル・ヴァルマ／ストーリー・脚本：ジャイディープ・サーフニー／撮影：ヘマント・チャトゥルヴェディ／音楽：サンディープ・チョウター／詞：ニティン・ライクワル、タービシュ・ローマニ、ジャイディープ・サーフニー／振付：ガネーシュ・ヘグデー／アクション：アラン・アミン／美術：Ｒ・ヴェルマン／編集：チャンダン・アローラ
出演：アジェイ・デーヴガン、モーハンラール、マニーシャ・コイラーラー、シーマ・ビシュワース、ヴィヴェーク・オベローイ、アンタラー・マリ、アーカーシュ・クラーナー、マダン・ジョーシー、バーラト・ダブホールカル、アシュラーフ・ウル・ハーク、アクシェイ・ヴェルマ、ヴィジャイ・ラーズ、ニーラージ・ヴォーラ、ラージパル・ヤーダウ
ナレーション：マクランド・デーシュパーンディー
特別出演：ウルミラー・マートンドカル、イーシャー・コーピッカル
公開日：４月12日（上半期トップ３→年間トップ９ヒット！）
48th FILM FARE AWARDS：助演男優賞＆最優秀男性新人賞（ヴィヴェーク・オベローイ）、ストーリー賞、編集賞、批評家選主演男優賞（アジェイ・デーヴガン）＆主演女優賞（マニーシャ・コイラーラー）。

STORY
銃器密売組織の兄貴分マリク（アジェイ）と、その右腕チャンドゥ（ヴィヴェーク）。彼らは警察の捜査を逃れ、香港に飛ぶものの、ふとしたことから仲間割れとなる。やがて、香港、ボンベイ、ナイロビを血で血を洗う粛清が繰り広げられる・・・。

Revie-U
ご存知、「サティヤ」Satya（1998）のラーム・ゴーパル・ヴァルマ最新作。
「Pyaar Tune Kya Kiya...」（2001）の撮影を巡って、永遠のヒロイン、ウルミラ・マートーンドカルと訣別したと言われるラーム・ゴーパルだが、オープニング・タイトルバックにフィーチャーされたゲストは彼女ではないか！　と、さっそくラーム・ゴーパルの不意打ちからスタート。

主演は、このところ「Tera Mera Saath Rahen（おまえと俺は一蓮托生）」（2001）、「The Legend of Bhagat Singh（ザ・レジェンド・オブ・バガット・シン）」（2002）など演技力をますます伸ばしているアジェイ・デーヴガン。口髭もよく似合う。
その情婦サロージャには、マニーシャ・コイラーラー。「ディル・セ」Dil Se...（1998）のそれとはおよそ違った、スターらしくない地味な登場シーンにはじまり、役柄のためのむくんだ顔も辞さないなど、さすがはマニーシャである。
この主演コンビは、以前ならマノージ・バージパイとウルミラだったのだろうが、実は「サティヤ」の撮影中から犬猿の仲だったらしく、マノージが役を降りたとも伝えられる。ラーム・ゴーパルとしては、新たなステップとなる配役だったことだろう。

本作デビューのヴィヴェーク・オベローイは、名優スレーシュ・オベローイの息子。裸足でアクションをこなし、なかなかワイルドな男前だ。抑制の利いたアジェイと熱いヴィヴェークがぶつかり合う様が本作の魅力と言えよう。
ヴィヴェークの演技は好評で、「Mission:Kashmir」アルターフ（2000）のヴィドゥー・ヴィノード・チョープラ監督作品ではアミター・バッチャンとの共演も決まり、ヒロインはアイシュワリヤー・ラーイになる予定。本年度の男性新人賞の有力候補だ。
一方、暗黒街に立ち向かう警察署長シュリヴァーサンには、「ザ・デュオ」Iruvar（1997）のモーハンラール。250本以上の出演作を持つマラヤーラム映画のスーパースターというだけあって、やはりどこかボリウッド俳優の顔とは違う。ヒンディーが下手なのか、アフレコが下手なのか、彼だけ違和感が残るものの、淡々とカンパニーを追い詰めるしたたかさは観るたびに増してくる。

サポーティングには、チャンドゥの母親役に「Khamoshi（沈黙のミュージカル）」（1996）のシーマ・ビシュワース。「女盗賊プーラン」Bandit Queen（1994）でプーラン・デヴィを全身で熱演した彼女だが、今回は地味な母親役に徹している。
チャンドゥの妻カーヌー役には、「Khiladi 420（偽闘士）」（2000）で詐欺師デーヴの恋人モニカ役だったアンタラー・マリ。
マリクの相談役ヴィラース・パンディットに「Beta（息子）」（1992）のアーカーシュ・クラーナー、子分のヤーダウに「Shool（槍）」（1999）で警官ハッサン役だったガネーシュ・ヤーダウ、同じく子分のジョセフに「Jungle（ジャングル）」（2000）の盗賊ラージパール・ヤーダウ。チャンドゥの友人コーウナー・シンには、「Jungle」（ノンクレジット）、「Aks（憎しみ）」（2001）のヴィジャイ・ラーズ。最近ではミーラー・ナーイルの新作「モンスーン・ウェディング」Monsoon Wedding（2001）にも出演。
劇中で撮影されるマサーラー・ラヴ・サーガ「Pyaar Pyaar Main（恋しちゃったのヨ）」のオカマちっくな監督役は、盟友ニーラージ・ヴォーラ（少々痩せたか？）。
カンパニーと裏でつながる大臣役のバーラト・ダブホールカルも厚顔で印象的だ。
また酒場のミュージカル・ナンバー「khallas」にゲスト・ダンサーとして、「Fiza（フィザ）」（2000）でカリシュマ・カプールの親友役をまずまず演じながらも、「Pyaar Ishq Aur Mohabbat（恋、ロマンス、そして愛）」（2001）ではヒロインのキルティー・レッディーに合わせて（?!）思いきり下手な芝居を見せていたイーシャー・コーピッカルをフィーチャー。
ナレーションを担当するのは、「Jungle」、「Sarfarosh（命知らず）」（1999）のマカランド・デーシュパーンディー。「LKLKBK（愛のために何かしよう）」（2001）のパレーシュ・ラーワル同様にシブイ！

ボンベイの暗黒街を「サティヤ」でも描いていたラーム・ゴーパルだが、本作ではナチュラル・ライティングの撮影やノンリニア編集テクニックを駆使した実録タッチを試みている。ともに２人の男の確執を軸にしているが、「暴力と恋愛のダイナミズム」が重視された「サティヤ」から「暗黒街と警察、そして政治のドラマ」そのものにポイントがシフトしている。
もちろん、マサーラー映画好きの彼だけあって、撮影現場しか登場しない劇中映画「Pyaar Pyaar Main」にもわざわざオリジナルのフィルミーソングを用意している凝りようだ！
スタッフも前作「Jungle」から脚本のジャイディープ・サーフニー、編集のチャンダン・アローラ、音楽のサンディープ・チョウター（本作ではプレイバックも披露）、アクションは「LKLKBK」のアラン・アミン、とラームゴーパル組が結集している。
意外なところでは、アニル・カプール主演で荒唐無稽なヒーロー物を作り続けていたボニー・カプールが製作に加わっていることだ。こんなところからもボリウッドの変化や発展が伺われる。
興行成績は「Devdas（デーヴダース）」（2002）リリース以前の上半期が３位をキープ。８月現在４位、海外成績は６位と好調。

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