ひんでぃーこれくしょん<C>
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
   
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アッチャー・ソングス
no.1 punjabi
ソーヌー・ニガム
ジャスピンデール・ナールラー
diwani diwani
アヌー・マリク
アナイダー
dulhan ghar aayi
ジャスピンデール・ナールラー
mehndy mehndy
ジャスピンデール・ナールラー
love you love you bolo
アルカー・ヤーグニク
アヌー・マリク
chori chori chupke chupke
アルカー・ヤーグニク
バブルー・スプリヨー
dekhne waalon ne
アルカー・ヤーグニク
ウディット・ナラヤン
deewana hain yhe man
アルカー・ヤーグニク
ソーヌー・ニガム

Chori Chori Chupke Chupke(そっと、こっそり)
チョリ・チョリ・チュプケー・チュプケー
/2001 01.10.27 UP ★★★★
監督:アッバース-ムスターン/音楽:アヌー・マリク/詞:サミール
出演:サルマーン・カーン、ラーニー・ムカルジー、プリティー・ズィンター、アムリーシュ・プリー、デリープ・ターヒル、ジョニー・リーヴァル、プレーム・チョープラ、ファリーダ・ジャラール、ラザック・カーン、ディープティー・バートナーガル
公開日:3月9日(年間トップ9ヒット!)


STORY
富豪のラーケーシュ(アムリーシュ)の孫ラージ(サルマーン)は、見合いすることになるが、その席に現れたのはすでに面識のあったプリィヤ(ラーニー)だった。ふたりは結婚し、やがて彼女は妊娠する。すべてが順調で幸福に思われたある日、クリケットの家族試合中、プリィヤは足をすべらせ流産してしまう。悪いことに、彼女は妊娠できないとドクター(プレーム)が宣言。プリィヤはラージに再婚を勧めるが、彼女を愛してやまない彼は受け付けない。彼女が選んだ第2の案は、代理母。そして、ラージは、ダンサーのマドゥバーラー(プリティー)をみつける・・・。

Revie-U

監督のアッバース-ムスターンは、アッバース・アリバーイ・ブラマワーラームスターン・アリバーイ・ブラマワーラーの兄弟監督。サービス精神満点のB級テイストが売りだったが、本作ではグレードアップしA級メロドラマに挑戦している。
この手の、心温まるジョイント・ファミリー物は言うと、1999年度トップ2ヒットとなったHum Saath-Saath Hain(みんな一緒に)(1999)が思い出される。前作Baadshah(帝王)(1999)をリリースした後、「HSSH」の路線を自分たちなりにアレンジして手がけたくなったのだろうか? それとも、一時、別の監督でアナウンスされていたこともあるので企画を引き継いだだけか?(新作Ajnabee(見知らぬ隣人)では、再びスリラーに戻っている)。
いずれにせよ、意外なほどストレートかつ繊細で、更に磨かれた演出の手腕には驚かされる。
例えば、第1幕。ラビー・バーティア扮するTVリポーターの家族紹介から始まって、ラージとプリィヤの見合い、ハネムーン後の団欒など、幸福なジョイントファミリーの生活ぶりが続き、やがてプリィヤが足を滑らし流産する。だが、ここは不意打ちのサプライズでなく、その前のシークエンスで彼女がカーテンにもたれて踊るところで、すでに観客はサスペンスのスパイスを軽く嗅がされる。そのため、クリケットの最中、「来るぞ、来るぞ」と固唾を呑むわけだ。あざとい演出を使わずに、観客の心理を穏やかに揺さぶるテクニックは「Ajnabee」にも活かされている。

サロゲート・マザーという題材も、ひとつの挑戦であろう。
インドの人々にとって理想の姿であるジョイント・ファミリーは、逆に言えばヒンドゥー・ダルマが厳しく生きているということ。男子は嫡子を作らねばならず、そうでない場合、離婚や第2夫人の強制が為されることが多い。DINKSで通すというわけにはいかないのである(日本でも未だ同じような因習が根強く残っている地方もあるようだが・・・)。
ありきたりの作品であれば、ここで烈火の如き嫁いびり映画に走りそうだが、本作のトーンはあくまでハートウォーミングな「HSSH」路線をキープしつつ、代理母というヒンドゥー社会では物議を醸し出しそうなテーマを選んでいる(ちなみに「Ajnabee」では、夫婦交換!)。

このサロゲート・マザーに扮するのが、プリティー・ズィンター。未婚の母を演じたKya Kehna!(まあ、素敵!)(2000)に続くきわどい役柄である。酒場のダンサー、マドゥーが富豪の生活に触れ嬉々とする様は「プリティ・ウーマン」(1990=米)を思わせる。彼女のあっけらかんとしたところが、正妻を含む3人で行動しても嫌みにならず、妊娠すれば「ふふふ、100万ルピー」とお腹をさすって喜び、憎めない。
しかし、ラージのビジネスパートナー、アジャイが彼女の客だったことから、パーティーの席で密会を強要され、その後にレエプされかける。危ういところをラージが助けるのだが(レエプ未遂のアジャイには鉄拳が飛ぶ!)、マドゥーに恋心が芽生え、彼女の想いを描いたミュージカル・ナンバー「chori chori chupke chupke(そっと、こっそり)となる。
実際、契約に縛られた代理母にも心理的変化が起き、子供を渡さないケースがあるが、本作も終盤に向けてそのようにつながってゆく。

しかし、物語の要はラージとプリィヤの夫婦愛にあり、これをサルマーン・カーンラーニー・ムカルジーがしっとりとした芝居で演じてエモーションを高めている。
特にサルマーンは、久々のロマンティック・スターぶりを見せてくれるのがよい(筋肉も見せびらかしていない)。一家の家長としての威厳を保ちながら孫煩悩の祖父に、お土産ミターイーを食べさせる時の彼の優しさに満ちた表情など、本当の家族関係を見ているようだ。
サルマーンの役柄を掴む巧さには毎回息を飲むが、こういう芝居を見せられるとHello Brother(ハロー・ブラザー)(1999)でのオチャラケエスカレートぶりはダサ弟アルバーズ・カーンを引き立てるために過ぎなかったことが判る(逆のキャスティングでは作品として成り立たなかったはず)。
また、代理母と言っても試験官ベビーでなく「直接的」な受精行為によるため、ラージがマドゥーと一夜を共にするシーンでは、彼の女好きする側面もキャスティングに役立っている。実際のコトの場面は描かれないので、翌朝、プリィヤと顔を合わせる時、これがシャー・ルーク・カーンだとコトのイメージが伝わらないだろう。

このエピソードでのラーニーが愛らしい。
彼女演じるプリィヤは、自分が同じ屋根の下にいては、愛する夫がその気にならないことを悟り、雪降る夜にひとり教会で夜を過ごすのだ。思えば、本作の冒頭、知人の結婚式でプリィヤとラージは出会うのだが(ミュージカル・ナンバー「no.1 punjabi」)、勝ち気な彼女は姉の子を抱いて既婚を装い、一度はラージを追い返してしまう。それが、このような展開になろうとは・・・。
ラーニーはKuch Kuch Hota Hai(何かが起きてる)(1998)でも愛する夫と産まれたばかりの我が子を死別のため愛せない役柄であったが、本作もまた彼女のフィルモグラフィにおいて記憶されるべき作品であろう。

さらに家族が揃ってスイスの別荘を押しかけるに及び、プリィヤとマドゥーの立場に縛られた思いが切なさを増す。
家族の前でプリィヤは妊婦のフリをするわけだが、様々な祝福の心遣いはお腹の胎児が受けなければ意味がない。妊っているマドゥーは、ここで家族同然に受け入れられる。デッリーに戻っての、妊娠を祝うセレモニーでは、プリィヤは産まれてくる「我が子」のためにマドゥーにヴェールを被せて送り出し、自分は陰から祝福の宴を見守る(ミュージカル・ナンバー「mehndy」)。娼妓のマドゥーは、おそらく家族愛を知らずに育ち、このような温かい人間関係に触れ歓喜する。そして、何よりラージに心を移してしまっている。しかし、彼女は代理母である。プリィヤもつらいし、マドゥーもまたつらい。

今見たように、本作でのアッバース-ムスターンの演出はきめ細やかで、リアクション・ショットも丁寧に拾われ、編集も申し分ない。ジョニー・リーヴァルのギャグも軽いスパイス程度に押さえてあるほどだ。
ストーリーはシャルミラー・テゴールシャバナ・アズミー主演「Doosri Dulhan」(1983)を下敷きにしてあるようだが、ハネムーンの別荘でラージとプリィヤが織りなすガラス越しのキス・シーンは、ヤーシュ・チョープラ監督作Daag(汚点)(1973)へのオマージュと思われる。しかも単なる引用でなく、代理出産のため再びスイスの別荘を訪れたプリィヤが、かつて愛の絶頂にあった感傷に耽る小道具として使用されている。

その他、ラージの祖父にアムリーシュ・プリー、父にデリープ・ターヒル、親戚同様の医師役にプレーム・チョープラ、そして、トップレス・バーの酔客にラザック・カーンが出演。
ミュージカル・ナンバー「mehndy」での歌姫役には、Uljhan(2001)のディープティー・バートナーガルがフィーチャーされている。

ファイナンシャー、バーラト・シャー疑惑のスキャンダルにも屈せず、7週以上のヒットとなった。年間通してもトップ10には留まるだろう。

*追記06.05.15
TVレポーター役のラビー・バーティアは、ミス・インディア1993Film Fare Awards 1995のホステス役も勤めていいて、DDLJ(1995)で監督賞を受賞したヤーシュ・チョープラのスピーチを感情移入しながら聞き入っていた。キャリアとしては司会業がほとんどだが、ディノ・モレア主演「Chhal」(2006)で初のヒロイン?

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