ひんでぃーこれくしょん<B>
オススメ度 =陳腐 ★★=退屈 ★★★=平均点 ★★★★=面白い! ★★★★★=お気に入り!!
   
アッチャー・ソングス
jubhum jawan honge
ラター・マンゲーシュカル
シャビール・クマール

teri tasveer mil gayi
シャビール・クマール
tumne di awaaz
シャビール・クマール
badal yun garajta hai
ラター・マンゲーシュカル
シャビール・クマール
apne dil se badi dushmani ki
ラター・マンゲーシュカル
シャビール・クマール

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Betaab(燃える恋)/1983 06.05.10 ★★★
製作:ビクラム・スィン・デーハール/監督:ラーフル・ラーワイル/原案・脚本・台詞:ジャヴェード・アクタール/撮影:マンモーハン・スィン/詞:アナン・バクシー/音楽:R・D・バルマン/振付:スレーシュ・バット/美術:R・ヴェルマン/編集:V・N・マイェカル/
出演:シャンミー・カプール、ニルパー・ローイ、プレーム・チョープラ、サニー・デーオル、アムリター・スィン、スンデール、ラジーヴ・アナン、ゴーガ・カプール、アンヌー・カプール
公開日:8月5日(80年代中21位!)


STORY
かつて父親同士が友人であった幼馴染みのサニー(サニー)ディンギーことロマ(アムリター)は恋に落ちるものの、彼女の父親サルダール・ディニーシュ・スィン・ギルジー(シャンミー)らに反対され・・・。

Revie-U

サニー・デーオルのデビュー作。
当時、ロンドンに演劇留学していたサニーを訪ねたダルメーンドルが連れ帰って出演させたのが、本作。 美しい山間部の牧場で母と暮らすサニー、という役どころ。冒頭、運搬されて来た荒馬を乗りこなすロディオ・スタントも、ダルメーンドルの指示でデュプリケート(吹き替えのスタントマン)を使う手筈だったが、サニーは自らこれに挑戦! 一部、吹き替えであるようだが、かなりのショットを本人が乗っており、タフなところを見せつける。また、クライマックスでは「駅馬車」(1939=米)を彷彿とさせる四頭立ての馬車の下をかい潜る危険なスタント・アクションも吹き替えなし!
演技の方は、概ね問題なし。台詞まわしは若手スターだったラージ・バッバルを思わせる。その点ではGhayal(傷ついた者)(1990)の兄弟役は、よく出来たキャスティングであった。公表されたバイオデータからすると、サニーは当時22歳(ホントは27ないし30歳?)。今と比べてやや痩せたマスクは青年らしい甘さが漂い、青春スターらしい?!

さて、ヒロインは、揃ってのダブル・デビューとなるアムリター・スィン。スルターンの娘とあって、白いドレスに長い黒髪から高貴さが伺われる。
が、これがなんとボリウッド映画最凶とも言える高飛車ぶり! なにしろ、ベンツで乗りつけたGSで給油が遅いことに腹を立て、鉄パイプをふりまわしてスタンドを破壊!! その高いカナキリ声で喚き散らす様からすれば、K3G(2001)のカリーナ・カプールなど可愛いネンネにしか見えない。
アムリターは当時、まだデリーの学生で、アミターブ・バッチャン「Trishul」(1978)からの台詞が引用されてサニーとのフィルムテストが行われた。ラッシュを見たダルメーンドルがリテイクを命じ、彼女のダビング(アフレコ)にまで口を挟んでしごいたとか。

ここまで見ると、弟ボビー・デーオルのデビュー作「Barsaat(雨季)(1993)が、トゥインクル・カンナーとのダブル・デビューであること、ワイルドな青年主人公と富豪の娘という設定、先の荒馬乗りが虎(!)との格闘へ昇華されているあたりから、本作からの影響を垣間見ることができる。

そのアムリター扮するディンギーことロマであるが、カシュミール行きのティケットを破り捨てて、小旅行としゃれ込んだのが父が新たに購入した別荘。ここで、サニーと出くわすというわけだ。実はこのふたり、幼馴染みで、はじめからディンギーのことを知っているサニーに対して、ロマはそれに氣付いておらず、第一印象は極めて悪い。
続いて、牧場から鶏やら卵からをオンボロのピックアップトラックで出荷にゆくサニーと、ジープでドライブ中のロマが激流の上に架かった木橋の上で出合い頭となる。ここでサニーが口説かんとすると、氣丈なロマが意外にもバックして道を譲る・・・か、に見えてさにあらず! ロマは助走を付けてサニーのトラック(サニトラでなく、古いトヨタ製でドアも屋根もなく、ボンネットがバンバン跳ね上がる)に体当たりしては無理矢理押しのけて通り抜けてしまう!
サニーも負けじと、走り去るロマのジープを追って、果ては道路脇へと叩き落とす。これでへこたれるようなロマではない。村人たちにジープを引き上げさせるとさっそく飛び乗って走り出す。サニーは駅に向かっており、ここで外出していた母が現れ、追いついたロマが幼馴染みであったことを悟り、一転、愛が育む・・・という予想を覆し、ロマはジープをサニーの農場へと突っ込み、小屋という小屋を破壊してしまうのだ!!! なんという凄まじさ!
牧場へと戻って唖然とするサニーだが、ロマの仕業と知るや、彼女を追いかけて強引に連れ去る。そして、彼女自身の労働で小屋の修復を命じるのだ。無論、火のように勝ち氣なロマがこれに応じるわけもなく、早々に逃げ出す。そこで彼女はコブラに噛まれ、後を追ったサニーが傷口から毒を吸い出すのだ。
苦悶する若きアムリターの表情が巧みにモンタージュされ、一種、官能的な効果を生んでいる(別のシーンで、サニーとアムリターの瞬間的なキスが2度あり)。
このエモーションが転機となって、ロマは従順な恋する乙女、幼馴染みのディンギーへと変身。先に連なった過剰なエピソードが、ふたりの愛をダイナミックに増幅。後半がありがちな展開であるもの、充分に感情を引き寄せ続ける。

サニーの母親役は、「アマル・アクバル・アントニー」Amar Akbar Anthony(1977)での盲目となる母親役のニルパー・ローイ。惜しくも2004年10月に他界。
アムリターの父親役が、名門カプール家の長男シャンミー・カプール「Teesi Manzil」(1966)の頃から脂肪体質が氣になっていたが、本作ではかなりの胴回りとなって登場。胡麻塩の髭姿は、かのオーソン・ウェルズに通じ、風雪に刻まれた顔の造形だけでも充分に威圧する芝居はさすが!
後半、悪役ぶりを示すのがプレーム・チョープラ。身分違いの恋に「私は助けることができませんが…」と言いつつ、アムリターに加勢する別荘の執事役がアンヌー・カプールHum KisiSe Kum Nahin(2002)ではサンジャイ・ダット扮するムンナー・バーイの弟分、ムンナー・モバイル役でフィルミーナンバーまで用意されていたっけ。安っぽいコメディアンに思えて、「Raincoat」(2004)で演技派アジェイ・デーヴガンと遜色のない芝居を見せるなど、ボリウッド映画人の質の高さを証明するひとり。
また、少年時代のサニー役として姿を見せているのが、男性プレイバックシンガーの頂点に立つソーヌー・ニガムとのこと。ただし、イメージショットのみとあって彼の声が聴けず、ロングショットばかりで顔も判断できないのが残念。

脚本は、サルマーン・カーンの父親サリーム・カーンとコンビを組んで連名でSholay(1975)、「Don」(1978)などを発表していたジャヴェード・アクタール
「Shakti(力)(1982)を最後に袂を分かったのか、本作は初の単独脚本となる。同時期にサリームはサンジャイ主演Naam(名前)(1986)を執筆しているのが、興味深い。ふたりの連名作品には「Mr.インディア」Mr.India(1987)があるが、脚本はもっと前に出来上がっていたのだろう。
ちなみに、ジャヴェードの単独脚本作にサルマーンの出演作は皆無、多作を誇るフィルミーソングの歌詞にしても「Marigold」(2006)まで一切なし!?

「Barsaat」のトゥインクルもそうであったが、他の出演作ではぱっとしないアムリターもデビュー作とあって、鮮烈な印象。スルターンの娘であるアムリターが鶏を追いかけたあげく水たまりに顔を突っ込んだり、鶏小屋に内側から網を張ってゆき自分が出られなくなるなど、実に愛らしいところを見せる。
近年、年下の夫サイーフ・アリー・カーンと離婚し、映画やTVに復帰を画策中というアムリター。「Kalyug」(2005)でもしっとりとした熟女ぶりを披露しているが、親権を勝ち取った母親の復帰作としては、いささかスキャンダラスなB級作品であったのが氣にかかるところではある。

名匠R・D・バルマンによるフィルミーソングは、ディンギーが幼少の記憶を思い出す「jub hum jawan honge」が耳に残る。この曲で、プレイバックシンガーのシャビール・クマールと作詞のアナン・バクシーFilm Fare Awardsにノミネートされている。
また、新聞記事の切り抜きから幼馴染みディンギーに想いを寄せる妄想ナンバー「teri tasveer mil gayi」は、草の上を走るアムリターの幻影にDil To Pagal Hai(心狂おしく)(1998)のマードゥリー・ディクシトが重ね合わさる。
シャビールの声色は、どこかソーヌーを思わせるが、「apne dil se badi dushmani ki」では外し具合からサニー自身のプレイバックかと聴き間違えるところも。

監督のラーフル・ラーワイルは、シャー・ルーク・カーンのストーカー物「アシュラ」Anjaam(1994)が日本公開されているが、本作以降は6作連続でサニーとコンビを、「Mast Kalandar」(1991)ではダルメーンドル、シャンミーと、「...Aur Pyaar Ho Gaya(そして愛し始めた)(1997)ではボビーと、その後もサニーとは「Arjun Pandit」(1999)、「Jo Boke So Nihaal」(2005)で組むなどデーオル家と深い結びつきを持つ。
ダルメーンドルは本作でもノンクレディットで製作に絡み、ボビーのデビュー作を大々的にプロデュースする一方で、父子共演はなく、サニーが監督しボビーと兄弟出演したDillagi(冗談)(1999)でも父親役はレスリング・チャンピオンとして名高いダーラー・スィンに譲っている(イーシャ・デーオルのデビュー時は、真っ先にでなく、しばらくしてから作品を観たとか)。
それと、DDLJ(1995)で強い印象を残したスタジオ内の停車場が本作でも使われている。
 
 
 
 
 

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